「その日は晴れで」
write by:美代さま
ーその日は晴れで・・・でも私の心は酷く曇っていた・・・・ー
「ごめん〜あかり!!今日の映画行けなくなってさー・・・」
困った顔でヒカルが私に謝っている。
「どーせ囲碁でしょ?」
私は(またか・・・)と溜息を吐いてヒカルに問いただした
「で?今日は誰?和谷って人?伊角さんって人?」
「いやいや、今日は二人に碁会所行こうって誘われて〜・・・勉強の為にさぁ」
言い訳がましく言うヒカルが何か別人に見えた。
「そう・・んじゃいいよー・・・久美子ちゃんでも誘ってみるよ」
私は、精一杯の笑顔でヒカルに「バイバイ」と手を振り門を出た
「ごめんなーあかり〜」
後ろでヒカルの声が聞こえたけど、今振り返ると目に溜めた涙を見られるから振り向かなかった。
「いつから私、一人の時間が増えたんだろう・・・」
いつのまにか、一緒に居るのが当たり前になってたけど、いつか離れていってしまうと、いつから感じていたんだろう・・・
心の中に穴が開いてしまった様な・・・不安定な心・・・どうしようもない苛立ち・・・
「誘えるわけ無いじゃない・・・・他の人なんか・・・」
唇を噛み締め、大通りへと足を向けた 路地を曲がりもう少しで大通りー・・と思った瞬間誰かに腕を掴まれた
慌てて振りかえると男の人が5人面白そうに私を見ている
背中に嫌な汗が流れる・・・・・
「な・・・何ですか?」
声を少し震わせながら私は聞いた 金髪で大きなピアスをした男が答える
「お前さ〜葉瀬中の女だろ?」
「何の用ですか?そんな事聞いてどうするんですか?」
私は少し強い口調で再び聞く
「そんなつれねー顔すんなよ?俺達元葉瀬中生なんだよねー、んでさ、今すっげー困ってんのよ」
「俺達今遊びたいんだけど金がねーんだ」
「先輩の頼みなら聞くしかないっしょ?」
男の人に囲まれ私は足がすくむ
「びびってるよ〜?この子〜かーわいい♪」
一人の男が私の足に触れた・・・ 声にならない・・・恐怖で足がガクガクと震える・・・・
(恐い・・誰かっー・・助けて!!)
目から涙が溢れる・・・・・・その時だった
私の首に暖かい腕が回された。
(何ー・・?)
すると耳元で低いトーンの落ちついた声が響く
「お前等・・・何処の誰に手ぇ出してんだよ・・・」
聞き覚えのある声にはっとして後ろをふりかえると
「加賀・・・せんぱいっ・・・」
なんどか囲碁部に遊びにきていたので顔はよく憶えてる
私が唖然としていると、そのまま耳元で囁く
「お前ちょっと後ろ隠れてろ・・・」
顔を知っているのか先輩の素行を知っているのか男の人達は慌てて逃げ様とする
「待てよ・・・加賀・・・俺達単なる暇つぶしに声掛けただけだったんだよっ」
「そ・・そうだよ、別にそんな・・・」
皆、一斉に顔が青くなる・・・・・でも先輩は
「そんな事知らねーよ」と舌打ちし 男の人一人を殴り飛ばした
「よく聞けよーお前等・・・・今度コイツになんかしたらこの加賀様の手で半殺しにしてやっからなー」
恐いくらいの笑顔で言い放つと私の頭をくしゃっと撫でる
男達は「すみませんでしたっ!!」
と頭を下げ路地の向こうに転びそうな勢いで走っていった
加賀先輩は逃げていく人達の背中を見送り
「なんか殴り足りねーなあ・・・もう一発殴ってやりゃ良かった」
なんて恐い独り言を洩らしていた・・・・・
ふと、我に帰り私はお礼を言ってないことに気付いた
「加賀先輩っ!!ありがとうございましたっ」
ぺこりと頭をさげて言うと 「お前っ!!なんでこんな道通んだよ!」
両肩を掴まれ恐い表情で訴えてくる
「ごめ・・なさ・・・私・・・いつもの近道だっ・・・から・・」
私は今までの恐怖感や加賀先輩の怒った表情がごちゃ混ぜになり大粒の涙がこぼれた
「うわっ・・ちょっ・・・泣くなよお前・・・・俺そんなキツイ言い方したかー・・・・?」
慌てて先輩はポケットを探ると飴を取りだし私の手に握らせる
「女は甘いもん食うと黙るって言うけどなぁ」
(参った)って顔をして頭を押さえてる先輩を見てると、なんだか可笑しく思えて、くすくす笑ってしまう
「お前な〜人が真剣に困ってんのに笑うか?お前の所為なんだぞ?」
頭をぽんぽんと叩いて少し安心した様に、くすっと笑った
「あいにく俺様のポケットにはハンカチなんて上等なモン入ってねーんだわ・・・」
そう言うと親指の腹で私の涙を拭った 加賀先輩の手は温かくすごく心地良かった・・・・・・
「んで?なんであんなトコにいたんだ?藤崎は」
近くの喫茶店で紅茶を片手に先輩が聞いてくるので、
私は加賀先輩に一部始終を話した
「そりゃ、進藤が悪いんだろーが」
タバコを手に取り火をつける
「彼女ほっといて自分の事ばっかりになってっと腹たつわなー」
ふーっと煙を吐き出しニヤニヤと私に言う
「かっ・・・彼女なんかじゃないですっ!!幼馴染なだけなんだから・・・」
慌ててうつむき私は答えると タバコを持つ手は逆の手で私の顎を持ち上げ顔を上げさせ、にっと笑い
「フリー?んじゃ俺がさらっていっちまっても文句ねーな?」
みるみる真っ赤になっていく自分の顔がわかる・・・・
悔しいくらい余裕のある表情に私はドキドキしている・・・・
「藤崎ー・・顔真っ赤」
くくっと笑うと加賀先輩がぱっと手を離す
「何時に始まるんだ?映画・・・」
「はい?」
「そのチケットだよ・・・・映画の・・・何時から?」
「えっと・・昼のがもうすぐ始まりますー・・・あと15分後に」
「一番近い所までなら走って間に合うだろーな」
私がきょとんとしていると 「お礼ぐらいはしてもらわねーとな」
ぐいっと私の腕を掴み
「行こうぜ?映画」
「え・・?あっ・・・いいんですか?私なんかと・・・」
困ってる顔をしている私に
「進藤には悪いけど今日は一日俺のモン」
腕を引き寄せ抱き締められた
「文句ねーよな?」
何も言えなくなるのがわかってるのに先輩は意地悪をする
「加賀先輩って・・・強引過ぎです〜・・・」
「それが俺様のイイところ〜♪」
喫茶店を出ると眩しい光が差し込んで来る その日は晴れで・・・・私の心は・・・・・?
END ****************************************
書いてる内に「こんなん加賀じゃねー!!」と何度思った事か・・・・・(苦笑)
しかし・・・ヘボいねー・・私の小説は・・・・
甘甘のちゃんとした恋愛小説書きたい・・・ってか文才が欲しい・・・・
え?自分に経験が無いから無理?そりゃまあ・・そーやろなあ・・・(くすん)
あとがき:by美代さまvv
うっきゃあああ〜〜〜美代さんからの頂きもので「加賀×あかり」小説です〜〜〜vvv
加賀が…!すっごくカッコイイです!!!惚れますって!!マジ!(涙目)絶対ついてっちゃう〜〜(笑)
描写がすっごく分かりやすくて、目の前に映像が浮かびましたよ!!さすが私のヘタレ小説とは
訳が違います!!(笑)美代さんの小説で勉強させてください〜ぐふ〜vv
あかりちゃんもかわいいなぁ〜vvv早く再登場してもらいたいですよね!この二人には!!
最後に、美代さん本当にありがとうございました!!宝物ものですvvv