FC、一ノ瀬氏のすったもんだバリ旅行
「神々の島バリで川下りとビールの美味さについて考えた!?」

どうして股間を抑えるの???

’99年のゴールデンウィークにバリに川下りに行ったのでレポートしませう。

4月上旬、GWの休みが10日間取れる事になった。
カヌーを始めてからは例年、四国や九州の川で地元の酒や食い物で毎回必ず幸せに過ごしてきた。しかし、今回は何故か「海外」が頭に浮かぶ。「海外」の後に頭に浮かぶのは「南の島」。

次に「綺麗なビーチ」イコール「綺麗なお姉ちゃん」それを眺めながら「ビール」。
何故か川下りと設定が一致しないが・・・。まあいいではないか。

自分の川下り(カヌー)は美味しいビールを飲む為以外の何物でもない為、どういう状況下で、いかに美味しいビールを飲むかが重要なのである。
そんな事でシーナさんの本で読んでた楽しそうなバリに決めた。

早速、HISをはじめ、いろいろなチケット屋に電話攻撃を開始。が、しかし、チケット屋の反応は明らかに「今ごろ何、言ってんだよう!」ってな感じである。

「大変、申し訳ありませんが・・この時期は大変混み合ってまして・・キャンセル待ちでも・・、ちょっと困難だと・・・こちらでもベストを尽くしますが・・・」

クソッ!! こっちはもうバリって、そういう気分なのに・・・。
最終手段として有能なチケット手配師(S嬢)に依頼。案の上、彼女は深夜までパソコンで格闘し、あっさりチケットを手配してくれた。感謝感謝。

シンガポール経由で約11万円。ピーク期での値段にしては上等。7年前住んでいたシンガポールで一日ずつの滞在も嬉しかった。


(1999)4/28
夕方に日本脱出。成田のNWカウンターでは「よく取れましたね。インターネットで取られたんですか?」とチケットの事を聞かれた。

GWのはじまりとあって予想通りの混み具合。今年の春から空港使用料が前払いになり簡素化が進むハズだったが関係ない。世界一評判の悪い空港「NARITA」は健在だ。

ヒコーキの中でシンガポールビール「タイガー」をゲット。で熟睡。
6時間後、世界でも5本指に入る「いい空港」チャンギ空港に到着。すばらしくスムースなイミグレ。成田の免税店で買ったタバコ10カートンもノーチェック。
外に出ると懐かしいシンガポールの「空気、ニオイ」がした。

TAXIで市内へ。以前の自宅近くのYMCAにチェックイン。ここには一度泊まった事がある。会社に自宅のマンションの鍵をを忘れてしまい一晩ここで寝たのだ。
ちなみにここは有名な「ラッフルズホテル」の傍。通勤時にここを通るので、よくここのバーで飲んでいたのだ。このバーで生まれた有名なカクテルが「シンガポールスリング」。

部屋に荷物をぶち込み、すぐ外出。もう深夜12時だが懐かしくてしょうがない。
前に住んでいた自宅周辺をうろつき、ホッカーズ(飯屋)で食事。そうなのだ。この懐かしい食い物が楽しみだったのだ。チキン&ダックライスにフィッシュスープにダンプリンスープ。とコーラ。これでも10$(700円)しない。それぞれのメニューは7年前に比べて1$〜1.5$値上がりしてたがここでの飯はとても幸せだ。で、幸せに熟睡。


4/29
9時ごろ目が覚めた。近所の旅行会社にバリへのチケットを取りに行く。が、住所と電話番号が書いてあるメールの紙がない。忘れてきたのだ。でも住所は近所だったので歩って10分くらいで無事入手。オーチャードロードでまたホッカーズに入り、「蝦麺」発音は「ヘイミー」を食い、会社「KaoSingapore」に電話。昔の仕事仲間に1週間後に飯をおごらせる約束をして空港へ。

2時間くらいでバリに到着。始めてのインドネシアだ。ちょっと緊張。シンガポールに住んでいた時は海岸から見える外国だったけど行ったことは何故かなかったのだ。マレーシアには10回くらい遊びに行ってたのに・・。

3万円を両外したら札束になって返ってきた(2百万ルピア)。事務用のクリップでとめた。 「地球の歩き方」を引っ張り出しとりあえず電話で宿を予約。
TAXIでサヌールへ。 ビーチ沿いのそのホテルは一泊50US$。コテージでプールが2つ。ホテル内にはバーやレストランがあってとってもブルジョア。
たまにはブルジョアもいいなあ!バックパッカーズではない。とりあえず3泊予約。

早速バーのカウンターでビール「バリハイ」。味が薄い感じだがやはりビールは美味い。空港でゲットしてきたラフティング会社のパンフや「歩き方」のラフティング会社を調べる。バーの店員(もち可愛い娘)の協力を得、そこの電話で片っ端から調査。
調査の結果、バリでラフティングをやってる会社は6つ。それで下れる川は3つ。

で、カヌーで下れる川は1社で1つの川と分かった。雨季が明けて間もないバリではカヌーはメジャーではない事がわかった。まあ観光地だし当然の事なんだなあ。

早速カヌーで川下りをやってる「アユンリバーラフティング」に電話予約した。
ビールを3本飲んで就寝。熟睡。


4/30
8時ころ起床。快晴。ビーチ沿いのレストランで朝食。幸せな朝。このホテルは「歩き方」にも載ってるので日本人カップルがいた。お嬢様の感じの女性2人組もいるようだ。
ピックアップのドライバー来てアユン川へ。客はなぜか自分一人だった。ドライバーは一目で分かる「ゲイ」だった。この若いゲイのお兄ちゃんは名前を「ムラ」といい、

必要以上に優しく、いろいろな事を教えてくれた。仕事はガイドらしく、いろいろな観光地を薦めてくれるのだが、川の事は全く知らない様で自分の役にはたたない感じだった。

アユン川のスタート地点までは約2時間のドライブ。田舎の風景はいいものだ。
ライステラスの景色もいい。田植えや稲刈りの風景が同時に見られるのが面白い。

ようやく到着したスタート地点で受け付け。カヌーの客は自分ひとり。二人用のインフレータブルカヌーが目に入り、それを注文する。カヌーのガイドがニコニコしながら近寄ってきて
「自分が後ろに乗って漕ぐから前に乗るように」
と言ってきた。
自分一人で漕ぎたいのでハッキリと断る。だけど、受け付けのマネージャー達が受け入れてくれない。

そういうのは(単独で漕がせる)のはないらしく、客は客らしく二人艇の前に乗ってなさいというのだ。「川のグレードは?」と聞くと、「G3〜G4」と言う。「自分はNZで7mの滝を下ったゾ!」と言い、なんとか説得に成功。自分は二人艇を一人で漕ぎ、ガイドは一人艇で下る事になった。

ガイドの名前は「マリオ」カヌーはあんまり得意でないという。川の状況などの説明を受けながらライジャケとパドル、ヘルメットを選び、崖を100mくらい降りていよいよアユン川とご対面。

ちょっとビビる。自分はNZで鍛えた「腕」がある為、グレードについては何も心配してなかったが、果たしてその川はやはり”ラフティング”の川なのであった。

アユン川には4つのラフティング会社がそれぞれ自前のスタート地点をもっていて、ここはその中で最も上流に位置する地点だったのだ。

そうだ!ラフティングの川をカヌーで下るのだ! 気持ちを改め、気合を入れる。

同じ場所からラフティングボートが出発するのがちょっと羨ましい。だが無理矢理カヌーを単独で漕げるよう交渉したので今更止められない。

スタート地点でいきなりG3レベルの激しい瀬音が響いている。川幅は5mくらい。

両岸は切り立った崖の為、下見は出来ない。ガイドのマリオが先頭を行き、すぐ瀬の中に消えていった。自分は3分送れでスタート。マリオが先行してカメラを準備してるハズだ。

スタートして10mいきなりG3+の瀬、瀬の中に岩。全身に水をかぶり、船は早くもお風呂状態、必死にパドリング、パドリング、パドリング!

「おりゃおりゃおりゃああああ!!」 

一発目からアドレナリン大放出! 頭の中まっしろ!
瀬を抜けたところのエディーでマリオがニカニカッという笑顔で待っててくれた。
彼も必死で漕ぎぬけたみたいだ。俺の事を心配していたみたいだ。
自分は
「No Problem! Fun! Fun!」
と叫び、次の瀬に突っ込みはじめた。
先行するマリオは時折後ろにいる自分を確認し次々と瀬をクリアしていった。

瀬はだいたい岩がらみのグレード3+。両岸は切り立った崖なので正に天然ジェットコースター。順調にいくつかの瀬を下っているうちにマリオが後ろの自分をいちいち確認しなくなった。ゴルジュ帯のところを出るG3の瀬で先行するマリオが沈。下流の瀞場まで流された。

自分がレスキューに向かい船とマリオを回収。エディーの逆流を利用し岸に向かった。
と、その時・・・・。 20人くらいの子供が・・・。 ワラワラワラ・・・・。

腰まで・・・胸まで水に入りレスキューを手伝ってくれた。なんだなんだなんなんなんだ???

状況はすぐ理解できた。子供達の言ってる言葉はわからないが両手にジュースやビールをもっている。「ジュース売りワラワラ族」の出現だったのだ。こんな山中で・・水中まで必死に・・。

カヌーの周りに10人くらいまとわりついてきたので、さっき一番水中に突っ込んだ女の子の営業努力を評価し、彼女からビンタンビールとコーラを買った。

少し河原が開けたところで一服。ビールが美味い。天気もいいし、景色は最高。渓谷の中の河原。

上流からいろいろなラフティングが下ってくる。歓声がこだましている。
うだうだと漕ぎながら時たま現れる瀬をパドリングし3時間くらいでゴール。
スタート地点に戻り、用意されたランチのミーゴレン、ナシゴレン、サテー、ソトアヤムにメイン(?)のビンタンビール。崖上で渓谷を眺めながら幸せに眠くなる。
名カヌーガイドのマリオに礼をいいホテルに戻った。


5/1
バイクを借りてメランギット川へ出撃。全く川の様子が分からないのでラフティングのガイドに様子を聞く。ちょうど団体様がツアーを終えた時間らしく、客は自分一人だった。

「カヌーで下りたいけどガイドはしてもらえるか?」と聞くとスタッフ一同から断られた。
そこにいた一人のガイド、デワ君がいいよと話に乗ってきてくれたが、グレードが4だという。昨日経験したアユン川との比較はどうかと聞くと、全然レベルが違うという。
で、カヌーは諦めた。

でも渓谷の中のいい川らしく、ラフティングでもいいから川を下りたくなってきた。
「他の客とキャーキャーいいながら下るのはイヤだ。客は俺一人で下らせろ!」

と注文をしたら、承諾された。US$50を支払う。ちなみにこの金額は現地での普通のビジネスマンの月収にあたる。客ひとりについてのスタッフの働きも書いておこう。

このツアーにはキャプテン(ラダーマン)のデワ君ともう一人のガイド(名前は忘れた)が加わった。3人で崖下の川まで歩っていくと、一人の小柄なオバちゃんが全身大汗かいてフットポンプ(自分のと同じやつ)でラフティングボートを膨らましていた。ビックリ!

川はいきなり4mくらいの滝。落ち込むとすぐに壁。カヌーはちと(かなり)厳しい。幅は4m。両岸は切り立った崖。今朝方の雨で水は濁っていた。デワ君の話だと通常は透明で、周りや上流に民家がなく、水が飲めるそうだ。水道水も飲めないこの国では珍しい。

ボートが出来あがり、ガイドのデワ君が講習を始めた。
「自分はカヌー専門でラフティングは未経験だし、景色やビールを楽しむので忙しいから漕ぎたくない。」
と言ったら了承された。

大汗オバちゃんにチップ(5000Rpくらい)を渡したら偉く喜んでいた。(余計だったかな?)

川下りスタート。いきなりの落ち込み。バンク。また落ち込み。休む暇なし。ラダーマンだけのパドル裁きだけではボートをコントロール出来ず、要所だけを漕ぐことになった。

自分はラフティング初体験。4級(カヌーじゃ無理)の荒瀬も軽く越えてしまうのでアドレナリンの放出はなかった。 

川幅は狭いところで2m、広いところで4mくらいか。全くの渓谷の中なので、ヂィズニーランドみたいな川下りだ。写真を撮る時やタバコを吸うときはパドルを横にすれば、ボートは留まるのだった。途中の瀬でデワ君が水に落ちた。自分ともう一人のガイドでレスキュー。なんてこった。

しばらく進むと景色が開けた。ジャングル地帯でいい景観だ。瑠璃色の鳥キンキシャーがあちこちに飛び交う。綺麗だ。

休憩したくなったので、ボートを岸につけて休憩。デワ君がバナナフライをくれた。
無線でゴール地点へのトランスポートへ連絡。無線機を奪い、
「のんびり下りたいから迎えはゆっくりでいい」
と伝えた。

一服して川下り再開。だらだら下っても2時間もかからないコースを3時間くらいかけて下る。最後にはパドリングを中止させキンキシャーの捜索に力を注がせた。

ゆっくりと景色を堪能。鳥が綺麗だ。堰の手前バックウオーターでゴール。

ゴール地点でのスタッフの働き。先ほどの大汗オバちゃんがボートを片付け、オジさんが崖上まで運搬し、別のおっさんの運転でスタート地点まで戻った。

一人のラフティングでスタッフ総勢5名。う〜ん。
ゴール地点に戻って飯。客は自分一人なので、デワ君や運転手と食べた。
冷えたビンタンビールで幸せな気分になり、スタッフに礼を言いホテルに戻った。


5/2
バリっ腹。昨日あたりから下痢が止まらない。体調は別に何でもなくビールも美味いのだがウンコは水っぽい。でもビールは美味しい。でも下痢。そのうち直るだろうと思い、ビールばかり飲んでいたが・・・。直らない。

今日はOFF。ホテル前のビーチやプールサイドでビール&読書。
部屋のトイレから100m以上は離れられなかった。


5/3
昨日と同じ。


5/4
トラガ・ワジャ川へ出撃。グレード4との事だが・・・・・。以下未完(つづく)。