「NEO UNIVERSE」


あかりは一人で碁石を洗っている。
今日は4時を過ぎても誰も来ない。久美子と夏目君は塾。筒井さんも外部模試とかがあるって言ってた。
三谷くんは・・・あいかわらず来ない。

がしゃがしゃ・・・普通教室よりはるかに広い理科室で、水の流れる音と碁石の擦れる音だけが響く。
・・・もう帰ろっかな…雑巾を絞って溜息をつく。

その瞬間・・・・・・・・・!!

ガラッ!!
あかりにはまるで空から人が降ってきたかのように思えた。
「!!!!」

上手く理科教室内に着地、侵入したのは・・・。

「よぉ!ワリぃ!!」
小声でそれだけ言うと、窓から離れた机の裏に隠れる。すばやい。

20秒もしないうちに侵入者が入ってきた窓がまた開け放たれる。
「何処行ったぁぁ〜〜??」
たしか生活指導の先生・・・。
次から次へと訪れる珍客にあかりは目を白黒させている。

「・・・今ここに3年生来なかったか??」
「・・・いえ、知りません…」
「部活か?あまり遅くならんようにな」
「はい・・・」

前にも覚えのあるこの風景。そして振り返ると―

「いんや〜〜助かったヨ!わるいな〜嘘ついてもらっちゃって〜ほんと!感謝な!」
そうは言うものの、悪びれずといった感じの3年生。手には何処で消したのか吸殻を持っている。

「えっと、将棋部の・・・ひと・・・」
「おうよ!将棋部部長 加賀鉄男サマよ!!」
たしかヒカルが院生になるって言った時、後押ししたひと。そしてあの時を境に・・・

そして、唯一彼は、ヒカルにあの時勝った。
将棋部なのに囲碁部より囲碁が強いひと。

この人に会うのは・・・あの事件以来だ。
かすかにあのときの気まずいような、切ないような微妙な空気を思い出す。

「なんだよ、一人か??筒井は今日模試とか言ってたしな・・・まぁ、部活出るような時期じゃねぇけどな〜3年は」
「ほかのみんなも今日は塾があるって・・・」
『ほかのみんな』・・・みんなといっても後2人しかいないけど・・・あかりなりの強がり。
「んで、一人で碁石洗いかぁ〜エライな」

「でも、もう帰ろうと思います―
言いかけた時に
「さっきかばってもらったもんな、1局くらいなら相手してやるぜ」
意外な言葉。
「なんか打ちたそーだしな、一人じゃ打てねーしな」
にこにこしてる。

「いいのっ??・・・いいんですか?」
「いーよ、敬語使わなくて」
手合わせしてくれることが純粋に嬉しかった。

言いながら加賀はせっせと碁盤を運んでいる。
「まぁ、座れや」

ぱちぱちと碁を置く音だけが響く。

「・・・なんか悪かったな。進藤のこと・・・」
「え?ああ、いいの。ヒカル、加賀さんにああ言ってもらえたから、院生になれたし」
「あのくそガキは、ほんとにもう来ねぇの?」
「・・・三谷くん?・・・うん・・・こなくなっちゃった・・・」
声が少し擦れる。
「っとにガキだよな・・・」
加賀は途中からあかりの棋力を見極めたのか指導碁に入った。

「ここで、この石はもう死んじゃうんだよ。わかるか?」
「えっえっ、じゃあ、こうきても無駄ってこと??」
「そうそう。で、こっちだ」

何だかんだで1時間も経ってる。
「ようし、こんなモンかぁ?あんま遅くなるとヤバイしな」
立ってひざをパンと手でたたく。
「だいぶこれで分かってくるんじゃねぇか??」
「うん!ありがとう加賀さん」

加賀の大きな手が不意にあかりの頭をぽんっとたたく。
「元気でたか?」
「??」
「ちったぁ俺も関係してる感じだったしな。こないだの」
「そんな・・・ほんといいのに・・・」
「ちびっとばかり後味悪くてな、俺も」

「あのくそガキがふてくされて来ないうちに、追い抜かしてやれ!碁!!」
にこっと笑う。
そうだね、三谷くん戻ってきた時、ビックリするくらいに頑張るんだ!
あかりのちいさな目標。
それを支えにちょっと頑張れそうだ。

「加賀さん、ありがと」
「大通りまでついてってやんよ。もう暗いからな、外」
「うん」

あかりのちいさな目標。
もうちょっと頑張ってみよう。


加賀×あかりです。なんか「いいお兄ちゃん」って感じですよね、加賀って♪)
一応ね、気にしてるのかな??加賀は・・・自分が囲碁部空中分解させたこと。
まぁ加賀の心の中全体の0.3%くらいしか気にしてないだろうけど(笑)

この二人は並んでるといい感じかな?っていう程度なので、お互い恋心とか
抱かせていません。いまのところ(笑)
きっと女の子に対してはこんな感じじゃないかな??反論受け付けません(笑)マイワールドだから(笑)
やっぱ三谷に比べると加賀は動かしにくいです・・・だからネタはもうないかも(死)・・・と思ったけどやっぱり書きたい〜(笑)
あ、タイトルはそのうちつけます(笑)今は思いつかない・・・

加賀ってさぁ・・・「精霊使い」の某火の精霊使いとダブるんだよな…聖神邪とかあのへんちっく(笑)←私だけだろうけど