追想の山々1441
  

栃ケ山(809m)櫃ケ岳(781m) 頂日2000.03.06 単独
下市町丹生川神社(6.20)−−−八幡神社(6.50)−−−小社(7.20)−−−小ピーク(7.45)−−−栃ケ山(8.10)−−−櫃ケ岳(8.50-9.00)−−−貝原集落の寺(9.50-10.00)−−−丹生川神社(10.35)
行程 4時間15分 奈良県 栃ケ山  三等三角点
櫃ケ岳山頂
西吉野の小さな山歩きのつもりが、コース不明瞭で道を外して薮を漕いだり、けっこう歩くことになってしまった。
水の神様「丹生川神社」の隣にある林業センターの駐車場に自動車を止め、案内書に載っていた道順で出発した。

センター前の人道専用の橋で丹生川を渡り、対岸の舗装道路を黒木の集落へ向かって緩く登ってゆく。枝道が何個所かあるが感で選んで行く。30分も歩くと案内書に載っていた八幡神社に到着した。道の選びかたが悪かったのか、神社の裏側に着いてしまった。表側に回ると石段や門があって、こっちから登ってくるのが正しかったようだ。

神社の裏手から車道を50メートルほどのところにT字三叉路がある。これを右手に取る。しばらくすると山道となった。道標はないが1本道で迷うところはない。左右の潅木の枝に稲藁がおまじないのように結び付けられている。間隔をあけて稲藁が先へとつづいている。しめ縄のようなものだろうか。
八幡神社から30分ほ歩くと左手に鳥居がある。直進してゆく道を外れ、左の鳥居をくぐって登って行くと小社のある広場に出た。ちょっとしたピークになっている。周囲は伐採木が無造作に折り重なっていた。

小社から先へつづく道が見当たらない。何となく道型らしいものを薮を分けながら進んでみると、はっきりした道らしくなってきた。目ざす栃ケ山への道かどうかはわからないが、とにかく先へ進むことにした。登山道という感じとはちょっとちがう。山仕事用の道かもしれない。
尾根を外れてトラバース気味に進んでいた道は、等高線に沿ってあらぬ方向へ円を描くように延びている。このまま行ったらとんでもない方へ連れていかれそうだ。ここで進路を変えて、右手の尾根へ登ることにする。
杉人工林の道のない斜面を、歩きやすそうなところを選びながら上へ上へと這い登って行った。たどりついた所は樹林に囲まれたピークになっている。さてこれが栃ケ山か?しかし山頂表示もないし、このピークに通じる道もない。
作業用らしいかすかな踏跡を下ってみることにする。うまくすれば、さきほど鳥居の前で直進して行った道が、この付近へ来ているのかもしれない。そんな期待をしながら下ってゆくと明瞭な道に出た。これが登山道かどうかはわからないが、ひとまずちゃんとした道へ出てほっとした。

右へ行くか、左へ行くか、しばらく考えて左方向を取った。さきぼとのピークが栃ケ山でないとすれば、山頂はもう少し先にありそうな気がした。
山道は林道へと変り、左手にピークが見上げられるようになった。ピーク直下を通り過ぎたところで、林道の枝分かれがある。よく見るとピークへ通じているらしい踏跡が確認できる。伐採地の急登を行くと、登り着いたピークには三等三角点とともに「栃ケ山」の小さなプレートが確認出来た。

栃ケ山から次の櫃ケ岳までは、約40分の林道歩きで、ここは迷うこともなく、最後は櫃ケ岳への道標をにしたがって分岐した車道を登って行く。車道の終点が櫃ケ岳山頂で、立派な神社もあった。
山頂は山火事でもあったのか、幹を黒く焦がした樹木が生い茂っていた。

下山は案内書の「やすらぎ村」を目指したが、道標もなくわかりにくい。しばらく車道を進んだあと、見当をつけて山道へ入ると神社がある。神社裏から薄い踏跡を辿って下って行く。明らかに登山道ではない。薮がからみあい、倒木が放置されたままだ。心配になってきたが戻るのも面倒、このまま下ればどこかに降りるだろう。
かろうじて踏跡を追ったが気が付くと道がどこかへ消えていた。しかし里はもう近いようだ。里から聞こえる作業音が耳に届く。
適当に下って行ったら自動車道へ出ることができた。予定のやすらぎ村からはだいぶ離れた地点で、少し先の民家のある集落に「貝原」の表示が出ていた。
車道を4、50分歩いて丹生川神社へと戻った。