追想の山々1456
  

霧島連山 大幡山(1353m) 頂日1998.11.01 単独
新湯温泉入口(7.10)−−−新湯林道終点(7.55)−−−霧島縦走路交叉(8.40)−−−大幡山(9.20-9.25)−−−獅子戸岳(10.00)−−−霧島縦走路交叉(10.10)−−−林道終点(10.45-10.50)−−−新湯温泉入口(11.35)===宮崎港フェリー乗場へ
行程 4時間15分 宮崎 大幡山 三等三角点
大幡山から高千穂峰をのぞむ
九州山旅の最終日。あっという間に九日目を迎えてしまった。
前夜は労災病院前で車内泊。目が覚めて新湯温泉近くのパーキングエリアへ移動。

昨日の霧島連山縦走の快晴と打って変わって、空いっぱいに雲が広がっている。昨日入浴した新湯温泉の前を通り抜け、そのまま新湯林道をたどる。この林道は一般車は乗り入れ禁止となっている。行く手に新燃岳が見える。
爪先上がりの林道は、だらだらと結構長く45分かかって林道の終点となった。
ここで流れを渡って登山道に入る。わずかに紅葉の始まった樹林の中を登って行く。急なところもなく歩きやすいコースで、よく手入れもされている。
ゆったりとした勾配の道が、昨日縦走した稜線へと延びていく。このまま行けば獅子戸岳と新燃岳のコルに登りつくはずだ。

宮崎港発19時10分のフェリーに間に合えばいいので、時間はふんだんにある。時間をつぶしの感じでのんびりと歩く。それでも林道終点からコルまで400メートルほどの標高差を、55分ほどで登ってしまった。
昨日通過したコルを今日は直角に横切って、目指す山は大幡山1353メートルである。コルには「大幡山、大幡池」の道標が立っている。コースは明瞭だが、踏み跡の様子から歩く人も少ないことがわかる。

水平道に近い雑木林のなだらかな道を行く。先に見えるちょっと特色のある高みが大幡山だろうか。ところがそのピークは大幡山ではなく、大幡山・大幡池への道標があるだけだった。裸のピークは北風が寒い。昨日の小春日和が嘘のような変わり方だ。
雲は多いが韓国岳から高千穂峰まで、霧島連山が一望のもとに見渡せる。
行く手、どれが大幡山かそれらしいピークは確認できないが、道標にしたがって先へ足を延ばす。しばらく行くとミヤマキリシマの群生地がある。花の季節の見事さが想像される。ミヤマキリシマというのは株の間を通過するとき、棘のように固い枝先が体に触れて、これがかなり痛い。ズボンの上からこすったところが、後で見ると切り傷になっていたりする。なるべくキリシマの枝に触れないように注意して歩くが、結局体でかき分けて進まざるを得ない。
キリシマの群生地を抜けると正面に高千穂峰の端整な姿が目に入ってくる。

火口縁のような道を進むと、丸木の梯子があった。上へ上がったところに笹に埋まるようにして「大幡山」の標柱と三角点があった。ピークでも何でもなく稜線の一地点というにすぎない。左手には池と思われる大きな窪みがある。大幡池だろう。干上がって水のない池まで脚を延ばしてもしかたがいな。今日はここまでとする。
高千穂峰、獅子戸岳、韓国岳などをもう一度じっくり眺めて、この九州山旅の見納めとする。

帰りは獅子戸岳へ登りかえし、そこからコルへ下り、来た道を新湯まで戻った。
下山後硫黄谷温泉「霧島ホテル」の大浴場で9日間の旅の疲れを癒してから宮崎港へと向かった。