トランスフォーマーのどーでもいい話(10)
TFの精神支配について
TFでは、割と気軽に精神操作(支配)が行われています。普通の番組ではちょっとないと思われる位に頻繁に見られるので、今回はこれについて見てみたいと思います。
精神操作の種類
種類 | 支配の状態 | 被支配者の意識 |
完全支配 | 操り人形的支配。被支配者の意志は強く抑えられるか消滅している状態。支配者がつきっきりで被支配者を操作しなければならない。 | なし |
洗脳 | 思想・価値観を左右し、全人格的な影響を与える種類のもの。被支配者に、支配を受けているという意識はない。 | あり |
性格変化 | 判断力や記憶の一部を奪った状態で、自律的な行動が可能。 | あり・異常 |
命令 | 意志を持たないロボット・機械に命令する。 | なし |
操作 | 一時的に行動を操る。被支配者は意思に反した行動を強要されている状態。 | あり |
他 | 所謂読心。 | あり |
上の分類はもちろん私が勝手に分けたものです。境界が微妙だったり、見方によっては同じ性質のものではないかと思われるものもありますが、一応こうなりました。
劇中で行われた精神操作
言及エピソード | 操作を行ったキャラ | 被害者 | 効果時間 | 備考 | 種類 |
スペースブリッジ作戦 | メガトロン | バンブル | 一時的 | メモリチップに細工し、記憶を混乱させた | 性格変化 |
メガトロンの帰還 | S.W. | チップ | 一時的 | 記憶を読んだ | 他 |
ソーラーエネルギーを盗め | サイバトロン | ギアーズ (サイバトロン全員) |
恒常的 | シークレットセンサースキャン回路を外すと、余計な義務感から解放される。 | 洗脳 |
破滅の日 | 人間 | 人間 | 一時的 | ヒュプノチップの効果が及ぶ限り行動を操作する | 完全支配 |
謎の巨大隕石 | S.W. | ダイノボット | 一時的 | 催眠状態で本心を(?)喋らせる | 他 |
謎の巨大隕石 | サイバトロン | ダイノボット | 恒常的 | 反逆できないように安全回路が組み込まれている | 洗脳 |
コンピュータの反乱 | メガトロン | トルク3 | 恒常的 | プログラムを書き換えた | 洗脳 |
コンピュータの反乱 | トルク3 | トルクマシーン | 一時的 | サーキット・リンカーの効果が及ぶ限り操作する | 命令 |
I・シンドローム | ボンブシェル | S.W.、ジェットロン | 一時的 | セレブロ・シェルの効果が及ぶ限り服従させる | 性格変化 |
インセクトロンの謎 | ボンブシェル | ランボルだっけ | 一時的 | 行動を操作 | 操作 |
ナイトバードの影 | S.W. | ナイトバード | 恒常的 (可逆) |
プログラムを書き換えた | 命令 |
オメガスプリームの秘密 | メガトロン | その辺のTF、ビルドロン、 オメガ |
恒常的 | ロボスマッシャー 性質(思想?)を変える |
洗脳 |
デバスターを倒せ | WJ他 | デバスター (ビルドロン) |
一時的 | ドミネイター・ディスクの効果が及ぶ限り服従させる | 性格変化 |
ベクターシグマの鍵 | メガトロン | スタントロン | 恒常的 | 自分の好みの性質にプログラムさせた | 洗脳 |
ベクターシグマの鍵 | OP | エアーボット | 恒常的 | 自分の好みの性質にプログラムさせた | 洗脳 |
ベクターシグマの鍵 | メガトロン | センチュリオン | 一時的 | 行動を命令 | 命令 |
ベクターシグマの鍵 | サイバトロン | ドロイド | ? | 行動をプログラム | 命令 |
ひきおこされた戦争 | アルファートリン | OP、エイリアル | 恒常的 | 人格が完全に変化 | 洗脳 |
ブルーティカスの復活 | LW | ドロイド | 恒常的 | 行動を命令 | 命令 |
サイバトロンの逆襲 | メガトロン | サイバトロン | 恒常的 (可逆) |
性質を変える | 性格変化 |
BC・ブルース | S.W. | 人間 | 一時的 | 催眠の効果が及ぶ限り 行動を操る |
完全支配 |
令嬢より愛を込めて | デストロン | 人間 | 一時的 | 記憶を読むらしい。未遂。 | 他 |
びっくりする程たくさんありますね。
この中で私が興味があるのは、「洗脳」と「性格変化」です。
まず性格変化を見てみましょう。
言及エピソード | 操作を行ったキャラ | 被害者 | 効果時間 | 備考 |
スペースブリッジ作戦 | メガトロン | バンブル | 一時的 | メモリチップに細工し、記憶を混乱させた |
デバスターを倒せ | WJ他 | デバスター、ビルドロン | 一時的 | ドミネイター・ディスクの効果が及ぶ限り服従させる |
インセクトロン・ シンドローム |
ボンブシェル | S.W.、ジェットロン | 一時的 | セレブロ・シェルの効果が及ぶ限り服従させる |
サイバトロンの逆襲 | メガトロン | サイバトロン | 恒常的 (可逆) |
性質を変える |
ポイントは、操られている側の意識が一応あり、自分で考えて動いたり、普通に喋ったりすることです。しかしその状態は「正常な」状態ではありません。敵の味方についたり、通常の判断力や善悪の区別、価値観などが意図的に修正され、本来ならばありえない行動規則に則って行動します。また、操られていた時の記憶は曖昧だったり、まったくなかったりします。支配を脱した後はすっかり元通りになり、影響は残りません。
洗脳
言及エピソード | 操作を行ったキャラ | 被害者 | 効果時間 | 備考 |
ソーラーエネルギーを盗め | サイバトロン | ギアーズ (サイバトロン全員) |
恒常的 | シークレットセンサースキャン回路を外すと、余計な義務感から解放される。 |
謎の巨大隕石 | サイバトロン | ダイノボット | 恒常的 | 反逆できないように安全回路が組み込まれている |
コンピュータの反乱 | メガトロン | トルク3 | 恒常的 | プログラムを書き換えた |
オメガスプリームの秘密 | メガトロン | その辺のTF、ビルドロン、オメガ | 恒常的 | ロボスマッシャー 性質(思想?)を変える |
ベクターシグマの鍵 | メガトロン | スタントロン | 恒常的 | 自分の望む性質にプログラムさせた |
ベクターシグマの鍵 | OP | エアーボット | 恒常的 | 自分の望む性質にプログラムさせた |
ひきおこされた戦争 | アルファートリン | OP、エイリアル | 恒常的 | 人格が完全に変化 |
ポイントは、それぞれの影響を受けた状態が、彼らにとっては既に「正常な状態」になっているということです。そしてその影響は恒久的に続くものです(更に言えば不可逆的なものがほとんどですが、例外もあります)。
彼らは、ある特定の人間の都合の良いように、本来のあるべき人格を操作されています。その支配は間接的でありより巧妙で、支配者の作為を他人の目から覆い隠しています。被支配者は一見して彼ら自身の自由意志を持って行動しているように見えます。私はこの点で、これら洗脳の方が、上の性格変化よりも余計にタチが悪い悪質なものであると考えます。
スタントロンとエアーボットに関しては、誕生前にメガトロンとコンボイ司令官がそれぞれベクターシグマに新メンバーの性質について注文をつけただけ(要求が通ったとは限らず、実際に両者とも新メンバーの操縦にてこずっています)ですから、除外しても良いかも知れません。トルク3は元々生命体ではありません。そうすると、残る4つの内3つはサイバトロンの、しかも内部で行われているものなのです。しかもその内容がよく見ると結構えげつないと思うのです。
シークレットセンサースキャン回路と、ダイノボットの安全回路は共に大変抑制的かつ強制的なものです。仲間であるTFに、ありのままの気持ちを感じることを禁じ、始めから判断力を取り上げて、行動を制限しているのです。OPとエイリアルに至っては、記憶は残っている(しかし完全ではない)ようですが、元々あった人格が消え、傍から見れば全くの別人になってしまっています。彼らは負傷して意識のない状態でアルファートリンの元に運び込まれたのですから、彼ら自身が事前に人格の書き換えに同意していたとは考え難いでしょう。彼らのパーソナリティがTFの生命そのものであることを考えれば、これはほとんど殺人です(※欄外注)。普通、このような、相手の尊厳を踏みにじるような行為は悪役の専売特許ではないでしょうか? サイバトロンは秩序を守るために個人の自由意志を抑圧しています。コンボイ司令官の言うところの「生命と自由を守る」とは一体どういう意味なのでしょうか。
(※注)私は、TFはあくまでロボットであり、彼らの生命の根源はパーソナリティ・プログラムであり、ひいてはそれが宿るマイクロチップであると考えています。BWやマイクロン伝説にある「スパーク」のような超科学的なものは全く考えていません。
2003.8.31