オーナー:freemanさん    
試乗or同乗:同乗

30年以上前の車、私より歳上の車が現代で走るだけでもすごい事である。
しかしその実力は予想を裏切り現代の車に対し見劣りしないものであった。

今回は助手席への同乗。
右席にエントリー、例の如く空冷ポルシェ独特の「カチッ」というドアの開閉音である。
乗り込むなりまず思った。
シートがとてもふわふわする(笑)
シートと言っても現代のポルシェのようなサポート性を確保した形ではそもそも、ない。



ポルシェ・勝手にインプレッション


同乗は第8回ポルツーにて。
早速直線を短い距離ではあったが全開していただいた。
ナローSは1000kgちょっとのボディーに170psにもなるエンジンが搭載されている。
この現代でもトップレベルの性能を30年前に達成していたポルシェの凄さにも驚かされる。
実際に乗ってみて、体感速度の速さはスペック以上である。
軽いボディーに相まって小径・狭トレッドのタイヤ。シートのホールド不足。
そしてボディー剛性不足。
いや、決してボディー剛性が低いわけではない?
エンジンスペックが圧倒的に全てに対して優っているのだ。
しかしそれが欠点というわけではない。
例えば私のボクスターは圧倒的にエンジンパワーに対しボディー剛性が優っている車。
それはそれで手足の如く乗りこなせている…錯覚になれるのでいいのだが、あまりにイージーだと感じる。
踏めばノーマルの964と同等の加速ができブレーキを底まで踏めばABSで最短制動距離で止まる。
そしてコーナーリング中もTC(PSM)のお陰でよほどのオーバースピートで侵入しない限りブレイクしようがない。
この車しか乗った事がない人間が現代の電子デバイスのついていないナローに乗って果たして意のままに操れるか?
と言ったらNOであると思う。
ナローはドライバーを成長させる車なのである。
鋭いエンジンレスポンス、RRレイアウト、そして高出力のエンジン。
一生かかってこの車をドライブできるようになればどのようなポルシェもきっとある程度コントロールできるようになっているはず。

当然既にクラシックカーの域に達している年式である故に価格も高価安定。
防錆処理すらされていないシャーシであるから最低でも足車が必要になってしまう「趣味の車」ではあるが名車として語り継がれ
る理由がなんとなく感じ取れた。