追想の山々1383  

丹沢  三ノ塔(1205m)塔ノ岳(1494m 登頂日1996.01.27 単独
ヤビツ峠富士見山荘(6.50)−−−ニノ塔(7.40-7.45)−−−三ノ塔(8.10)−−−鳥尾山荘(8.25)−−−行者岳(8.45)−−−かいさく茶屋−−−大日小屋(9.15)−−−木の又小屋(9.25)−−−塔ノ岳(9.45-10.00)−−−木の又小屋−−−かいさく小屋−−−行者岳(10.55)−−−鳥尾山荘−−−三ノ塔(11.30-11.35)−−−ニノ塔−−−富士見山荘(12.15)
行程 5時間35分 神奈川 三ノ塔 三等三角点
塔ノ岳 三等三角点
塔ノ岳スケッチ
先日降雪があってから、日をおかずに丹沢の山を歩いて来た。
今回はまだ歩いたことのないヤビツ峠から、三ノ塔を経由して塔の岳を往復するコース。ヤビツ峠から登山口近くの富士見山荘へは、路面の雪が氷化してツルツル、慎重にハンドルを握って富士見山荘付近の駐車場へ車を止めた。

富士見山荘前から林道へ入ると、最初から雪道となる。林道から登山道へとりついた、もう一度林道を横切ると、いよいよ本格的な登りがはじまる。
1時間ほどでニノ塔のピークに立つ。手の届くほどのところに三ノ塔がある。その肩越しには端麗な富士山が目をひきつける。
いったん下ってからひと登りすれば三ノ塔である。雪の積ったピークは、遊園地さながらにベンチやテーブル、休憩舎などの設備がととのっていた。東方には関東平野が広がり、新宿の高層ビル群、そして青くかすんだ遠い山々は、那須、日光の連山だろうか。

三ノ塔からは、せっかく稼いできた標高を食いつぶすような大きな下りがつづく。雪でスリップしないように気を使う。
コルから登り返すと鳥屋山のピークで小屋が建っている。無人なのか人の気配はない。
再び下りに入ったあと登り返しとなる。登山口から塔の岳までは、単純標高差は800メートルほどだが、登り降りの繰り返しが多くて、実質標高差は1000メートルを優に越すだろう。
登りついたピークは行者岳、岩場の小さな突起だ。

行者岳からの下りはちょっとした岩場になっている。鎖がついているが、雪が張りついてアイゼンがほしいところだった。ここで大きなアップダウンは終わって、後は塔ノ岳目指して一歩一歩高度を稼いで行く。
書策小屋、新大日小屋、木の又小屋と山小屋がたてつづけに建っている。
登山口からほとんど土を踏まずに、雪の上だけを歩いて塔ノ岳へ到着。登り3時間余の行程だった。
雪に覆われた山頂は、北風が吹きつけて、汗で濡れた体がたちまち冷えて行く。
三ノ塔では鮮明な姿を見せていた富士山も、いつのまにか雲をかぶり、関東平野も薄もやにかすみはじめていた。

寒さに追われるように山頂を後にして来た道を戻る。帰路もいく つもの登り降りを経なければならなかった。特に三ノ塔への登り返しはなきつかった。
途中多くのハイカーと擦れ違って、登山口の富士見山荘ヘの帰着はまだ時刻の早い12時15分だった。