「刻の車輪」
(プロトタイプ)
「なんだよアレ、ホントどうしちゃったのかな、伊角さん」
「そうだね」
「せめて何があったか話してくれりゃちょっとは違うと思うんだけどな」
「そうだね」
「頭ん中のモヤモヤって結構ベラベラ喋っちまえばラクにならねぇ?」
「そうだね」
「奈瀬・・・・・」
伊角3連敗の波紋が院生の間にも広まった9月26日。
たまたま同じような時間に終局した和谷と奈瀬。
何時の間にか控え室には二人の姿しかない。
「オイオイオイオイオイオイ〜〜伊角さんが伝染したかぁ?奈瀬〜」
「伊角くん・・・・・」
消え入りそうな声で呟く。
奈瀬の曇り顔が奈瀬自身の成績のせいではなく、(実際今日は勝っていたようだし)
伊角の不調を案じてのものだという事に和谷はすぐに気付いた。
「しゃーねーよ、コレばっかは自分のココロん中との戦いだ」
「和谷は強いね・・・・・・」
「ハハッ何も考えてねーだけだよ」
昼に飲み残したウーロン茶を冷蔵庫から取り出して、少し喉を潤す。
「飲む?―」
奈瀬にペットボトルを差し出す。
ぱた
ぱた
机に二粒落とされた透明な雫で、奈瀬が泣いている事に気付く。
「奈瀬・・・・・・・?」
「伊角くん・・・・どうして私達に何も言ってくれないの?どうして自分のコト話してくれないの・・?」
開いた口を合図に堰を切ったように溢れる涙。
「奈瀬・・・・・」
「あたし・・・もう・・・やだよ・・・・・・・こんなの・・・」
「奈瀬、落ち着けって・・・」
『落ち着け』とはいうものの、奈瀬の悲痛な叫びに和谷の心の中の伊角への思い、
そして自分へのこの先の不透明な『何か』を感じずにはいられなかった。
まるで、奈瀬の涙に呼応するかのように和谷の心に広がっていく闇。
自分の口から発する言葉でその闇を消していった。一生懸命。和谷にはその強さがあったから。
けど・・・・・本当は目の前の奈瀬と同じなのかもしれない。
「もう、あんな伊角くんの姿見たくないよ、や・・・だよ・・」
頭を振る奈瀬。
宙を舞う涙が和谷にはスローモーションに見えた。
心がズキンと痛む。
気を抜くと泣いてしまいそうだった。
でも、自分は男だから、絶対にプロになって見せると心に決めたから。
だから泣かない。
伊角と奈瀬の叫びが耳をえぐっても―
前に進むしかない。
それしか自分にはできないから。
奈瀬にあわせるように和谷が隣にしゃがむ。
いつまでも枯れない奈瀬の涙。
「・・・・・・・泣かないでくれよ・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「奈瀬が泣いた所で何も変わらないし終らないんだ、残酷なもんさ」
自分より一つ年長の奈瀬に、まるで年下を諭すように慰める。
胸のズキズキは止まらない・・・・
奈瀬の肩に手を回す。まるで寒さから身を守る姉弟の様に。
『何もできない。してやれない』
二人の頬に涙がつたう。
目の前の窓から嫌な色をした大きな月が迫る。
へッへッへッ、奥さんプロトタイプでっせ〜どうでっしゃろ??(何者??)
私的にはどっちも中途半端な印象があります。書ききっていないっつーか…うん、いつもだけどさ…(やさぐれ)
こうして比べるとビミョ〜に違いますよね〜…ちなみにきちんとプロット練ったのはこっちです…(見えない??)
奈瀬と和谷のコンビはまた書くかもしれないです♪た…楽しいもん(笑)
ギャグでは伊角をめぐる永遠のライバル(笑)として、シリアスでは…なんだ??なんでしょうね…(笑)
ここでのポイントはあくまでも三角の頂点は唯一のオンナノコである奈瀬ではなくて、伊角さんって
あたりでしょうか(あっはっは)感想頂けると泣いて喜びます♪
ちなみに…タイトル…わ…ペルソナ罰の神取の技の名前…(死)