追想の山々1455
  

五段城(1456m) 天狗高原 登頂日2000.11.12 単独
姫鶴平(10.30)−−−五段城(11.10)−−−姫鶴平(11.50)----天狗高原散策
行程 1時間20分 愛媛県 五段城 二等三角点
カルスト台地の奥が五段城
中津明神山を下山してから、四国カルストへ向かう。深い渓谷を見下ろしながら、R440を地芳峠へ向けて自動車を走らせる。よくも住み着いたと思われる秘境のような渓谷に、民家がへばりついて点在する。車道の通じる以前、その生活はいったいどんなものだったのだろうか。
山の斜面を削りとって延々とつづく渓谷の道は、高度が上がると次第に紅葉が濃さを増してきた。紅葉を楽しみながら国道最高点の地芳峠から四国カルスト姫鶴平方面へと分かれる。  写真などで目にする秋吉台と同じような風景が広がっていた。季節の良い時期なら、きっと大勢の観光客が行き交っているのだろうが、初冬の今は人影もまばらだった。風力発電の大きな風車が、風を捉えてゆっくりと回っているのが見える。

姫鶴平(めつるだいら)に自動車を残して、五段城まで往復することにする。白い石灰岩がヒツジの群れにように点在、放牧の牛がのんびりと草を食んでいる。そんな景観の広がるなだらかな起伏の先に見える高みが五段城と思われる。
遊歩道のようなものもが見当たらないので、車道を辿って五段城を目指した。

五段城が近くなってきたところで、左手草原の牧柵が二つに分かれて、その間が人の歩けるほどに空いている。はっきりした道ではないが踏跡の感があり、これを行けば五段城のピークに立てそうに思えた。
いくらか傾斜を増した草まじりの道を、有刺鉄線の柵に挟まれて登って行く。だんだんと道型が怪しくなってきたが、どうにか山頂までたどることができた。
ピークの大きな看板に「五段城」と表示されている。しかし長い年月放置されていたように傾き古びていた。三角点を探してみると二等三角点標石があった。人の訪れもないのか、山頂は草が茂り、周囲は背を超す潅木に取り囲まれてほとんど展望はなかった。観光ブックには「四国カルストの全容を見渡せる、カルスト一番の展望台」と書いてあったがそれは昔のことのようだ。

駐車地点まで引き返すべく、藪や草を分けながら適当に下って車道へ下りる。高原状の緩やかな丘陵に見えるのが天狗高原だろう。散策気分で緩やかな道を進んで見たが三角点までは行かずに、手前で引き返すことにした。

このあとR440梼原町の途中、雲の上温泉と言うのを国道沿いに見つけて入浴。197号で東津野村へと走り、舟戸の集落から不入山登山口へと向かった。