| ゑびすや 塩原の元湯「梶原の湯」に入れる宿 |
 |
|
塩原元湯温泉は名前の通り塩原温泉発祥の地だ。大同元年(八〇六年)に如葛仙によって発見されたという。
江戸時代には数十軒の宿屋があり、「湯本千軒」といわれ相当賑わっていたようだ。ところが万治2年(1659年)の大地震によって壊滅、現在では静かな谷間に「えびすや」「元湯館」「大出館」の3軒の宿が並んでいるだけで、秘湯の趣きさえある。 |
|
えびすやは3軒ある旅館では一番小さな宿で、昔からの源泉「梶原の湯」を守っている。
「梶原の湯」は元湯にあった7つの源泉のうち、地震でただ一つ残った源泉で毎年9月に行われる「古式湯祭り」の際には、御神湯として塩原の各温泉に分湯される由緒正しいお湯である。
宿の朝食ではこのお湯で炊いたお粥が出される。 |
|
 |
|
 |
|
えびすやには「梶原の湯」の他に「弘法の湯」という源泉もある。
女性専用の浴場は「弘法の湯」のみで、もうひとつの混浴の浴場には「梶原の湯」と「弘法の湯」がある。
混浴の浴場は壁も床も板張りで、薄暗い中に小さな2つの湯船が並び合っている。この薄暗さが伝統の湯と相まって、何か厳かな独特の雰囲気をつくっている。 |
| 手前が「梶原の湯」、奥が「弘法の湯」 |
|
|
|
御神湯である「梶原の湯」は祠をかたどった注ぎ口から湯船に注がれている。
この湯は胃腸によく効くことで知られ、以前にはこのお湯を使用して胃腸薬も製造されていたほどだ。
お湯は硫黄の臭いがし、白濁していて白い湯の花が浮いている。温度は少しぬるめでかけ流しになっている。
別名「ラムネの湯」とも呼ばれる炭酸泉(厳密にいうと現在の分類では硫黄泉)で、飲泉すると酸っぱいような苦いような妙な味だが、とても炭酸が多くサイダーのような感じもして、慣れてくると何杯でも飲める。 |
|
 |
|
 |
|
もうひとつの源泉「弘法の湯」は間欠泉で5〜6分に1回湯船に注がれている。注がれたお湯はすぐ小さな湯船から溢れ、かけ流しとなって板張りの床の上を流れていく。
こちらのお湯も白濁しているが青みがかっている。お湯の温度はけっこう熱い。泉質は宿のパンフレットでは硫黄泉となっている。 |
|
| 現在の温泉の分析方法では「梶原の湯」も「弘法の湯」も含硫黄ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉(通称 硫黄泉)となってしまうが、それでは味気ない。やはり、ここのお湯は宿のいう通り「炭酸泉」と「硫黄泉」がふさわしい。 |
|
|