【1.掲載の趣旨】
筆者は適用事例を試作する過程でQlikView(クリックビュー)の試作・検索・操作の容易性に非常に優れていることを改めて確信ことができました。
そこでQlikViewを既に活用している読者や今後、新しく活用を検討している読者にとって何らかの一助になればと思い、以下に紹介いたします。
【2.ツールの特徴】
クリックテック社がQlikViewで提供する機能について一般的に使用される部分の内、サンプルとしてその適用事例の一部を以下に記載します。
クリックテック社ではQlikViewの特徴を次のように説明しています。
(1)連想技術：QlikViewは人工知能に使用されている「連想」の考え方を適用した特許技術で、データ要素間の関連性を全て保持し、複雑なビジネスの
意思決定を下す場合に、裏付けとなるデータをQlikViewを使うことで、全てが利用可能になる。
(2)インメモリー：QlikViewは全てのデータをメモリ上に保持することにより、高速演算処理を実現。検索リクエストとデータ抽出に対し、より速いレスポンス
を提供する。またレポート作成において一度Load scriptでデータを取り込んだ後は、QlikView上ではSQLを記載する必要が無いため、ユーザに高度な
技術スキルが不要になる。
(3)オールインワン：QlikViewでは、BIツールにおいて良く利用される、ETL、DWH、OLAP、BIツール等の全てのコンポーネントが含まれ、データベーも不要。
QlikViewのみで完全な開発・運用環境を提供する。
(4)モバイル対応：QlikViewのWebUIは、スマートフォンやタブレットなどで閲覧可能である。タッチ機能で直観的操作ができる。
(5)MSオフィスとの連携：画面に表示したオブジェクトはクリップボードにコピー可能である。また、表示されたデータを簡単にExcelへ出力することができる。
【3.機能(表示・関数等)の具体例】
(1)入出力・表示の使用事例：操作画面のレイアウト(L)⇒シートオブジェクト⇒各機能
| 機能 | 内容 | コンテンツ |
|---|---|---|
| ボタン | すべての選択をクリア | 経営情報.qvw |
| 同上 | 関連URLへアクセス | 国別情勢.qvw |
| ・国外情勢の詳細を外務省のURLへアクセス | ||
| ・主要都市の現在時刻を筆者のURLへアクセス | ||
| スライド | 入力値をスケールの移動で選択 | 経営情報.qvw |
| テキスト | コンポーネントにタイトルを記入 | 同上 |
| 線・矢印 | 各情報ゾーンを区分け | 同上 |
(2)関数の使用事例
| 機能 | 表示事項 | コンテンツ | 数式の一例 |
|---|---|---|---|
| 判別 | 質問の正解率の程度(等級) | 情報管理.qvw | if([正解率(％)]=100,'best',if([正解率(％)]>=80,'better',if([正解率(％)]>=60,'goog',if([正解率(％)]>=40,'bad',if([正解率(％)]>=20,'worse','worst'))))) |
| 割合 | 地域内での国別の面積・人口比率 | 国別情勢.qvw | 面積比率：sum(面積万km2*100/aggr(NODISTINCT sum(面積万km2),地域))、相対値表示 |
| 人口比率：sum(人口万人*100/aggr(NODISTINCT sum(人口万人),地域))、相対値表示 | |||
| 順位 | 年間の販売平均価格の最高・最低値 | 販売動向.qvw | if(平均価格=max(total 平均価格),'最高',if(平均価格=min(total 平均価格),'最低',)) |
| 質問の正解率の最高・最低値 | 情報管理.qvw | if([正解率(％)]=max({1} total [正解率(％)]),'最高',if([正解率(％)]=min({1} total [正解率(％)]),'最低',)) | |
| 世界各国の面積等の最大・最小値 | 国別情勢.qvw | if(面積万km2=max(total 面積万km2),'最大',if(面積万km2=min(total 面積万km2),'最小',)) | |
| 商品・顧客の粗利益額(降順)の順位 | 併買分析.qvw | Rank(Total Sum(粗利益額),3) | |
| 抽出 | 年間の販売平均価格の月別選択 | 販売動向.qvw | If((期間=1),sum(平均価格),'-') |
| 時刻 | 選択地の現在時刻 | 国別情勢.qvw | if((首都='東京' or 首都='ロンドン’),ConvertToLocalTime(UTC(),時差),'-') 注)ACCESSにて入力の時差情報を関数変換し、関数情報を出力する。その数式(1〜6)をQlikViewの数式に複写・貼付ける。時差⇒東京(GMT+09:00),ロンドン(GMT) |
| 積算1 | 原材料→完成品に至る階層毎の累積(日数、歩留、使用量、原価)計算 | 工程累積.qvw | if((階層-1),日数1,if((階層-2),日数1+日数2,if((階層-3),日数1+日数2+日数3,if((階層-4),日数1+日数2+日数3+日数4,if((階層-5),日数1+日数2+日数3+日数4+日数5,0))))) 注)ストレートテーブル上で行列(縦積、横和)計算を適用 |
| 積算2 | 発注・在庫・収益計画、兼用状況を関連表示 | 計画策定.qvw | 販売金額=販売数量*販売単価、製品原価=sum(工程原価)、製品収益=販売金額-製品原価 |
| 日付&抽出 | 今月の草花に該当する草花の画像を抽出・表示 | 草花情報.qvw | if((Month(today())=月度),草花) |
また、上記に該当するコンテンツは筆者の提供する以下のホームページからダウンロードが可能です。
| コンテンツ | ホームページ |
|---|---|
| 経営情報.qvw | 経営情報のダウンロード |
| 情報管理.qvw | 情報管理のダウンロード |
| 国別情勢.qvw | 国別情勢のダウンロード |
| 販売動向.qvw | 販売動向のダウンロード |
| 工程累積.qvw | 工程累積のダウンロード |
| 計画策定.qvw | 計画策定のダウンロード |
| 草花情報.qvw | 草花情報のダウンロード |
| 併買分析.qvw | 併買分析のダウンロード |
なお、Qlik製品(QlikView、QlikSense)の操作は同社が発行する各チュートリアルを参照してください。
最終更新日：2016年09月30日