追想の山々1445

  

額井岳(821m)・戒場山(738m) 頂日1999.02.08 単独
十八神社(9.05)−−−林道横断−−−額井岳(9.50-10.00)−−−電波反射板−−−十字路−−−戒場山−−−十字路−−−山部赤人の墓−−−十八神社(11.50)
行程 2時間45分 奈良県 額井岳  四等三角点
戒場山 
 三等三角点
山部赤人の墓
榛原町天満台新興住宅街から額井岳が見える。それを目がけて自動車を走らせる。傾斜地に民家が点在する額井集落へ入ると、道は1車線ぎりぎり、今にも行き止まりになりそうな気配だ。通りかかったおじさんに尋ねると、十八神社を教えてくれた。鳥居の下の路肩に駐車スペースがあった。

十八神社に向かって左手が額井岳へのコース。人工林の中を少し行くと舗装された林道へ出る。道標にしたがって70メートル左に行ってから、ふたたび山道へ入ってゆく。道標には「額井岳(大和富士)」となっている。「富士」を冠するには少しばかり小振り過ぎる。かなり無理をした富士である。  

台風による倒木が目立つ。ひと登りして尾根へ上がると赤松、コナラなどの自然林となる。明るい尾根がしばらくつづく。
尾根歩きは長くはなく、汗ばんで来たころには額井岳山頂に達した。十八神社から50分そこそこの行程だった。
山頂には小さな祠がまつられている。展望はあまり利かないが、東の切り開きから霞んで見えるのは台高山地だろうか。

山頂から急な下りで西方の戒場山へ向かう。下りきると電波反射板がある。この先小さな起伏はあるがたいしたことはない。最後の鞍部はコースが十字に交差している。右へ行くのが帰りのコース、左は都祁村へ、直進が戒場山である。
いくらか急な登りを15分ほど登ると、薄暗い植林の中に三等三角点の戒場山頂上があった。展望はゼロ。陰気な山頂に長居は無用とばかりにすぐに下山にかかった。
先ほどの十字路へ戻り、ここから南に向かって下ってゆく。
しばらく下ったところで、杉林のなぎ倒された箇所に直面。まさに一本残らず倒れている。台風のすさまじさである。風の通り道になっていたのだろう。ほとんどが折れたのではなく、根が抜けてひっくり返っているという状況だった。道も完全に無くなっており、しかたなく折り重なる倒木を、サーカスもどきに伝いながら下の方に見える道を目がけて降りて行った。

倒木箇所を過ぎると間もなく林道へ出た。
舗装された道に出てからは、十八神社方向に見当をつけて適当に歩いてゆくと、うまいぐあいに「山部赤人」の墓を経由することができた。山部赤人の墓という確証はないようだが、伝承にもとづいて村人はそう信じているということだ。古色蒼然とした五輪石塔がそれらしい雰囲気を作っていた。
見当をつけて歩いた道はぴったり十八神社へと通じていた。