シリアスかと思いきや、ラブコメ以外の何者でもありませんね、このシリーズ。大前提としてラブラブなのが原因か。当人同士は大真面目なんだけど、びみょーにすれ違ってるというか、実はすれ違っていることにも気付いてそうだけど、やっぱりそのまま突っ走る、みたいなところがお笑いなんでしょうか。私は真面目に書いてたんですけどね。おかしいな。(笑

 毎回、メガトロンの説教を大人しく聞いているOPですが、彼は大体その場の雰囲気に流されてるだけで、実は彼の考え自体はちっとも変わってません。メガトロンの話も半分ぐらいは聞いてません。ただ、彼が自分のことを思い遣って、一生懸命してくれるなあということを感じてとても幸せです。彼は、メガトロンが強引に自分に話をさせようとするのを、有り難いと思っています。「他人に本当の自分を見せてはいけない」という考えは、彼の人格に刷り込まれています。("Dialog"で書いてしまいましたが、)やっぱり、彼は愛というものがわかりません。話の中での彼は非常に弱く、頼りないですが、これは彼が公の場を離れて、一人でいるか、もしくはメガトロンと二人だけ、という状況で見せる姿である、ということを改めて強調しておきたいと思います。そしてこれは、私の中では原作の彼とかけ離れたイメージでは、ないのです。部分的に誇張しているとは思ってますが(笑

 メガトロンはメガトロンで、OPの心の内は、表面的に分析を試みるだけで、実は全然理解できてません。そして彼も、OPの話の細部はあんまり聞いてません。というか聞いても理解できません。でも、彼の気持ちをそのまま肯定してやりたいと思っています。自己表現が彼の全人格を支えています。彼は自分の話を黙って聞くOPを可愛いやつだと思っています。致命的な欠点として彼は非常に鈍感ですが、これは同時に彼の強さの基となる長所でもあります。彼は愛というものを心の底から信じています。

 この二人、お互いに理解し合うことは多分一生できません。理解し合うには、彼らの精神構造はあまりにも違っています。理解できたと思ってもそれは錯覚でしょうが、それは幸せな錯覚で無害ですから勝手にやらせておきましょう。OPには、絶対の自己肯定に支えられたメガトロンの、常に堂々とした精神の持ちようは想像できないし、メガトロンには、絶対の自己不信に捕らわれたOPの不安を実感する事はできないでしょう。しかしそれでも、彼らにはお互いに相手を大事にしたいという気持ちがあり、自分の理解を超えた部分を尊重しようという意思があります。そして相手が持っている、自分にはない部分に強く惹かれています。だから二人は非常に上手く行っています。

2004.2.10