トランスフォーマーのどーでもいい話F
セイバートロンの太陽


「高度な文明」を持ったトランスフォーマーが何故セイバートロン星でエネルギー危機に陥ったのか?

直接の原因はナレーションの言う通り、長期に渡る戦争のせいでしょう。戦いには、通常の活動に必要な量よりも非常に多くのエネルギーが必要なようです。レーザーが使い物にならない程エネルギーが落ちた状態でも、メガトロンは余裕で基地に飛んで帰りますし、充電する場合にも、まず生命維持システムに必要な分が確保され、その後で駆動系、その後でさらに余裕があればレーザー砲にエネルギーがチャージされるという順のようです。

そしてここからは私の勝手な考えです。戦争のためにエネルギー消費量が爆発的に増加し、得られる量よりも使う量の方が多くなったからエネルギー危機に陥った訳ですが、戦乱のためにエネルギー資源の採掘が間に合わないというよりは、惑星に埋蔵されていた資源の全てを使い尽くしたのではないかと思います。寿命のない彼らにとっては、惑星に元々存在していた資源を使い尽くしてしまうという事態は、必然的な運命でした。全ての資源を消費し尽くす日が、戦争によって早くやってきたに過ぎません。

セイバートロン星の資源を掘り尽くした彼らは、新しいエネルギー資源を求めて惑星外に出るしかありませんでした。

そこで舞台は地球に移ります。人間からエネルギーの提供を受けているサイバトロンはとりあえず置いておいて、ここはデストロンのエネルギー獲得作戦について見てみたいと思います。

もう何でも来いの、まさに「超」ロボット・インセクトロン軍団はまたあっちの方に置いといて、メガトロン達ですが、彼らはまず人間の作った原子力・水力発電所を襲撃します。そしてどういう物かはイマイチよくわかりませんが、埋蔵資源のルビークリスタル。次に地球のコアエネルギー(マグマの熱エネルギーらしい)に目をつけます。ここまでは既に人間によって利用されていたエネルギーの横取りや、直接エネルギーとして利用できる資源を採掘しているだけです。

そして次の段階として、彼らは地球の気象を利用して自ら発電を始めます。波力発電所を建設したり、どうやって収集するつもりだったのかはわかりませんが、S.S.などは地球の爆発エネルギーを利用しようと試みています。そしてメガトロンは地球上に降り注ぐ太陽エネルギーに目をつけます。(#12「ソーラーエネルギーを盗め!」)

結局この時はあまりにものすごい機械を作ってしまったためにまたしても地球破滅の危機!なんてことになってしまい、コンボイに見つかって発電機をぶっ壊されてしまうのですが、一度失敗したからと言って、彼らが二度とソーラー発電を試みなかったはずがありません。実際、まあストーリー上の理由もあるでしょうが、これ以後デストロンがエネルギー不足に悩んでいる姿はほとんど見られなくなります。(#35で「これで我が軍のエネルギー不足も一気に解消だ」なんて台詞もありますがね・・・」)セイバートロン星のエネルギー危機も解決したように見えます。

人間の発電所を襲えば騒ぎになってサイバトロンがやって来ますし、天変地異を引き起こすような事をすればまた然りです。結局デストロンは、人間と競合しないエネルギー資源を人知れず利用することで落ち着いたのではないでしょうか。地熱や太陽光を、(ひとつひとつの施設では)コンボイに見咎められない程度の地味な規模で利用しているのです。地上はほとんど全て人間の縄張りで、しかも基地が海底にあるというのがネックですが、衛星を上げて宇宙で発電すれば良いことですし、必要ならばマイクロ波で基地へ輸送、なんてこともできるでしょう。それに太陽光発電となれば、別に地球にこだわらなくても良いのです。それとも、太陽エネルギーの利用効率が人類の科学では及びもつかない程高いのかもしれません。

このような高度な技術を持った彼らが、セイバートロン星では少しもエネルギーを生み出すことができなかったのです。何故でしょうか。

利用できるエネルギーが少しもないということは、惑星外から与えられるエネルギーもないということを示します。つまりセイバートロン星は地球と違って、太陽のような恒星を持っていないか、エネルギーが利用できない程遠く離れていたのです。


セイバートロン星には月はあっても太陽はないようです。少なくとも、地球の太陽のように強く、生命を支える力を持ったものではないんでしょうね。


おわり



・・・・というかそれ以前に、核融合の技術が確立されている(Fusion CannonのFusionはどう考えても核融合だろう)世界で、どうしてエネルギー危機なんかが起こるのか不思議でしょうがないんですが。ま、いっか!