追想の山々1376  

奥多摩笹尾根
槙寄山
(1188m)・丸山(1098m)・土俵岳(1005) 登
頂日1991.01.26 単独
仲の平(8.50)−−−西原峠(1015)−−−槙寄山(10.20-10.35)−−−笛吹峠(11.50)−−−丸山(12.10-13.00)−−−小棡峠(13.20)−−−土俵岳(13.50)−−−日原峠(14.00)−−−浅間峠(14.30)−−−上川乗(15.10)
行程 6時間20分 東京都 槙寄山 三等三角点
丸 山 二等三角点
土俵岳 三等三角点
丸山山頂
寒中のハイキングは明るい尾根がいい。そう思って奥多摩笹尾根に出かけた。

この朝は寒中らしい冷え込みだったが、五日市駅でバスに乗り換え、桧原村の仲の平登山口のバス停についた頃には、日もすっかり上がって気持ちいい日差しが降り注いでいた。
先日、奥多摩方面に大雪が降ったというが、集落の雪は意外と少ない。

笹尾根というのは三頭山から派生して東南に伸びる、奥多摩最 南端の尾根である。
まず西原峠へ登る。以前三頭山へ登ったときと同じコースで、まだはっきり記憶に残っている。登山道に取りつくと落ち葉の道がつづき、日陰に見える程度だった雪も、徐々に多くなって、いつしか雪の上を歩くようになっていた。
雑木林越しに三頭山を見ながら登って行く。今日は急いで歩いても帰りのバスがない。思い切りゆっくり歩くことにする。ガイドブックどうりの時間で歩いてもまだ早すぎる。超ゆっくりペースでちょうどいいようだ。

西原峠近くなると雪もだいぶ深くなってきた。ストックを刺して見ると20〜30センチほどだった。
北斜面の登りから西原峠に出ると、眩しいほどに急に明るくなった。すぐ西寄りにある槙寄山の頂上からは冬富士が美しい。
さきほどの西原峠へもどって、ここから東南東に伸びる笹尾根をたどる。しばらくは樹林に邪魔されて展望がなかったが、カヤトの原に出ると奥多摩の山々が目に飛び込んで来た。奥多摩三名山といわれる三頭山、御前山、大岳山が手に取るようだ。
雪を踏んでなだらかな尾根がつづく。そのままカヤトの明るい尾根歩きかと思っていたが、むしろ雑木の尾根道といった方がふさわしい。しかし雑木の冬木立の趣は捨て難い味わいがあって好きだ。

12時ちょっと前、笛吹(うずしき)峠に着く。昼食場所にしては日だまりもない寒い峠だったので、もう少し先へ進んでみることにした。前方にこんもりとした頂上がある。道を外して雪の斜面を頂上目指して一直線に登り切ると、そこが無垢の雪に覆われた丸山山頂だった。
山頂の一角に腰を下ろして昼食にする。テルモスの紅茶がうまい。
二組のハイ カーが着いて賑やかになったのを機に、山頂を後にした。しばらく下ると小欄(こゆずり)峠だった。
その先も坦々とした尾根を気楽に足を運ぶ。
次の土俵岳は山頂らしい感じもしないピー クだった。休憩中の初老の夫婦は、この先日原峠から上野原町の方へ降りる予定だという。
本日のコースも、もう残り少ない。日原峠を過ぎると、やがて味気無い植林の尾根となって下降して行く。高度が下がって行くと雪も少なくなり、登山道も土の部分が多くなって来た。西原峠、笛吹峠、小棡峠、日原峠と越えてきて、最後の浅間峠からはまっすぐ上川苔の集落に向けて下って行くのみだ。
50分の下りと思ったのが勘違いで、30分で下ってしまった。そのためバスの時間まで40分以上も待つことになった。
バスを待っている間、山間の日暮れは早く、3時半を過ぎると日が陰り、急に寒さが忍びいって来た。