積丹ブルーと3匹の父ちゃん

(2009.9.23)


積丹ブルーの海

紺碧から翡翠へ。

透明度の高い海底から白い岩が急激に現れて、海の色が急激に変化する。

積丹ブルーと呼ばれる積丹半島の海の青は、例えるなら 深いブルーとターコイズが織り成すデザイン画というところだろうか。

南の島の珊瑚礁を抱く海のような暖かい青ではない。 しかし、その翡翠の青は、僕の心を捉えて放さなかった。

フネからの眺めが、また、いい。 断崖絶壁が続く海岸が、入り組んだ水路をつくりだす。 奇岩が乱立し、パドラーの目を飽きさせることはない。

今回、旅したコースは、積丹海岸イチオシのハイライトコースだ。

幌武意漁港を出航しマッカ岬でウネリを堪能した後に、北西へ転進し、 積丹岬へ目指す。

そそりたった岬を回り込むと女郎子岩が見えてきた。

女郎子岩が近づいてきた!

アイヌの娘シララが岩になったと 言われる女郎子岩で小休止。

女郎子岩がこの指とまれ!に見えたのです
右がガイドの西村さん!マックロな僕たち

9月23日。シルバーウィークの最終日。北海道の秋とは思えない 夏のような日の出来事。

ナビゲートしてくれた 積丹カヤックス西村巌さんの笑顔が見える。 相棒の2年餅さんは、ヘルニアの腰が痛いにもかかわらず、これまた笑顔。

この旅で初めてあったお二人なのに、何年来もつきあってきた友達の ように感じてしまうのには、理由がある。

10年以上も前になるだろうか。西村さんのアラスカにあるウナラスカ島のシーカヤック 旅を目にして以来、メールを介して何度かやりとりをしてきた。

積丹岬を越える西村巌さん。笑顔が素敵!

いっしょにシーカヤックのナビゲーションの洋書を翻訳してweb公開したこともある。

数年前に西村さんが積丹半島でアウトフィッターの仕事を始められたのを知ってからは、 ずっと訪ねたい場所の上位にランクインしていたのだ。

なかなか機会がなかったところに、北海道の出張が舞い込み、またとないチャンス! ここぞとばかり、西村さんが惚れこんだ積丹のフィールドに足を伸ばしたのだ。

初めてお会いした西村さんは、紳士で優しくカッチョよい方だった。 そのお名前(巌「いわお」ですよ〜)や、ハードボイルドな文章から、 ワイルドな方を想像していたのだが、オイラの期待を 良い意味で裏切ってくれた。 もう一人の友達となった、2年餅さんは、オイラが以前書いていた、 「日本をカヌーで遊ぼう」 のウエブに載せてあった日本各地のカヌー旅を読んでくれて、 感想メールをもらったことがある。

2年餅さん.歴舟川ソロツーリングの後に参戦!

オイラのアホバカ日記を読み込んでくれていて、(T-T)したこともあるとのこと。 二人きりの時に、そんな感想もらって、思わずポロリ。

イマ読み返しても泣けてしまうのは、「北海道」「那珂川」。 理由はナイショです。

そんな日記たちが、2年餅さんがカヌーをはじめたキッカケにもなったという。 なんて嬉しいことを、ストレートに言ってくださる御仁なんだろう。

「あじがとう!」

今回、mixiというソーシャルwebでオイラを探しだしてくれた2年餅さん。 よーし、この機会に、遊んじゃおうぜ〜ということにあいなったのだ。 シルバーウィークの前半は歴舟川へソロツーリングに出かけ仕事を挟んで、 オイラの積丹訪問に付き合ってくれたのだ。

そんな2年餅さんは、優しくオチャメな方だった。 グラグラ煮え立ったお湯を飲んで舌を思い切り火傷されるなど、 かなり豪快だ。いつもキャンプにいっていてくれるお嬢さんがいる優しい父ちゃんでもある。

快晴無風となった積丹の海を、気の置けない友たちとパドリング。 これ以上の幸せをのぞむべくもあるまい。

積丹ブルーと青い空。3人の旅カヤッカーは、みごとにシンクロしたのであった。

迷路のような水路を次々抜けていくと、島武意(シマムイ)海岸に到着した。

休憩した島武意(シマムイ)海岸。見たこともないような景色が広がる


海での拾いもの

西村さんのオクサマお手製のトルティーヤが、とっても美味しい。

そしてここで、西村さんがゲットしてきたある食材が、ナイス!残念だけれどこちらもナイショ。

これはぜひ、ツアーに参加して味わってみてください。いやまあ、あの味は びっくり仰天でござる

積丹岬を回りこんで、のんびりツーリングは終了。 もっと遊んでいたい気持ちがいっぱいだった。また、いつか、この地に帰ってくるぞ。

積丹カヤックスのそばにある岬の湯しゃこたんの露天風呂に、2年餅さんと浸かりながら 積丹ブルーの海を眺めながら、海旅を回想。

風呂上りの生ビールを干して、2年餅さんと別れの抱擁。 もうずっと昔から友達だったような気がする。

その後、西村夫妻のお言葉に甘えて、夜にごやっかいになる。山小屋風のロッジの新居の素敵なこと。 冬の知床にやってくるゴマアザラシの写真をたくさんみせていただいたり、オクサマの手料理に舌鼓。 楽しい語らいの中で、もうすぐ西村さんが父ちゃんになってしまうことが判明。 いやあ、嬉しいニュースだ。 積丹のんびり旅は父ちゃん旅でもあったのね。

朝にお庭で採ったきのこ(ハナイグチ:らくよう)をいただく。なんて素敵なところなのだろう。 幸せいっぱいの西村夫妻に小樽まで送っていただき、幸せな気持ちで、十勝平野へ目指して仕事へ旅立ったのであった。

西村さん2年餅さん、また素敵な旅をしましょう! 父ちゃん業も、がんばっていきまっしょい!


3匹の父ちゃん