「Passage」「花見川のハック」「天国で君に逢えたら」

(2005.11.27)

深夜に自分の咳で、眼が覚める。 山崎まさよしのベストCDを音量を小さく絞って 静かに流し、少しずつ味わう。

たちの悪い風邪にかかってからこの1週間、 すっかり毎日の習慣のようになってしまった。 どの曲も染み入る名曲揃いだが、なかでも、 「Passage」にはやられっぱなしだ。

図書館から借りてきた本を開く。 ゆっくりゆっくり読んだ。 するすると僕の中にはいってきた2冊を紹介しょう。

「花見川のハック」稲見一良著。

「天国で君に逢えたら」飯島夏樹著。

どちらの著者も今はもう、この世にはいない。 でも、二人のきらめきが僕の手の中にあった。 キラキラ輝く魔法の言葉がその中に満ち溢れていた。

人生を主体的に生きる方法。 喜びと悲しみ。 いとおしいものへの優しい眼差し。

自分の死期を知った後も、その最後まで 感動を人に与え続けるその生き様。

パパは衰弱しきった顔で僕を見詰めながら、

「ああおもしろかった」

と一言言って死んだ。

(煙・稲見一良)

結局自分が死んでから残るものって、
”人に与えたもの”それだけだ。

その中でも大事な事は、”目に見えないもの” だっていうことに気がついたんだ。

(第四章 ウィンターブレイズ・飯島夏樹)

涙がとめどなく流れる。 そして僕はそれを拭うことすらせずに、 そのままにしていた。

人は自分の人生を、主体的に、 積極的に、生きなくてはいけないように思う。

人から与えられたり、命じられたりした人生でなく、 悩み抜き、考え抜き、迷い、傷つきながらも、 自分で選択した道を行かなくてはならないと。

自分が決めてやったこと。
成功したら、飛び跳ねる位、嬉しい。
失敗したら、地団太を踏むくらい、悔しい。悲しい。
そのどちらも、次へのステップへつながる。

自分で決断するという勇気。
その勇気をふりしぼって、一歩足を踏み出してしまえば、 世界が広がる。
そう、成功しても、失敗しても。

「勇気が人を分ける」

そして、喜びと悲しみを、いっぱい、いっぱい心で 味わううちに、他人の心の動きも味わえるように なるような気がする。

「情けは人の為ならず」

拝金主義にまみれた、このくさった世の中で、 この黄金律に、気づいて、実践している人がいる。

優しく強く、そして強靭な意志。 揺るぐことのない輝きを放ち続ける人達が、、、 そういう生き方を僕もしたい。。。

人は命令されたり、指示されたりしたことには、 反発するように産まれついている。 健全な人間ならそうだ。

本のススメ虫だった僕は、
「この本を、とっても素敵だから、読んでみて」
って手渡していた事が、その人の選択肢をせばめ、 読む気を逆にうばってしまっていたことに、 最近になって、ようやく気づいた。

だから、読んでくださいとは言わない。 読む読まないは、人それぞれの自由。

だけど、もし、あなたが、本当に落ち込んでしまった時や、 大切な人を失ってしなった時に、 地球なんか消えてなくなれ!って思ってしまった時には、 このふたつの珠玉は、大きな力になるような気がします。

ありがとう。稲見さん、飯島さん。 ほんとうに、ありがとう。