追想の山々1435

  

大普賢岳(1780m)・和佐又山(1344m) 頂日2000.09.29 単独
和佐又ヒュッテ(5.40)−−−和佐又山分岐(5.55)−−−笙の窟(6.30)−−−小普賢(6.50)−−−大普賢岳(7.15-7.25)−−−小普賢(7.40)−−−笙の窟(8.00-8.05)−−−和佐又山分岐(8.25)−−−和佐又山(8.40)−−−和佐又ヒュッテ(8.55)
行程 3時間15分 奈良県 大普賢岳 三等三角点
和佐又山 三等三角点
≪奈良県の一等三角点≫
大普賢岳にて

吉野から伯母子トンネルへの道が見違えるほどよくなっていた。10年余前に走った時は、林道のような谷間の道ですれ違いにも難儀したものだった。伯母子トンネルを抜け、道標が右を示す和佐又への道を10分ほどで和佐又ヒュッテのある終点に到着。夜が明けたばかりで管理人も寝ている様子。駐車料金は下山時に払うことにして、早速足ごしらへの上出発。

ヒュッテ先で閉鎖されている車道を離れ、大普賢岳への道標に導かれて登ってゆく。すぐにまた車道に合流して広場となる。ここからがほんとうの登山道のはじまりであった。
杉の人工林が多い奈良県だが、大峰山系は植林があまり目につかない。落葉樹林が残っているのがうれしい。このコースもナラ、ヒメシャラなどのほか、カエデなども混じって、あとひと月もすればきっと紅葉、黄葉が楽しめるだろう。

ベンチのある三叉路で、和佐又山へのコースを左に見送って樹林の中を先へ進む。登山道は遊歩道のように整備されている。
ヒュッテから1時間近く歩くと、岩壁基部に窟(いわや)がある。最初が指弾窟、ついで朝日窟、そして最大の笙ノ窟となる。特に笙ノ窟の岩壁は覆い被さるような迫力で、基部に立って見上げると恐怖を感じるほどだ。岩壁にはカエデなどの樹木がてんてんと張り付き、ほんのわずか紅葉の兆しを見せていた。
笙ノ窟を過ぎると日本岳という道標があり、ここでコースは左へ直角に折れる。これまでの遊歩道の感じから、かなり険しい道に変わった。急峻な岩の斜面につけられた道には、鉄製の桟橋や梯子が次々とあらわれる。「滑落注意」の看板がやたらに目につく。細心の注意に越したことはないが、それほど神経質になるほどのことはない。

大普賢岳が岩の塊で成っていることを認識しながら登って行くと、小普賢岳の表示のある高みに立つ。ピークという感じはないが、ここから大普賢岳が山頂部を霧に覆われて前方にくろぐろと佇んでいた。
いったん小さく下ってから、鉄の梯子などを頼りに、急な登りを攀じると稜線の縦走コースに合流、三等三角点の大普賢岳は稜線から少し南へ外れたところにあった。
生憎の曇り模様で山頂からの遠望はきかなかったが、大峰山系の南部釈迦ケ岳方面や、北に山上ケ岳、稲村ケ岳などを眺めることが出来た。

山頂を後にして同じコースをたどって下山。途中和佐又山(三等三角点)山頂を経由してヒュッテまで下った。