地球交響曲
ガイアシンフォニー第4番

2001/12/08

先先週の週末、スピリチュアルな体験をしたくて、雪化粧を身に纏った富士山を目指し相模湾を漕いだ。 行く先は2頭の野生のイルカが生息するという江ノ島。我が家の前の浜から漕ぎ出して、片道約14kmくらいの距離だ。 何時出遭えるのか?ドキドキしながら、ヨットの大会でカラフルになった湘南の海をのんびりパドリング。

イルカには、江ノ島で出遭うことはできなかったけど、まだ、この海に彼らが暮らしている、そんな確信が僕の中に残った。 また、きてみよう。今度はもっと静かになった海に。 伊豆半島に沈む夕日を眺めつつ、紫に染まる雲を映した海面に漂い ながら、幸せな気分にひたっていた。

その江ノ島がある藤沢市の市民会館で映画 「ガイアシンフォニー」が上映されると、ある友人から 教えてもらった。

僕はこれまで、ガイアの交響曲に触れたことがなかったが、 友人や知人から聞かされてその存在は知っていた。 その「ガイアシンフォニー」に触れたことのある人たちの反応が印象に残った。

ガイアについて語るとき、彼らは目をキラキラ輝かせるのだ。まるで子どものように。 それが、僕が気に入ってる人たちとなるとなおさら、興味が湧いた。 それから、僕は、「ガイアシンフォニー」と出逢う機会を待つ ようになっていた。 受け身といわれてしまうかもしれないけど、自分から寄り付いては いけないような。。。神聖なもの。。。 そんなふうに感じていた。
「いつかどこかで、必ず観ることが、触れることができる!」
それは、ほとんど確信に近いものだった。

僕の自然への回帰は遅かった。毎日のように徳島の 山川海で遊びまくった子ども時代が過ぎると、部活動や受験勉強 中心の生活にどっぷりつかり、自然破壊や環境破壊は社会の教科書の 中での出来事、受験知識でしかなかった。 売る程居たザリガニ達がいつしか一匹も見当たらないのに気づいたのは かなり後になってからだ。

思春期を迎えた田舎育ちの青年には、都会の喧騒や、魅惑的な 女性に興味が行ってしまうのは、しかたないことだったのだろう。

それが、自分が本当にやりたいことではなく、 そこが、自分の居るべき場所でないことに気づくのに時間を要して しまったように思う。 それがわからずに、いらつきそのため、いつも自分自身を蔑み、 自暴自虐になっていた。今思えば暗い青年期だった。

そんな時、ある一冊の本がきっかけで、無け無しのお金を叩き、借金までして 購入した組み立て式のカヌーを背負って、北海道に初めて 独り旅に出た。もうすぐ25歳になろうとしていた初秋のことだ。

そこで、僕は運命的な出逢いをするのだけど、 あの歳まで、自然のフィールドへ出ていなかったことが、 あの北紀行を、かえって劇的なものにしてくれたのだろう。 時間の浪費でしかないと思えたあの刹那的な時代も、僕にとって必要不可欠な、 かけがえのない時だったのだと今は思えるようにさえなった。

運命という言葉がある。縁といい換えてもかまわないだろう。 出遭う運命にあるものは、必ずひとつの場所で同じ時間を共有し、 そして共鳴する運命にあるのだ。遅い早いなんて関係なく。 それはもう人知を超えた、なにか大きな力が 働いているとしかいいようがない。

だから、「ガイアシンフォニー」に関しても僕は、 齷齪(あくせく)したくなかった。 機会が来た時に、観ればいい。 そんなふうに偶然の必然を期待しながら待っていたのだ。

別れた女性が、不安定になっている。自分を取り戻して もらいたいから、この映画を薦めてくれないだろうか? 友人から渡されたパンフにあった上映会場が江ノ島のある藤沢だった。

とうとう、その時が来たのだ。 前置きが長くなった。 そう、僕は「ガイアシンフォニー」に出遭った。 そしてその出逢いは想像はるかにうわまっていた。

基礎知識ゼロで、会場に望んだ僕は、この映画、 地球交響曲の第4番が、地球をよい方向に導きたい、 そのために制作し、広めたいという人の想いでつくられたこと を知る。映画のフィルムの一こま、一こまを、個人、 団体、企業がスポンサーとなるプロジェクトでできているのだ。

「ガイアシンフォニー第4番」には、4人の人物が登場する。

地球は一つの大きな生命体=「ガイア理論」の 創始者
ジェームス・ラブロック博士

伝説のサーファー、ジェリー・ロペス

タンザニアで野生のチンパンジー の研究をしてきた
ジェーン・クードル

沖縄の風、海、樹を、独特な色使いの版画に刻む
名嘉睦稔

ジェームス・ラブロック博士は地球と、ジェリー・ロペスは海と大気と、 ジェーン・クードルはチンパンジーと、名嘉睦稔は風、鳥、樹の精霊と 話ができる。

まるで超能力のようなその力は、本来、人間が持っているはずの あたりまえの力だと、監督の龍村仁は言う。

泥沼の青年期、輝く人を見ては妬んでばかりいた自分。 なにかを為した人に出遭っては卑屈になてった自分の姿は、 映画を観ている僕の中にはひとかけらもなかった。

なぜって?

素敵な人に出遭ったり触れたりすることで、高揚することと、 その人を崇め奉ることや、妬み羨むことは、 まったく次元が違うってことに気づいたからだ。

素敵な魂を持つ人たちと、この母なる地球を共有する時間を 持てるなんて、なんて素敵で、なんて素晴らしいことなんだろう。

21世紀に生まれ育つ子供たちのために、 4つの魂から珠玉のメッセージが贈られる。

BE AN INDIVIDUAL (個としてあれ!)
ジェームス・ラブロック

KEEP PADDLING (漕ぎ続けよう)
ジェリー・ロペス

HOPE,LOVE,UNDERSTANDING (希望、愛、相互理解)
ジェーン・クードル

幸せはへりません
名嘉睦稔

エンデイングが流れたとき時、会場から静かな拍手が湧き 会場全体に広がっていった。 この出来事がこの映画のすべてを語っている。
その拍手の波の中、おもわず涙がこぼれそうになり、 同行者に気づかれないように慌てて席を離れた。

ありがとう。素直に感謝した。

この映画の製作に関わった人々すべてに。 この上映会を催してくださったスタッフに。 今を生きている自分、生かしてくれている人に、生き物に、そして地球に。


新しい年に、鎌倉でも上映会が行われます。 今がその時だと感じた方、感動しましょう!

日時:2002年1月14日(月)祭日
午前:10時開場。午後:14時開場。
場所:鎌倉市中央公民館ホール
チケット:1000円
申込み:TEL&FAX 0467-24-0481(米山 早苗 宅)
主催:心を育む会。

ガイアシンフォニーのWEB でも、交響曲1番から4番までの上映スケジュールを公開中です。 あなたの街でも、きっと見れますよ。 このHPに眼をとめてくださった方で、まだ共鳴していなかった すべての心にお勧めします。