追想の山々1399

  

 高烏谷山=たかずやさん(1331m)  登頂日1999.04.08 単独行
高鳥屋神社鳥居(8.45)−−−高鳥屋山(9.30-10.00)−−−高鳥屋神社(10.30)
行程1間45分 長野県 高烏谷山 三等三角点
山頂から中アの展望がすばしらい
伊那谷にはもう一つよく似た名前の「高鳥谷山」がある。飯田市郊外にあって、こちらは「たがどやさん」という。「鳥=とり」と「烏=からす」のちがいである
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老母の介護で郷里へ帰ったが、意外に元気にしていて、つききっきりの介護の必要もない状態だった。そこで短時間に登って来られる山として高烏谷山へ出かけた。
伊那市と駒ヶ根市の境界にあって南ア衛兵のような山である。山頂まで自動車でも行けるらしい。
伊那市側から火山峠を越えて、最初にあらわれるのが上塩田という山間の小さな集落である。ここで仕事をしていたおばさんに登山口を教えてもらった。
上塩田の県道から、すれ違いも難しそうな細い道を山側へさらに入って行く。山すその斜面にへばりつくような小集落を外れ、さらに進んで行くと高烏谷神社というのがあり、そこが登山口となる。

高烏谷神社までは、要所々々に神社へ導く道標がある。神社の鳥居前には駐車場もある。
鳥居をくぐって参道をゆるく上ってゆく。参道の両側は赤松の巨木が高々と聳えている。参道は『杉の木』というのが定番だが、赤松は珍しい。県の天然記念物に指定されているようだ。
参道を歩いて5分弱で社殿に着く。この近くにも駐車場があるので、ここまで自動車で入ることも可能。

神社裏から山道となり、赤松林の中を登って行く。しばらく赤松の林がつづくが、やがて雑木林と変わり、振り向くと銀嶺が眩しい木曽山脈(中央アルプス)が正面に見える。木曽駒、宝剣の真東がこの高烏谷山という感じだ。

足の長い霜柱を踏み、歩き始めて約45分、もう頂上だった。石碑や石造りの祠、石柱などがたくさんある。昔から信仰の山として地元では親しまれていたのだろう。
東に赤石山脈、西に木曽山脈という地形の中では、標高わずか1300メートル余の高烏谷山は、丘ほどの存在感しかないが展望は文句のない絶景。白銀に輝く南アルプスのすべての山々、はるか池口岳から不動岳あたりと思われる山頂までもが望める。西に目を向ければ中央アルプスがある。経ケ岳、木曽駒、宝剣、南駒、仙崖嶺、越百山と連なる山々はまだ冬のたたずまいだ。
予想もしなかったすばらしい眺望に大満足して山頂を後にした。