オーナー:KENZOさん    
試乗or同乗:試乗


ポルシェ・勝手にインプレッション

930。

スーパーカー世代のお方にとってはまさに夢の車。
turboは4速で250kmをオーバーできるがもう30年も前の車なのである。

私はスーパーカー世代の人間ではなくいつかはポルシェとか930とか、憧れは無かったのだが。

単純にそのフォルム、930はカッコイイ。
私はboxterに乗り、ポルシェオーナーの皆が陥る呪縛にとらえられたクチの人間だ。
水冷の性能やら環境性やらステータス性。
最新は最良というものに疲れてしまうのか、ポルシェ乗りはどんどん空冷、それも古いモデルに先祖がえりしていくようだ。
かろうじてクラシックを感じることのできるフォルム、そして世界最速を狙ったというそのメカニズム。
そのはざまを感じることのできる930は存在そのものがカッコイイと思う。

930のシートに身を委ねる。
あいもかわらぬ伝統のインパネが迎えてくれる。
変わらないのがいいことなのか、たしかに変わっているのか。
インテリアからはとても30年前の車とは思えないのだが。
キーをひねりアイドリングでスタートしようと思うとこの車が高年式の空例モデルとは異なることに気がつく。

クラッチが重い。

アクセルペダルが重い。ステアリングが重い。
そして、ミッションがメカメカしく、まるで金庫に例えられるポルシェのボディーを動かす為の儀式のようではないか。

そして短い試乗で確かに感じた。
これはスポーツカーなのだ。

boxterや高年式モデルのポルシェは確かに930より速い。
しかしその速さになんの意味があるのだろう。
車の最高速度など930turboがもはや公道では許されない速度を記録した時から何の意味もなさなくなっているのではないか?

普通の道を普通の車と一緒に走った時。
コーナー、いや、普通のカーブを曲がるだけでもこの車はスポーツしている!

世の流れなのか、スポーツカーのフォルムをした車もコンフォートな乗り心地が好まれるようになった。
新車でこんな感覚を味わうには、ロータスエリーゼ?
いや、エリーゼのステアリングを握ったこともあるがそれとも違う。
どちらかというとこちらも一度ハンドルを握らせていただいたスーパーセヴンに近いぞ、これは。

明らかに930は完成度は低いと思う。
そしてリアに高くマウントされたエンジン故のボディーバランス。
恐ろしく速くドライブする事が難しい車だろう。
964turboを運転させていただいたときに感じた男の気兼を更にドラマチックに演出したような印象だ。

carreraでこれなのだから930turboはきっとぶっ飛んだ車なのだーなー。

個人的には930はタイムを狙うような走り方ではなくそれなりの横Gをかけてあげながら木陰を駆け抜ける。
それもカブリオレで空とひとつになりたい感じ。
オープンなら剛性感もゆるくなって適度にクラシックな乗り心地となるだろうし。

乗って改めて思うがやはりポルシェは930以前のモデルが良い!
KENZOさん、ありがとうございました。