追想の山々1454
  

高越山=こおつさん(1133m) 頂日2000.11.15 単独
地蔵平(6.20)−−−高越寺−−−高越山(7.00)−−−地蔵平(7.30)−−−別コースから高越山へ−−−地蔵平(7.55)
行程 1時間15分 徳島県 高越山 一等三角点
 ≪徳島県一等三角点≫

思惑とは大ちがい、山頂近くの地蔵平という所まで車で上がってしまった。この山旅の予定にはまったく入っておらず、思いつきで登る気になった山で、地図一つ持っていなかった。
地蔵平には大きな駐車場があり、ここまで来てしまうと山頂は目の前という予感がする。(山頂までの標高差はせいぜい100〜150メートル程度だと思われる)

夕闇が迫っていたので、取りあえず食事をして寝る準備をする。雨が落ちてきた。どこからか子供たちの大声が聞こえる。青少年野外センターに泊まった子供たちが、朝と夕「おこっつぁ〜ん」と声をそろえて、山上の高越寺に呼びかけているのだということを後で知った。

家を出てから今日が5晩目、大きな山には登っていないが、そろそろ疲れも出てきた。そうそうに自動車の中のシュラフにもぐりこんだ。雨音が大きくなってきた。明日は雨を覚悟して寝についた。

目が覚めると雨は小止みとなって、霧のような雨が舞っている程度。明るくなるのを待って6時20分に出発する。
駐車場の奥に鳥居のような大きな門がある。ここからが高越寺の霊域と書いてある。女人禁制の山だというが、これが結界を示しているのだろうか。
“高越山”と大書された看板や石祠などの前を通って、トラバースするような山腹の巻道を行く。今日は長靴履きで片手には傘といういでたち。
ゆっくり歩いて約40分、高越寺の立派な山門に到着する。山門をくぐり寺の広い境内に入る。庫裏には人がいるのだろうが静まりかえっている。
山門の脇から階段がある。これがピークへのコースだろう。上がって行くと大木の下に神社がある。そこから少し登ると聖徳太子像のある山頂で、一等三角点を探したが見当たらない。この先にもピークが見えるので行って見た。この間は花見時のような裸電球が並んでいたが、夜の参詣者があるのだろうか。ピークには奥の院があり、社や庫裏のような建物もある。しかしここにも三角点は見当たらない。結局一等三角点を確認出来ないまま地蔵平まで戻った。

駐車場隅の高越山と大書された看板の裏から、一筋の踏跡らしきものがある。あるいは一等三角点への道ではないか、そう考えて踏跡を追ってみた。踏跡は消えそうに薄いものだ。
石仏などの祭られたところを過ぎ、突然木の祠のあるピークに達した。15分もかかっていない。記憶にある光景、何と先程の奥の院ではないか。キツネにつままれた気分気分だった。  

地蔵平まで戻ると「おこっつぁ〜ん」の呼びかけが響いてきた。