追想の山々1351  

藻琴山=もことやま(1000m) 登頂日1999.07.19 妻同行
展望台(10.45)−−−藻琴山(12.00)−−−展望台(12.35)
所要時間 1間50分 一等三角点
藻琴山山頂
≪屈斜路湖外輪山≫

釧路から標茶、弟子屈と走り抜け、川湯温泉の先で小清水峠へと向かう。車はどんどん高度を上げてゆく。道路沿いの樹林もまばらになって、笹や低潅木主体の高原の雰囲気に変わってきた。あいにくの霧で屈斜路湖を見ることはできない。いくつもカーブを切りながら上りついたところが小清水峠の展望台で、小奇麗なレストハウスも建っている。夏とは思えないような肌寒い風が吹いている。数台の自動車があるだけで、観光客の賑わいはない。観光シーズンにはまだちょっと早いのだろう。  

展望台の大きな駐車場の奥に藻琴山への登山口があった。展望台から上は霧が覆って藻琴山の姿を見ることはできない。
よく整備された道がつけられている。コースタイムで山頂まで1時間の行程。気楽なピクニックコースである。のんびりと歩きはじめる。すぐにハイマツ帯となる。本州中部では2000メートルを越えないと見られないハイマツが、ここでは1000メートル以下に植生している。これが北海道の山である。勾配もいたって緩やかで、「山を登る」と意気込んで来た人にはがっかりするだろう。
天気が良いと屈斜路湖を眺めながらのハイキングになるというが、今日は終始霧の中である。
ほどなく屏風岩という岩場に着く。南側斜面が高山植物のお花畑になっていて、ハイオトギリ、チシマフウロ、ハクサンシャジン、イワギキョウ、チシマセンブリ、ムカゴトラノオなどの花が見られた。屏風岩で右に直角に折れ、そのまま尾根をたどって行く。ハイマツ、ミヤマハンノキなどの高山性の低木の中を行くと、ちょっとした広場に出る。ここからかなり急な斜面が目の前に立ちはだかる。しかしほんのひと登りする程度の登りで、この上が山頂だった。

山頂には一等三角点標石が埋め込まれている。遮るものはなく、展望はすこぶるよさそうだが、あいにくの霧で眺望はゼロ。もちろん屈斜路湖の眺めもない。とりあえず記念写真だけ撮って展望台へ引き返した。
数日後、知床からの帰り屈斜路湖畔の硫黄山へ立ち寄った。そのとき平坦な台地のような藻琴山を望見することができた。