やっぱり、ドーソン!!!

(2006.8.23)

とうとうたどり着いた。ユーコン詣でを始めてから、10年目にして悲願達成だ!

その名はドーソン!  Dawson Ctiy

1900年前後にゴールドラッシュに沸いた北の街。

カナダ・ユーコン準州の州都、ホワイトホース から、ユーコン川をカヤックで北上して10日目に、 ようやくドーソン・シティにたどり着いたのだ。

その距離740km。いやあ、漕いだ。漕ぎに漕いだ。

ドーソンは、未舗装で、街は、まさに西部劇のソレ。 古き良き時代の香りが残る街だ。 しかも国営のカジノがあって、フレンチ・カンカンの踊りのショーがある。

荒野を独りで旅して、ボロボロになって酒場にたどり着く。 そこで、オイラを待ち受けているのはお色気タップリの豊満な美女。

そう、これである。

これがやりたかったのである。 いやあ、身体はボロボロである。疲労が濃い。 しかし、ココロは元気なのである。

なぜかって?

なぜならば、ドーソンには、美女がいる上に、生ビールまであるノダ!

ホワイトホースを出発してちょうど中間にある町、カーマックスから ドーソンまでの後半5日間は、酒抜きのドライ旅だった。

この区間のユーコン川は、主要道路から大きく反れる。 人間界から隔絶された荒野となる。そして、その分だけ野生度が格段に高くなる。

当然、森の熊さんの数も増える。熊口密度も高くなるというわけだ。 オラオラ隊の友達ヒロや、川で知り合ったパドラー達から、 テントを熊に襲われた実話を聞いているだけに、 信頼できる情報だ。

事実、ブラックベア、グリズリーベアを凍りつきながら 何度か目撃した。

愛する家族の許に無事に生還するため、熊たちの襲撃を避けねばならない。 そのためには、第六感までフル稼働させて、危険を察知する 必要がある。

だらしなくビールに酔って、食料管理を怠ったりして 熊に襲われる事態は、なんとしても避けたい。 したがって、命の水、大好物のビールをガマンすることにしたノダ。

今回のユーコン旅のテーマは、

「勇気を必要とする方を選ぶ!」

当初予定していた、カーマックスからドーソンまでの400kmを10日で 漕ぐ計画から、一挙に距離を倍増してホワイトホースからドーソンまでに 延長したのも、そのテーマに則したのが理由だ。

それを実践してきたオイラには、ビールをあきらめる行為は、 自明の理だったのは言うまでもない。

ビールに代わって、カーマックスで購入を決意したのは、 逆に勇気を必要とするものだった。

さて、ナンでしょう?

そう、男児たる者、誰しも一度は経験したに違いないナニである。

そしてソレは、スーパーの雑誌コーナの最後列に隠されていた。

舌なめずりしている色っぽいカバーガールがビニールの 隙間から見える悪書を購入することは、本当に勇気を必要とする行為であった。

[Play Boy]や「Pent House]などというカッコつけ系に見向きもしなかった ところに、男気を感じてくれるとうれしい。

熊に襲われた後、遺留品の中から、こんなドギツイのが、ジャーンと 登場したりしたら、残された愛娘たちにとって、 父の最後の思い出が、最悪なものになるにちがいない。

したがって、オイラは、ココロから真剣に、危険を避けようとするだろうと。 言い訳でなく、実際、一所懸命に危険を避けようと、 あたりまえのことをあたりまえに、面倒くさがらずに行動できたのは、

「奥までご開帳、ええ!?、そんなとこまで!??!」

の、 このお守り効果だったことは、間違いない!

勇気を必要とする行動をすると、必ず、良いことがある。
これをきっかけにして、スーパーのレジを退屈そうに打っていた オヤジとの会話が弾んだのはいうまでもない。男だぜ。

また、欲望や堕落につながる行動をすると、必ず、悪いことが起こる。
ユーコン川の水面(みなも)で、この悪書に興奮してしまいイケナイ行為に 走ったとたん、突風が吹き、カヤックが前に進まなくなった。

天に謝った。川に懺悔した。 そうだ。この本は、快楽にふけるために購入したのではなかったハズだ。 本来の使用目的とは違うではないか!

それ以来、このお宝本は、防水袋の奥深くしまいこまれ、 ホワイトホースでお世話になった方へのプレゼントとなった。

この封印と惜別も、非常に勇気を必要としたが、おかげで、 天候にも恵まれ、一匹狼のイケテル方には、朝ごはんをおごって いただくなど(それだけの理由でははないだろうが、、、)良いことがおこったのはいうまでもない。

「勇気、勇気が人を分ける」

話が大きく逸れた。ここで、ドーソン・シティに戻らねばならない。

そう、ここには、酒場がある。美女がいる。酒だ!女だ!

ひゃほっほー。

大荷物を持って対岸のキャンプ場へ移動するのも おっくうで、ドーソン名物のカジノがオープンするのをいまかいまかと 待ちつづけていたのだ。

ドーソンは、カナディアンならだれでも知っている詩人ロバート・サービス の暮らした家や、「野生の呼び声」の作家ジャック・ロンドンが ゴールドラッシュに沸いた頃に過した家などが、現在も残っていて観光名所となっている。 小さな街なのに、そこまで足を運ぶことすらしなかった。(結局最後まで)

そう、イマは、酒と女だ。いぇい!

ビール断ち、エロ断ちは、すべてこの時の幸せの前奏曲。

いよいよ、カジノがオープンしたので、観光集団に続いてスキップで入っていった。

街もち小さいが、カジノも相当、こじんまりしていて非常によろしい。

ほどほど、舞台も小さくていい。やはり、こうでなくてはならない。

ディズニーランドのショーのように 真昼間の青空の下、華やかにヒダヒダ・スカートをマクられては、いけないのである!

大人限定の世界なのである。

毎年、ユーコン準州のとっておきの川たちを下っているヨット乗りの小倉氏から、

「アメリカの観光客の親父たちが大挙してやってくるので、  カンカン・ショーを見るなら前の方の席をとっておくこと」

とこれまた、非常に有益なアドバイスをいただいていたので、素直に 前の方の席に居場所を決めた。

やってきたバニーガールのウェイトレスに、オススメはなに? って聞いたら、笑顔で、

「Yukon gold! Draft is so nice!!」

すかさず注文。

すばやく笑顔でデリバリーにチップをはずむ。

いよいよきました。オマチカネ。

ぐびっ、ぐびっ、ぐびっつ、ぐびぐびぐび〜

う、美味い。染みる。イマまでありがたがってのんでいた、モルソン・カナディアンや、 ラバト・ブルーはいったいなんだったんだっ!馬のションベンかっ(すまん、君たちが ダメな訳ではない、相手が悪すぎるのだ!)!というくらい、果てしなく美味いユーコン・ゴールド!。

「ユーコン・ゴー」

って聞こえるのも、ナイスだ。もぅ〜、ガツンガツンいく。

ぷふぁああああ〜

そのうちに、この小さな街の何処に、こんなに人がいたのかというほど、 大勢、観光客がやってきて、舞台の周辺は大混雑してしまった。 最初はスソ近くの席に構えていたオイラだが、グループの人たちに、 場所を譲って、椅子を持ってちょこちょこ移動していたら、 自然、真ん中のカブリ付き席となってしまった。

ここが、また最高の席で、カンカン踊りのダンサーたちが 舞台から降りてきてヒダヒダスカートの中に顔をいれてくださるわ、 ヒップアタックがやってくるわ、も〜、トニカク、スバラシスギル!

カンカン娘がクルリと側転して去っていく時に、額にチュウ〜しくれた!

少し怖い?歌姫(ちょっとおっかない?)が、オイラの膝に座ったので、 もちあげてくるくる廻してダンスした。 重かったけど、荒野で鍛えた身体には、鳥の羽みたいなものだ。 気に入ってもらったようで、2回目のステージでは、 豊満はオッパイを擦り付けられてしまった。


2回目はオッパイぐりぐり
(モチロン、ワシだけ)

いやあ、まさに、大興奮。いやほぅっ!

ステージの合間は、歓談タイム。

偶然同席になったバンクーバーの老夫婦(ばあ様はスロットギャンブラー)が、オイラの 川くだりの話に目を丸くする。

イヌビクでメタンハイドレードの調査をおこなっているシャロン嬢、 オンタリオで会計をやっているマリア嬢と意気投合。(この写真も彼女たちが 撮ってe-mailで送ってくれた!さんきゅー)

二人を誘って、美女ディーラーのルーレットで遊ぶ。

さて、このカジノ、平日は、20時、22時、24時と3回のショータイムがある。(祝日はなんと昼からもある)

観光客は、最初のショーをちょろっとみて、帰ってしまうが、 内容はぜんぜん異なる。遅い時間ほど、大人向けになっていくのがイイネ! 酒と博打、そして美女をめでながらのんびり、最後まで遊ぶのも面白いだろう。

結局、オイラもカンバン近くまで居て、ぐでんぐでんに酔っ払った。

千鳥足でユーコン川の川原にたどり着き、仰向けに寝転ぶと、空には満天の星。

極北の空に、オーロラがゆらゆら舞っていた。

Thank's Dawson City!

あー、面白かった。