追想の山々1357  

 駒止湿原(1169m) 登頂日1993.06.12 単独行
湿原入口(6.20)−−−大谷地−−−白樺谷地−−−水無谷地−−−湿原入口(7.40)
所要時間 1時間45分 最高点に三等三角点あり
水無谷地
会津田島町からR289を伊南村方面へ車を走らせる。針生集落で『駒止湿原』の道標を見て駒止峠越えの旧道へ入った。曲がりくねった坂道を高度を上げて行くと駒止湿原入口の駐車場に到着。早朝にもにかかわらず数台の自動車が止まっていた。

カメラだけ持って湿原の散策に向かう。
かねてこの地に尾瀬同様の高層湿原があるのを知り、機会があった ら訪ねてみたいと思っていた。尾瀬ほどの規模はないが、国の特別天然記念物として保護されているという。
駐車場から丸太の階段で雑木の中を抜けると、散策コースは木道となって湿原の中へ入って行く。最初の湿原が『大谷地』、湿原を取り囲む林は乳白色の霧におぼろにかすみ、幻想的な雰囲気を醸している。花の季節には少し早いのか、目につくのは咲きはじめたワタスゲ、それにタテヤマリンドウ、ミズバショウ、ショウジョウバカマなど。その数はまだ少ない。

大谷地を過ぎ、一度砂利道へ出て500メートルばかり歩くと、再び木道で湿原へと入って行く。二番目の白樺湿原である。潅木の茂みからはウグイスの声が賑やかだ。カツコウの鳴き声もよく通る。
細長い白樺湿原は特にワタスゲが目立つ。まだ穂の開きが不十分だが、あと一週間もすれば一斉に風に揺れる美しい景観に変わるだろう。
白樺湿原と次の水無湿原との間はブナの林で区切られている。林を 抜けると三つ目の水無湿原、霧はすっかり消えて、まばゆいような青 空が広がっていた。水無湿原は鍵型の湿原で、“水無”というのに湿原のには澄んだ流れが青空を映して光っている。婉曲しながら流れる水路に沿ってミズバショウの花が並ぶ。お化けのような花を最近はよく見かけるが、こうした小ぶりの花がミズバショウらしくて清楚でいい。
最奥まで散策してから同じ木道を駐車場まで戻った。