The Gohst In The Program
オマケ



乱れた呼吸が落ち着くと、グランドコンボイはそっと体を離した。

「泣き言はこれくらいにしておこう。こんな姿・・・本当のお前に見せたら、きっと笑われるからな。」

グランドコンボイが自嘲するように呟くと、ガルバトロンはおやという顔をして見せた。

「誰がプログラムだと言った?」

グランドコンボイはごく自然な彼の様子に一瞬怯んだが、自分の気持ちを沈ませるように肩を落とした。

「だってそうだろう、お前は・・・」しかしその先を口に出すことは恐ろしく、彼はそこで口をつぐんだ。

ガルバトロンは彼の肩に片手を置いて、子弟に言い聞かせるように言った。

「お前はわしが”死んだ”と思っているようだな。」

グランドコンボイは何も言えなかった。頷くことも否定することもなく、彼は俯いた。

「お前はわしがスパーク諸共、跡形なく消えたと思うのか? スーパーエネルゴンに飲まれたまま、成す術もなく太陽の糧となったとでも?」

彼自身の口からそのような言葉を聞きたくなくて、グランドコンボイは視界を遮断し、乱暴に首を左右に振った。取り残された者にとっては残酷な事実を、信じたいと思うはずがなかった。いずれはそれを受け入れなければならないとしても、それには時間が必要なのだ。

「お前にわしの意地を見せてやると言ったろう。もう忘れたのか? 尤もお前はわしの言葉などほとんど聞いておらぬようだったが・・・」

「―――ちょっと待て。」

黙って聞いていた彼の台詞に聞き捨てならない物を感じて、グランドコンボイはがばりと顔を上げた。いくら自分の記憶が作り出した都合の良い夢とはいえ、ガルバトロンの言い草は少しばかり現実的で、露骨すぎやしないだろうか?

数瞬の後、減速運転の思考回路から弾き出された結論に、グランドコンボイの青い双眸が瞬いた。「まさか・・・そんな、」

二人の視線が合った。グランドコンボイはガルバトロンが否定の言葉を発するのを待ったが、しかし彼は何も言わなかった。ただ自信に満ちた得意げな顔があるばかりだった。

たっぷり十数秒間見詰め合った後で、グランドコンボイは呆然と繰り返した。「まさか、」

「これもわしの根性と愛のなせる業だな。」ガルバトロンは豪快に笑った。そして本気とも冗談ともつかない真面目な顔で、にやりと笑った。「愛は次元を超越するのだ、容易くな。・・・知らなかったか?」

「ああ・・・知らなかった。」

「大事なお前が、わし恋しさに日々泣き暮らしていると聞けば、化けて出てやるのが甲斐性というものだ。違うか?」

「なっ・・・」

グランドコンボイは呆気にとられて、しばし言葉を失った。

「まったく、お前は・・・そんなことを言うのはお前くらいだ。」

ガルバトロンはにやりと笑った。「せめてもの意趣返しというやつだ。負けっぱなしはわしの信義に悖るからな」

「はは・・・お前らしいな・・・」

笑いながら、グランドコンボイの胸には次々と湧き上がるようにガルバトロンへの愛しさが込み上げた。意思に反して流れる涙を止めることができず、しかしそれに構わずグランドコンボイは微笑を浮かべた。

「ここで・・・また会えるか?」

ガルバトロンは頷いた。「お前が望む時にはいつでもな。」

グランドコンボイの両腕がガルバトロンの頭を強く抱き寄せた。情熱を孕んで焼けた呼吸が口付けを誘うのに、ガルバトロンにはそれを拒む理由があるはずがなかった。





おわり








同人的萌え的ラストバージョン(意味不明
プログラム立ち上げればいつでもあなたに会えます状態です。

こっちのガルバトロンは本物です。
一度は太陽に消えた彼ですが、何をどうやったのか、セイバートロンの
コンピュータを通して再び実体化(データだけだけど)しています。
件のプログラムに入り込んだTFにとっては、そこは現実の世界と何の変わりもないので、
こうなればもうグラコンにとってガルバさんは生きているのと同じ訳ですね。

せっかく作った前向きなムードをブチ壊すオチになってしまう上、
ガルバさんがコンピュータから出てこれないという不便がありますが、
まあ彼も新たな宇宙創造の片手間で遊んでるってことで。
やっぱりラブラブイチャイチャが楽しいよね!


ま、ほんとはガルバさんはもういないと思うけど☆ (身も蓋もねえ


2005.1.4