Epilog



エピローグ



知恵熱か?


飛行機に乗って日本に向かって飛びった後は、ハッピーエンドかと思ったらとんでもなかった。

席についてほっとしたとたんに疲れが出たのか、頭が痛くてあまり体調が良くないのに気づく。そう言えば、今日は朝から少し頭が痛かったが、あまりのお天気で暑いせいかと思っていた。おとといの夜は、真理さんに借りたマニキュアを付けたら乾くまで寝られないので、ベッドカヴァーの上にひっくり返って話してたら、いつのまにか眠ってしまっていた。夜中にはっと目覚めたら、エアコンが付きっぱなしで、上掛けも掛けずにいたので寒かったっけ…。

トイレにいってバファリンを飲む。少し寒気もする。風邪を引いたのかな? それともあまりの楽しさに頭が対応しきれずに、知恵熱を出したか? とりあえず席に戻って、上着を着て、少し眠ることにする。横にいる真理さんにはちょっと眠いとだけ言って。食事が運ばれても全然食欲がないどころか、食べ物の匂いで軽い吐き気も感じるので、飲み物だけもらって返す。できるだけ眠ろうとしていると本当に、とろとろする。途中で、汗をかいて目が覚めたから、本当に熱があったらしい。また水を飲んでとろとろ…。帰りの飛行機では、映画を見ようと思っていたが、それどころではない。目が覚めるたびに結構時間が経っている。

かなり経って、少し気分が良くなったので、真理さんと機内誌を見たりする。がしばらくするとまたいつのまにかうつらうつらしている。最後は、日本上空にいて、着陸体勢に入りますというアナウンスが聞こえ、飛行機が高度を下げ始めたのを覚えている。その次に気づいたら、何とすでに着陸した後だった。

不思議なことに気分はすっかり良くなっていて、飛行機を降りる時には絶好調。帰国後の時差ぼけも全く感じなかった。

唯一の問題は、日本の夏の蒸し暑さだけ!




書き終えて・・・


最後まで書き終えてほっとしている。結局、旅行してから1年以上経ってしまった。それでもこんなにいろいろ思い出しながら書けたのは、最初のヨーロッパ旅行がそれだけ印象深かったからに他ならない。

憧れのヨーロッパでもあったし、ツアーでは出来ない自由なプランで好きな所へ行くことが出来た。この事は非常に大きな意味があると思う。
せっかく大金を使って旅行するのに、忙しく移動ばかりしているのはつまらないし、荷物を解いたり詰めたりの繰り返しも時間がもったいないと思う。

これから旅行しようと考えている方に、声を大にして言いたい。是非フリープランの旅行をして下さい、と。英語の通じる国へいくなら、言葉の問題はほとんどないと思っていい。英語が堪能の人にいってるわけではない。同じ人間なんだから、言葉が通じなくてもコミュニケーションの手段はあるし、簡単な単語を並べるだけでほとんどの用は足りる。最近のガイドブックの巻末に載っている旅行英語のページを切り取って持っていけば十分すぎる。いざとなればそれを見せてもいい。それなら、別に英語圏でなくても平気だ。

本当に素晴らしい世の中になったのだから、多いに利用して是非楽しい、価値ある旅行をしましょう。





この旅のおかげで、海外旅行熱にかかってしまいそうだ

これからはよく研究して、悔いのない旅行をしたいとは思うが、しょせん短期の旅行では満足いくまで見て回れるわけではない。やはり週単位、月単位で一つところに滞在して、住んでいる人の目でその国を見てくるのが、わたしの夢だ。できれば、ホテルではなくてホームステイがいいな。気に入った所があれば、しばらく帰ってこなくてもいいかもしれない。どうやらホームシックというのとは縁のない性格らしいし、食事もこだわらない。

つらつら考えると、何が魅力かというと、しがらみを持たず風来坊のような生き方にあこがれるのかもしれない。たとえば、ゴッホのように故郷を離れて、いろんな土地をつぎつぎと渡っていくような。もちろんゴッホ自身はそれを望んでしたのかどうかは疑問だが。

この旅行期間のようにまるっきり自由な時間、自分のためにだけ使える時間というのは、主婦にとっては本当に貴重なものだ。家にいては絶対に無理だし、国内を移動している時でも、つい家に連絡を取ったりする。

外国にいては何があろうが、そんなに簡単には帰れない。その気持が自由度100%の根源かもしれない。

無責任だった子供時代をのぞいて、いつも何かに縛られている毎日。あれはしなくちゃ、これもしておいた方がいい、の繰り返しだ。旅に惹かれるのはそういうものへの反動かもしれない。それにしても、あんなに毎日精力的に動きまわるなんて、普段の生活ではありえない。どこからそんなエネルギーが湧いてくるのか、と思うと、それこそ旅の持つ魔力ではないか、とおもう。今しかない、という気持が魂を、体を後押ししているのかもしれない・・・

それでもいい。やはり旅は素晴らしい。

皆様には、ここまで根気づよく読んで下さってありがとうございました。




−おわり−



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