june30 6月30日(金) うす曇りのち快晴 18516歩

No.2  トドワラ〜羅臼〜知床峠

* Rittyan撮影の写真がある理由は後ほど・・・


・・・・・・・・・・ 天国のお花畑 ・・・・・・・・・・

枯れ木の原をぐるりと一周して、さらに奥へと向かう。少しいくと風景が一変。色とりどりの花が咲き誇る野原を左右にみて、真中にまっすぐに伸びる一本道が通っている。やっと命あるものの暖かさを感じてほっとする。後ろは死の世界、前に伸びるのは天国のような花畑。


下の文字をクリックして
原生花園の花をご覧ください.
(この項の写真はRittyan撮影)

| ハイキンポウゲ |
| エゾフウロ |
| センダイハギ |
| ヒオウギアヤメ |
| エゾゼンテイカ |

頭の中の理性や感情を通り越して、ただただ目くるめく風景の変化に圧倒されてしまう。2、3歩行くごとに新しい花を見つけて立ち止まり、歓声を上げて眺めたり、匂いを楽しんだり。見渡す限り二人だけの世界で二人は大はしゃぎをする。

ハイキンポウゲ、エゾフウロ、センダイハギ、ヒオウギアヤメ、エゾゼンテイカ、ハマナス、大きなエゾタンポポ、エゾノシシウド、他にスミレや名前のわからない花もたくさん。ハマナスの花がこんなにいい香りのするものとは思わなかった。
野付半島のなかほどにあるレストハウスまで20分というこの原生花園を、二人は1時間以上かけて歩く。Rittyanは以前にも来たことがあるのに、花の季節は初めてで大感激。


写真にマウスを乗せると
ピンクのハマナスが見えます.
マウスをはずすと
黄色のエゾタンポポになります.
(エゾタンポポの写真はRittyan撮影)




空気がいいせいか、花も緑も鮮やかな色。それでいて透明でやさしい色合い。それにタンポポやスミレの大きいこと!のびのびと素直にそだっている。
白い花もたくさんあるが、ハマナス色やタンポポ色、スミレ色のなかで、白という色が映えている。


写真にマウスを乗せると
花馬車が見えます.
マウスをはずすと
ウミミドリの花になります.
(馬車の写真はRittyan撮影)


Kurbisは何もかも初めてで、もう舞い上がっている。最初の船で帰る人はトドワラだけしか見る時間がないわけで、ここまで来てそれではあまりにもったいなさ過ぎるというものだ。


写真にマウスを乗せると
エゾノシシウドの花が見えます.
マウスをはずす
エゾノシシウドのつぼみになります.
(この項の写真はRittyan撮影)


レストハウスでコーヒーを飲みながら一休み。
傍らのテーブルでは、朝獲れたばかりの北海シマエビを踊り食いしている人がいる。レストハウスの前には、オホーツク海が広がっている。どっちを向いてもずっと平らな陸と海ばかり・・・ 野付半島の先のほうには、もっと大きな規模の原生花園や丹頂鶴の営巣地もあるそうだが、そちらへ行くだけの時間はなさそうだ。展望台に登って双眼鏡で見晴らしたり、花馬車を冷やかしたりしながらのんびり。目には稀有の風景、耳には小鳥のさえずり、おいしい空気と、花の香り・・・をこころゆくまで味わう。

その間に観光バスが来て、団体の観光客がばたばたと花の道を歩いていったり、馬車に乗っていいった。またすぐに戻ってきたかと思うと、さっさとバスに乗り込んであっという間に行ってしまった。

・・・・・・・・・・ お昼と暴走船 ・・・・・・・・・・

交渉係のKurbisが、尾岱沼からウトロまで行ってもらうタクシーの予約をする。
後の段取りをつけてから、お昼代わりの芋団子と牛乳を買い、また貸し切り状態になった花の道を船着場めざしてもどる。逆の風景もまた美しい。いろんな鳥のさえずりも聞こえるし、かわいい姿も近くで見ることができる。ずっと永遠に続くように花園が伸びていて、今度は天国もさもありなんという感じだ。

センダイハギの群生
ほんの30センチほどの近くで観察したきれいな鳥は、後でオウジュリンと判明。黒い頭に白い頬とエリマキ、白いお腹に映える茶色と黒の縞のフロックコートを着たかなりのおしゃれ鳥だった。来た時の不安感などどこにいったか、幸せな気分でこの風景を思いきり楽しむ。

船着場の桟橋に来ると、帰りの船はもうすでに来ていた。二人で桟橋の上に腰かけて、海を見ながらのんびりと芋団子と牛乳のお昼を食べる。

出航時間の十分前になったので、そろそろと船に乗りこむ。ところが、わたしたちを待ち構えていたらしく、まだ時間は早いのにさっさととも綱を解いてエンジンをかけ、あっという間に船は走り出した。そのスピードと来たら、来たときの比ではない。水の上を飛ぶように走る。乗客は二人だけ、ということはこの船は二人を迎えに来ただけということだ。79人乗りに二人。これでは採算が合わない。といってチケットを買ってこれで帰ると宣言した以上、放っておくわけにもいかない。船会社にとっては、迷惑な客だったのかな・・・ 
手すりにつかまっていないと振り落とされそうなスピード。水しぶきはかかるし、横にいるのに声も聞こえない。
水煙を上げて走る船
二人は、顔が引きつりそうになりながら、かばんを押さえ、暴走(?)する船の手すりに必死につかまっていた。35分かかるはずの帰りの船は、20分足らずで尾岱沼に到着。


・・・・・・・・・・ 尾岱沼から羅臼へ畑 ・・・・・・・・・・

1時に予約しておいたタクシーが港で待っていた。
尾岱沼港まで迎えに来てもらって、途中要所で観光しながら、標津、羅臼、知床峠を経て、ウトロまでを2万円で交渉した。相手にとってもいい取り引きだったのか、親切にいろいろ話をしてくれる。

尾岱沼を出て標津へ向かう途中は、左右に次々と川や沼が現れる。そのあいまに色鮮やかな緑の林が続く。鮭の遡上では日本一を誇る標津川もあった。

羅臼に近づくと、だんだん猟師町らしくなってくる。運転手の話では、昔はスケソウ漁で栄えたので、スケソウ御殿が建っているという。なるほど、そこここにプチホテルのように見える家がある。個人の家にしては立派な3階建てやがっしりした作り、障子や窓や屋根に豪華な装飾がはいった家も多い。

昨日のホテルから気になっていたことを運転手に聞いてみる。家の庭や敷地の中に、かなり大きな金属製の箱のようなものがパイプの脚の上に乗っているのが目に付くのだ。これは暖房用の灯油を入れるタンクだそうだ。自動的に家の中に入っていくようになっているらしい。400リットルも入るということだ。

敷地内にある灯油タンク
北海道では一冬に1000キログラム以上の灯油を暖房に使うので、暖房手当てというのが出るそうだ。灯油はドラム缶で買うという。この灯油タンクにはいろいろな形があって、目についただけでも直方体のもの、球形、五角柱形、ラグビーボール形、ドラム缶形があった。

・・・・・・・・・・ ヒカリゴケ ・・・・・・・・・・

羅臼で見るべきものはヒカリゴケと港だという。運転手も一緒に降りてきて、長年見たことがないなどといいながら見物。洞窟の中にあるヒカリゴケは、黄緑色の神秘的な光を放っていた。


写真にマウスを乗せると
ヒカリゴケのある洞窟が見えます.
マウスをはずすと
神秘的に光るヒカリゴケになります.
(この項の写真はRittyan撮影)


レンズ状の器官に入った外光が奥にある葉緑体に当たって、屈折反射しているのだそうだが、大きな岩の表面にきらきらと宝石のようだった。これが見えるのは6月から10月まで。洞窟自体がとてつもなく大きくてシダがぶら下がり、木々に覆われ水滴が雨のように落ちてくる。

・・・・・・・・・・ 羅臼から知床峠へ畑 ・・・・・・・・・・

港にタクシーが乗り入れてくれたが、漁は終わっていてがらんとしていた。今ごろはメンメという魚が獲れるのだそうだ。

羅臼の町を後にして一路、知床峠へ向かう。道はどんどん登っていく。ところ所で車を止めてもらっては、知床の最高峰である羅臼岳が近づいてくるのを確認する。

道路脇の雪渓
道路脇には、名も知らぬかわいい花が咲いていたり、雪渓がまだ残っていたり、水芭蕉の群生や、蕗の董の群れがあったりで発見がいっぱい。
(この項の写真はRittyan撮影)

そのたびに車をとめてもらって、間近まで行って眺めたり、写真を撮ったりして、運転手泣かせの客だったかも。海岸付近でも十分涼しいが、やはり山の上はもっと気温が低いのだろう。自然は正直に教えてくれる。

知床峠からの羅臼岳
やっと知床峠に到着するとどこから沸いてきたのかと思うほど、観光客が大勢いる。標高738メートルの高原で、後ろに羅臼、前に羅臼岳を最高峰にして知床連山。
(この項の写真はRittyan撮影)

観光客に混じって谷底をのぞいたり、カップルの写真を撮ってあげたり。ここでは真っ青な空に白い雲の流れる最高の天気になる。空気がいいから焼ける、焼ける。


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