追想の山々1463
  

大菩薩峠〜大菩薩嶺(2057m) 頂日1995.12.23 単独
小菅村登山口(6.25)−−−フルコンバ小屋(8.05)−−−大菩薩峠(8.40)−−−大菩薩嶺(9.15-9.25)−−−大菩薩峠(10.00-10.10)−−−フルコンバ小屋(10.40)−−−小菅村登山口(11.45)
行程 5時間20分 山梨 大菩薩嶺 三等三角点
大菩薩からの富士山
今回は気分を変えて小菅村からのコースを登ってみた。
小菅大菩薩林道奥の登山口まで自動車で入って、ここから大菩薩を目 指す。しっかりした『大菩薩峠登山口』の標識が立っている。車3台分ほどのスペースしかないが、3〜400メートル手前には大きな広場があるので、ここなら何十台でも駐められる。

まだ陽の届かぬ谷間の道を出発した。沢沿いを2〜3分行ったところで小橋を渡り、厚い落ち葉の山腹をジグザグに登って行く。落ち葉の下は固く凍っている。
コースはおおむね落葉樹林の中、落ち葉のカサカサ鳴る音に見ると、リスが重力を感じさせないような身のこなしで、登山道を横切り、傍らの大きなミズナラの幹へするすると駆け上って行った。

落葉した明るい道は誠に気分がいい。南向きの日だまりでは、小春日和の陽がこぼれる。標高差1000メートルの登りだが、登山道は急傾斜を避けてつけられ、いつのまにか高度が上がって行くという感じだ。
左手には牛の寝通と呼ばれる尾根が平行して延びている。あの尾根もいつかは歩いて見たい尾根である。
登山道のど真ん中に、堂々と脱糞してある。こういう非常識なことをしでかすのは何者だ。ときどき山で見けるが許せない。

8時5分、フルコンパ小屋跡、峠まではもう一息。
標高が上がって気温が低くなって来た。砂状地の斜面崩落でちょっと注意を要するところがあったが、相変わらず登山道はよく整備されている。路肩を石垣で補強したところもかなり目につく。急勾配を避けた道のつけかたも巧妙だった。
フルコンパから40分で大菩薩峠に到着。途端に身を刺す強い北風にさらされた。あわててウンドブレーカーを着込んだ。峠の介山荘は休みなのか、まだ眠っているのか人の気配がない。

介山荘から大菩薩嶺への道は、笹原の中を延びている。身がふらつきそうな強風にたたかれる。毛糸の帽子、厚手の手袋、それでもまだ寒い。点在するシラビソの下には、風に吹き落とされた霧氷が白く雪のように地面を覆っていた。
白銀に輝く甲斐駒、仙丈から聖岳までが一望、眼下には韮崎あたりの盆地が薄もやの中に広がっている。富士山はいつ見ても際立つ端正さだ。
賽の河原や雷岩を越え、黒木樹林へ入るとようやく寒風から逃れてほっとする。薄く雪を敷いた道に足跡を残しながらたどると、樹林に囲まれた山頂に到着した。

山頂の様子をスケッチしてから下山の途につく。
大菩薩峠までの途中、スケッチをしたりしてから同じコースを下山した。