追想の山々1440
太良路(6.40)−−−曽爾村役場(7.05)−−−大峠(8.00-8.05)−−−南峰(8.40-8.45)−−−古光山(9.02)−−−フカタワ(9.20)−−−後古光山(9.40-9.45)−−−長尾峠(10.10-10.15)−−−太良路(11.00) | |||||
行程 4時間20分 | 奈良県 | 古光山 三等三角点 | |||
倶留尊山の南に位置する小さな山という印象で出かけた。下山予定地の曽爾村太良路付近へ自動車を止めて、国道を曽爾村役場前のバス停まで歩く。ここから林道をたどって大峠まで、さらに車道歩きとなる。標高が上がると路面には雪が見えてきた。役場から大峠まで、1時間の林道歩きは長かった。 峠の火葬場建物の軒下でスパッツをつけたりして身支度を整える。 さて登りにかかろうとしたが道標一つ見えない。地図に登山コースが載っていたので何の心配もしていなかったが、あまりポピュラーな山ではないのだろうか。比較的新しい足跡を追うことにした。 建物裏からいきなり急な斜面へ取付く。足跡は左右二つに分かれて、どっちが本命かわからない。歩き良さそうな方を選んだが、これはすぐに道型とも思えない薮の急斜面へ入って行き、登山道にふさわしくない感じだ。 戻って直登する足跡を追うことにした。それにしても急登の上に足がかりの悪い道だ。おまけに雪が張り付いていて足を取られる。両手を使って草木をつかみながら登ってゆく。 今にも雪が降ってきそうだ。小さな低山とたかをくくって出かけたて来たがなかなか手強い。たちまち汗が流れる。振り返ると背後に300名山の高見山の姿がくすんで見える。 緩むことのない急登を約40分、岩のピークに着いた。最初、ここが古光山頂上と思った。ところが標識も何もない。寒さに震えながら高見山を急いでスケッチして先へ進む。 今日の目的は膝の具合を再確認するための山行だから、天気が悪くても眺望が悪くてもそれは構わない。肝心の膝の方は急登を問題なく登ることができた。どうやら回復は本物のようだが、むしろこの後の下りが問題、まだ安心はできない。 北へ向かう下りの稜線は岩場があったりして、ちょっとしたスリルを味わえる。それに雪がついているので、慎重に歩かないとまた膝を痛めるおそれがある。岩のピークをいくつか越えて20分ほど歩くと、樹木に囲まれたピークに立った。見ると「古光山」の標識がある。ここが主峰と言うことになるが、樹木に遮られて展望はまったくきかなかった。 次は後古光山を目指して進むことになる。ところが足跡はここまでだった。多分大峠からの往復だったものと思われる。 後古光山方面への道標はあるが、指し示す雑木林の中は、雪が降ったままの状態で足跡一つない。最近この先を歩いた人はいないということだ。少し不安がよぎった。 またいつもの「何とかなるだろう」で予定どおり進むことにした。 しばらく下降した後、大変な急斜面の下りに直面した。雪さえなければどうこう言うところではないだろが、雪があると状況は様変わりに厳しくなることがある。ザイルが固定されているが、滑らないように降りて行くのは並大抵ではない。まだ不安の残る膝もかばわなくてはならない。慎重に慎重にこの難所を下りきって、やれやれの思いで人工林に変わった道を辿ると、後古光山との鞍部「フカタワ」に着く。古光山からずいぶん時間がかかったと思ったが、緊張のための錯覚で、実際には20分しかかかっていなかった。 後古光山への登り返しとなるが、これがまた山頂近くまで険しい岩場がつづく。しかしさきほどの下りに比べるとずっと楽だった。 山頂からは正面に倶留尊山が大きく構えているのが見える。三峰山は雪のためにくすんでいた。小雪がちらちらと舞ってきた。寒い。早々に山頂を後にして林道の通る長尾峠への下りにかかった。今までとちがって、道は見違えるほどよく手入れされている。道なりにどんどん足を運んで行けばいい。 正面の亀山、倶留尊山を目にしながら、休憩舎を過ぎて緩やかになってきた道は、やがて雪も消えてもう普段の夏道ハイキングと同様である。 林道の長尾峠へ降り立ち、この林道を45分ほど下って行くと太良路だった。 |