トランスフォーマーのどーでもいい話B
衝撃のウーマンサイバトロン

ウーマンサイバトロンって何者?! 初代の範囲だけで考えてみます。

#40「アルファートリンを探せ!」で私が受けたショックはでかかったですハイ。トランスフォーマーに性別があるなんて夢にも思ってませんでした。まあ言われてみればみーんな声は男性ですわな。コンドルなんかはわかんないけど・・・。#40でわざわざ強調したところを見ると、少なくともそれ以前に出てきたキャラはみんな男性扱いということになりますな。

ウーマンサイバトロンの特徴を考えてみると、まず彼女らはアニメにしかいません。トイは存在していません。(従ってトイのトランスフォーマーは依然性別なしと言えます)デザインは無骨さや力強さよりも優美さやスマートさを強調した、それまで登場していた男性型キャラとは意図的に異なるコンセプトの元に作られているように見えます。声も共通して高音でどっから聞いてもまさに女性のそれです。そして人間と同じく、縦の関係よりも横の関係を重視した気質を持っているようです。

彼女らが女性であることはそれ自体が重要な意味を持つようです。報告を受けたメガトロンの第一声「ウーマンサイバトロンだと?そりゃいい」がいい例でしょう。何がいいのかよくわかりませんが(笑)何か期待するものがある様子です。S.S.も特別な視線を持って任務に当たっています。そしてセイバートロン星には男性のサイバトロンが他にもいる(#61のコンボイの台詞より)にも関わらず、彼女らはまさに「ウーマンサイバトロン」として、緊急時にアルファートリンの助言を求める以外は、女性だけの集団を作っています。

そして彼女らの存在は即、一体何のためにトランスフォーマーに性別があるのかという問題を導きます。


ところで、ある種の生物に「性別」があるが故に生じるものは何でしょうか。
@有性生殖 A異なる特性と役割 B精神的な結束

AとBは@から2次的に生じる問題です。


@について
生物にとって性別は極端に言って繁殖のため、有利な生存競争のために存在しています。自分とまったく同じ性質を持った分身ではなく、2者の持つ性質を持ち寄ることで新しい性質を持った個体を作るのです。特定の原因による全滅を避け、様々な環境変化に適応して生き残る可能性を増やすためです。そういう意味では全ての個体が両性を持っているのが最も効率的と言えますが、そのような生物は極少数派です。ただし必要に応じて性転換できるものは哺乳類以外では少なくありません。しかしこの点においては、自力で繁殖できないトランスフォーマーが性別を持つということは無意味です。


Aについて
生まれながらにして持つ能力・性質の違いによって、自然にそれぞれの役割が分担されます。ウーマンサイバトロンは初めからある特定の役割のために作られたのかもしれません。その役割とは何でしょうか。いずれにしても、400万年前に新たなエネルギー資源を求めてセイバートロン星を後にしたメンバーの中には一人も女性型がいなかったのですから、この目的に適した存在ではないのでしょう。ではどのような役割が除外されるでしょうか? 調査、探索、分析、研究、そのための機械操作、知識、思わぬ危機を乗り切るための奇抜な発想、予測能力、第六感的なカンの良さ、チームワーク、戦闘能力・・・・・惑星探査にはあらゆる面で最高の能力が求められるはずです。そしてそこにウーマンサイバトロンが皆無であったということは、彼女らが特定の能力を備えた存在ではないということになります。

400万年の間デストロン軍のセイバートロン星支配を脅かすこともなく地下に潜んでいたという事実から、また基地が発見されるかもしれないという状況ですかさずアルファートリンに助力を求めている様子からわかるように、彼女らの作戦立案・状況判断能力が極めて低いかまったくその気がないということには疑問の余地がありません。命令違反も万事があの調子なら軍隊としてはとてもやっていけないでしょう。

(ただし、デストロン(某航空部隊指揮官を除く)と違ってサイバトロンでは命令違反は日常茶飯事です。いや命令違反というよりは命令外のことまで各自が勝手な判断で行うというか・・・実際彼らはそれで上手く行っているので問題がないのでしょう)


B
それでは彼女たちは彼女たち自身の思想や目的を持たず、他の作業(戦闘)用ロボット(男性型サイバトロン)に保護されて生き、そして彼らに慰めや精神的な安定を与えるための愛玩用ロボットなのでしょうか?それにしては彼女達自身の戦闘能力は高すぎます。かつてはそれぞれのパートナーとコンビを組んで任務に当たっていたということですし、射撃の腕は平均しても相当の水準です。4対1という圧倒的優位にも関わらず、S.S.達はエリータ-1相手に非常に苦戦しています。

問題は彼女らがそれぞれ特定の男性型キャラと精神的に特殊な結び付きを持っていると思われるということです。早い話がパートナーの男性型と恋人同士に見えるのです。トランスフォーマー達が自力で繁殖できない以上、特定の男女の間で特別に幸福を感じるようにすることはナンセンスです。友情よりも優先順位の高い恋愛感情など、他のメンバーとの関係を考えればない方が良いのです。性別など作らず、誰もが無差別に好き合った方が効率的です。それに異性と対象を限定しては、どちらかがまったくいない状況に陥った時には逆効果です。コンボイ達が20世紀の地球で置かれている状況がまさにそれです。

しかし目覚めて以来ずっと彼女らと接触していないコンボイ達に何の精神的問題も生じていないことから、彼女らの存在は必須ではないということになります(ウーマンサイバトロンは#40でいきなり作った設定なんだよ!という意見はこの際無視します。最も可能性が高そうですが。まだ離れてから何年も経っていないから大丈夫なんだということもあるかもしれません。)さらに彼らは、離れ離れになることを厭わず惑星探査に出かけたり、400万年振りに再会を果たした後も「それぞれの場所でお互いがんばろう」とそっけなく別れてしまいます。精神的な絆が確認されれば、物理的に一緒にいる必要もないのです。こういうことからとりあえず、男性型にとって女性型はその存在が励みになるが絶対に必要というものではないということになります。


トランスフォーマーにとって女性が必須ではないという考えは、デストロンに女性型がいないということへの言い訳のひとつになります。アニメではそれぞれの起源が明らかにされていませんが、トランスフォーマーの中でメガトロンの思想行動に同調した者をデストロン、デストロンと戦う意思を表明した者をサイバトロンと呼ぶようです。(新たに生み出された者達はその創造主の意図でそれぞれの陣営に最初から組み込まれています。)デストロンに賛同する女性が一人もいなければウーマンデストロンというものは存在しません。しかし500万年もの間唯の一人もいなかった(もしくは極々少数であった)というのは不自然です。しかし、もしウーマンデストロンと言える者がセイバートロン星に存在するとすれば、メガトロンは冒頭のようなリアクションをしないでしょう。


役割のためでもない、精神的な支えでもない、もちろん繁殖のためでもないとすれば一体何のための性別でしょうか。何故サイバトロンにしか存在しないのでしょうか。何か、私には想像もつかない別の役割があるのかもしれません。


今回も不発に終り。なむ