追想の山々1439
  

音羽三山
音羽山
852m)・経ケ塚山(889m)・熊ケ岳(904m)
登頂日2000.01.14 単独
下居(6.40)−−−音羽観音(7.35)−−−音羽山(8.15-8.25)−−−経ケ塚山(8.40)−−−熊ケ岳(9.10)−−−大峠(9.40)−−−下居(10.25)
行程 3時間45分 奈良県 音羽山  三等三角点
音羽山山頂
桜井市南部に音羽三山と称して三つのピークを縦走するコースがある。縦走と言っても最高峰が900メートル余、真冬のハイキングには手ごろである。

自動車を県道37号線路肩スペースに置いて出発。
コースは音羽観音(善方寺)側から大峠側への周回とした。  下居バス停から音羽山観音寺の案内板を見て橋を渡る。昔の道標に「右たむの××」と読める。多武峰のことだとわかるが、左へは何と書いてあるのか読めなかった。
橋を渡った先の集落はまだ寝静まっている。民家はすぐに途切れ、曲がりくねった上り勾配の林道を、爪先上がりに進む。 最初は舗装されていた道も、気が付けば未舗装に変わっている。  

左手に善法寺への参道が分かれる。バイク乗り入れ禁止の表示があるところを見ると、この参道をバイクで走る不心得者がいるのだろう。道幅はあるが山道らしく勾配が急になってきた。参道沿いには「丁目」を示す石標が立っている。
ほぼ1時間歩いて音羽観音善法寺へ到着した。山の中腹に建つ建物としては、なかなか立派なお堂である。ちん入者と間違えて犬がけたたましく吠え立てていたが、突如こちらに向かって大型犬2頭が疾走してきた。どきっとしたが2頭は私の体に足をかけたりしてじゃれるのを見て一安心。尼さんがかけ寄って来て連れ去った。この観音寺は眼病に霊験があるという意味のことが書かれている。

観音寺を後にするとようやく登山道となった。
1昨年の台風で杉林が派手になぎ倒されている。登山道はすぐに沢の中を歩くようになる。テープの目印があって、沢から離れた比較的新しい道が右手についている。倒木のため一時的な迂回路でも作ったのだろうか。そう思って新しい道へ取付いた。
山腹をじぐざぐに登って行くと倒木の整理作業中のところへ出た。ここから道が不明瞭になってしまった。新しい道は作業現場への道だったのだ。今さら引き返すのも面倒だし、細々だが踏み跡は上へ向かっているので何とかなるだろう。
それほどの時間もかからずにはっきりした道に出会った。ここは道標がないT字路でわかりにくかったが、見当をつけて左に進路を取ると、間もなく音羽山の三角点に無事到達できた。
山頂は樹木に囲まれて展望はゼロ、それに広い平坦部の一角でピークと言う感じがしない。
今日のコースはあまり訪れる人がいないのか、道標のたぐいはまったく見かけない。

コンパスで方向を確かめて南へ向かう。
標高が低いこともあるが雪のかけらも見当たらない。金剛山も標高は似たようなものだが、半月前には雪があった。融けてしまったのかも知れない。
次のピーク経ケ塚山へはいったん急な下りの後、再び上り返しとなる。笹露がズボンの裾を濡らす。
かろうじて判読できる『大宇陀へ』と書かれた分岐を過ぎるともう経ケ塚山の山頂だった。音羽山からわけなかった。この山頂も展望はまっくない。大きな石灯篭がある。どうやって運んで来たのだろうか。

展望もない山頂を後にして、三つ目のピーク熊ケ岳へと向かう。
正面に見える尖った頂が熊ケ岳のようだ。鞍部まで下ってから急坂を登りかえす。急登が緩んだあたりから笹がきれいに刈り払われている。最近手入れしたようだ。刈り払いは一部だけで、再び笹の茂る道を登って行くと、最後のピーク熊ケ岳へ到着した。残念ながらここも展望はなし。潅木に囲まれた殺風景な山頂だった。

後は大峠へ向かっての下りだけだ。ところがこの下りが杉の倒木でふさがり、またいだりくぐったりして厄介な歩きを強いられた。まとまってなぎ倒された箇所では道が隠れてしまい、コースがわかりにくくて誤った方向へ行きそうになったりした。
一つ二つコブを越え、近鉄の電波反射板を過ぎると大峠だった。昨年の冬、この大峠から竜門岳を往復したとがあるので、ここから国道までは勝手知った道である。

林道から針道の集落を抜け、国道へ出たところに不動滝がある。たいした滝ではないが、道路から不動滝を見物してから駐車場所まで国道を下って行った。