追想の山々1459
  

青木ケ原樹海と三湖台(1238m) 頂日1996.11.16 単独
精進湖(5.50)−−−青木ケ原−−−富岳風穴−−−鳴沢風穴−−−三湖台−−−鳴沢風穴−−−富岳風穴−−−国道経由−−−精進湖(10.00)
行程 4時間10分 山梨県 紅葉台 四等三角点
三湖台 四等三角点
富士の樹海とはどんなところだろう。一度歩いてみたいと思っていた。

精進湖から青木ケ原樹海を通って天神峠あたりまで(富士精進湖口コース)登り、そこで折り返して来るつもりだった。ところがそのコースが分からず、精進湖入口「赤池交差点」付近の林道から適当に歩きはじめた。
すぐに東海道自然歩道の標識に出会ったので、そのまま整備された歩道をたどることにした。ほぼ国道に平行するような歩道は青木ケ原樹海の中を貫いていた。道は勾配の少ない遊歩道を歩くようだ。
土らしいものもない堆積した溶岩の上に、たくましく根を張った樹木が繁茂している。溶岩には緑の苔が蒸し、人手にかからずに過ぎてきた年月を感じさせる。しかし原始の森を思わせる奥秩父の深さにはかなわない。

どこで引き返そうかと思案しながら歩くうちに、富岳風穴まで来てしまった。もう少しと足を伸ばすと次は鳴沢風穴だ。
帰るには時間が早い。樹海の中は眺望がなかったので、せめて富士山でもじっくり見てから帰ることにした。眺望が良いと聞く紅葉台を目指した。
国道下をトンネルで抜けて登りにかかると、樹海から解き放たれた明るい晩秋の日がこぼれていた。ここも東海自然歩道となっている。紅葉台は意外にも眺望がなく期待外れだった。
眺望のあるところまでと思ってさらに登ってゆくと、もう一つ紅葉台という展望所があり、ここは富士山が正面にあった。

残念ながら富士山頂には雲がかかり、全容を見ることができなかったが、歩いてきた青木ケ原の広大な樹海が展望された。 さらに先にある三湖台展望所の四阿屋が見える。樹木もなく展望がよさそうだ。一投足の距離、15分ほどの登りでその三湖台まで足を延ばした。霜柱の展望台は思ったとおりの眺望が得られた。
三湖台というから、富士五湖のうち、三つの湖が見えるのかと思ったが、西湖と本栖湖しか見えなかった。
西湖の背後には鬼が岳と十ニケ岳、さらに黒岳、御坂山、三ツ峠山など。西には雨ケ岳、毛無山そして天子山塊。南アルプスは北岳から聖岳まで冠雪した3000メートル峰が連なっていた。

帰りは国道を歩いて自動車まで戻った。