追想の山々1433

  

大天井岳(1438m) 頂日2000.10.04 単独
五番関トンネル(5.50)−−−五番関(6.00)−−−大天井岳(6.40-6.45)−−−百丁茶屋跡(7.20)−−−五番関(8.25)−−−五番関トンネル(8.35)
行程 2時間45分 奈良県 大天井岳 三等三角点
五番関の「女人結界門」
登山口となる五番関トンネルへのアプローチは、川上村からと天川村洞川からと二つの方法があった。どちらも時間的には似たような気がして川上村からの道を選んだ。
川上村杉の湯から左へ別れた林道へ入る。途中、こんな辺鄙な山奥によく住み着いたと思われるような小さな集落があったりする。かなり長い林道を奥へ奥へと高度を上げてゆくと、一番高い地点が五番関トンネルになっている。トンネルを抜けたところに休憩所として整備された駐車スペースもある。大天井岳への登山口である。

天気がよくなる筈だったのに晴れ間はまったく見えない。休憩舎の裏から山道へ入る。やや急登だが明瞭な道だ。10分も歩くと稜線となり、そこが五番関でいわゆる昔の峠であろうか。コースが十字に交差している。大峰奥駆道の途中でもある。ここを南へ向かえば山上ケ岳で、大きな「女人結界」の門がいかめしく立っている。立て看板に女人結界の理由を、宗教的根拠によるものとして掲げているが、どっちにしても今どき陳腐、時代遅れのことである。

大天井岳へは山上ケ岳方面とは逆に北へ向かう。霧が靄のように立ち込める稜線を行く。大天井岳へつづくこの道は奥駆道とは別で、いわゆる奥駆道というのは東側へ山腹を縫うようにして北へ向かっている。
年を経たブナなどの自然林が広がっている。たいした登りではないがコブを二つ三つ越える。実に静かだ。姿は見えないが薮を分ける音は鹿だろう。両側樹林で展望はない。

五番関から40分で大天井岳に到着した。小さな山頂だ。 三等三角点の標石がある。北側だけが切り開かれていたが、あいにくの濃いガスで展望はまったく望めなかった。

帰りは百丁茶屋跡を経由することにした。大天井岳からさらに北へと向かう。百丁茶屋まではたいしたことはないと思われたが、結構距離もあるし、高度も下げている。この分をまた登りかえすことになる。道を間違えたのではないかと心配になったころ、ようやく百丁茶屋跡に着いた。ちょっとした広場になっていて、かたわらには無人小屋もあり宿泊出来そうだ。
この百丁茶屋は奥駆道にあって、ここから五番関へと山腹の山ひだを縫うようにして通じている。五番関まではわけないと思われたが距離はかなりある。奥駆道はほとんどが杉の人工林で薄暗く陰気だ。早足で歩いて今朝方の五番関まで45分かかった。
五番関からは一気にトンネル入口の駐車地点まで駆け下った。
帰路は洞川へ出て温泉へ入ろうとしたが、開業は11時から、まだ9時そこそこで待つには長すぎるのでそのまま帰宅となった。