トランスフォーマーのどーでもいい話D
何故デストロンは勝てないのか

デストロンが勝ったらシリーズが終わっちゃうでしょ、という心の呟きを無視して、1度整理したいと思います。


まず我らがリーダーメガトロン様ですが、彼はコンボイ司令官とは対照的な、完全なワンマン・リーダーです。下からの意見はほとんどまったく聞きません。部下から事実の報告を受けると、彼は彼自身が作り上げたプランを決定稿として発表し(作戦の全体像は発表もしないことが多いですが)、彼に従うデストロンメンバーを使って計画を実行するのです。

この時、部下たちの意見は聞き入れられないのではなく、意見自体が上がりません。最初から誰も反対する気がないのです。(例外はもちろん某航空司令官ですが。)
なぜ自分の意見を言う者がいないのでしょうか。彼らはやる気がないのでしょうか?それは違います。デストロンにぼけっとしている感じのメンバーが多いのは事実ですが、こと戦闘中の士気は常に高く保たれています。やる気がないと言うよりは「なんも考えてない」のです。もしくは、自分のアイデアがメガトロンのそれに対抗し、上回るようなものではないと最初から諦めているかです。
まあ、良い言い方をすれば彼らはメガトロンの頭脳を頭から信頼しきっているのです。「なんかよくわからんけど、言われる通りやっとけば間違いない」ということです。

TVシリーズの彼らの振る舞いから察するに、彼らはあんまりおつむがよろしくないようです。メガトロンの奇天烈な発想や突飛な作戦は、実は彼らの部下にはほとんど理解されていないのではないかと私は思っています。思考のレベルがあまりに違いすぎて文句のつけようがない、つけられないのです。自分が内容をまったく把握できない案に文句をつけることはできません。(ここでもう一人例外を思いくのですが、ここでは触れないことにします)


メガトロンは部下達の能力を非常によく把握しており、使い方も知っています。どの作業に誰を当たらせるか、ほとんど常に最高の人選をしています。

それでも計画がいつもあと一歩のところで失敗するのは何故でしょうか。原因は主に2つに分けられます。

ひとつは実行部隊の実務的な失敗です。計画途中でサイバトロンのパトロールにひっかかるとか、予測できないようなポカをするとかです。それがメガトロンの目の届かないところで起こったり、フォローしきれないとそこで計画は頓挫です。単に戦闘に敗れるというのもこれに入ります。ちなみに撤退を余儀なくされる原因の大半はこっちです。

もうひとつはメガトロン自身の失敗です。これはまたパターンが2つあります。ひとつは計画段階での読み違いで、攻撃目標についての情報が不足していたとか、戦力配分を見誤ったとかいう問題ですが、これはほとんどありません。もうひとつは現場での判断ミスです。大体失敗を招くのは彼が形良さ・完璧さにこだわることと、イマイチ人心に疎いことでしょうか。


いずれにしても、メガトロンが計画段階でミスをしていることは数えるほどもありません。実行の段になって、それもサイバトロンと接触してから計画が狂ってくるのです。どうして常に後手後手のサイバトロンに上手くあしらわれてしまうのでしょうか。

残念ながら、ここでそれぞれの構成員一人一人の能力が問題になってしまうのです。デストロンメンバーの多くはメガトロンの指示通り動く場合には非常に強力なのですが、一度指令が途切れてしまうと、自分で考えて上手いとこ動くということができません。対してサイバトロンは上からちゃんとした指示が来なくても、その場その場で各自がやるべきことを考え、メンバー同士が適宜連携して対処してしまいます。末端レベルでは、デストロンはサイバトロンに勝てよう筈もないのです。初めの勢いが切れると、戦いが長引くほどデストロンは不利になってしまいます。

メガトロンは戦況が混乱する場面でも異様に冷静ですが、そうかと思うと信じられないようなバカをかましてくれることもあります。大体コンボイと喋りだすとあんまり良い展開にはなりません。


度重なる失敗にも関わらず、それでも軍団が壊滅的な打撃を受けず、すぐに新たな計画に取り掛かれるのは、メガトロンが決して引き際を誤らないということがあるでしょうか。軍の建て直しが容易なら、ひとつの失敗は重大な意味を持たないのです。次から次へと新しいアイデアを思いつく彼のこと、作戦のひとつやふたつやみっつやよっつ、上手く行かなくとも大して苦にはならないのでしょう。いつか野望が達成されるその時まで、大いにサイバトロンを振り回し続けて欲しいものです(希望)。