■ 低容量ピルについて その2 2002年04月26日記


低容量ピルの服用者となって1年と2ヶ月が経過しました。その期間で感じたことなどを書き留めたいと 思います。

1)低容量ピルの副効用と副作用:
生理痛もほとんどなくなり、出血量も減り、月経も周期的にきます。初潮から悩まされてきた中間期出血もまったく無くなりました。 中間期出血が1週間近く続いていたので、月の半分は血を流していました。その不快さが無くなったことだけでもかなり心身ともにラクになりました。
非常に毎月の生理が軽くなりました。(実際は(正確にいうと)排卵していないので、月経様の出血があるということなのですが。) 最初の6ヶ月はトリキュラー、引っ越してからの9ヶ月はシンフェーズを服用しています。トリキュラーの最初の1シートの第3週目くらいに 一度吐き気があった程度で、これといった副作用はありません。体重も産後のダイエットを順調に続けられています。

2)日本における低容量ピルの普及について:
低容量ピル処方において、産婦人科医での対応については気分を害することもありました。詳しくはここでは記しませんが。
最初に低用量ピルを処方してくださったA医師は非常に信頼できる医師で何でも相談できる方でしたが、 その後引越し先で処方をお願いした産婦人科などでは、あまり前向きに低容量ピルを処方してくれるという感じではありませんでした。 半年おきに、血液検査や癌検査などをするようにといわれ検査も自由診療なので全額自己負担で2万円近い出費となりました。 ピル先進国の欧米と比べると比較にならないほど高額の自己負担額です。
ピル服用中の検査などについても各医師によって考え方は異なるようです。 ピル解禁から2年たってもあまり普及しない理由の一つとして産婦人科医の対応もあると思います。 欧米では問診のみで、内診や血液検査などはハイリスク(喫煙者や血栓症の疑いなど)でなければほとんどされないようです。 もちろん子宮ガン検査などは年齢的に30歳をすぎていたりすれば年1回は受けるなどの必要はあると思いますが・・・、その場合も 市町村が費用補助して検査を実施していることが多いのではないでしょうか。

本当に女性の体のことなどを考えている産婦人科医であれば低容量ピルをもっと積極的に薦めてもいいのではないかと思いますが、 保険外診療のため患者側の自己負担が重いということで、あまり積極的にも薦められないというジレンマもあるのではないかとも 感じます。副作用の多い中容量ピルが保険診療が可能ということから、いまだに処方されることが多いというのも、なんともおかしな 話だと感じます。

低容量ピルについて色々とネット上で調べました。色んなサイトがあります。肯定的なサイト、反対的なサイトなどなど。 色々な情報を読み取った上で個人の判断にゆだねたいとは思いますが、私は依然、肯定的な見地に立っています。

また、残念ではありますが、日本が中絶大国であることは知られざる真実です。
10代の若年層から40代まで。望まない妊娠。産みたくても産めない諸々の理由から中絶せざるを得ないのかもしれません。 私は同じ女性として中絶する(した)女性を非難するつもりなどは毛頭ありません。 中絶して心も体も傷つくのは女性だからです。それも生涯、心の中に痛みを残したままになると思います。 心も体も傷ついた女性をそれ以上責め立てることなど決してできません。

だからこそ、女性の体は自分達で守るべきだと思います。
傷つく前に自分でまず守ることです。その意味でも低容量ピルはもっと普及してもよいと思っています。

また、現代の日本の女性の社会進出や晩婚化・非婚化などを考える上でも低容量ピルの副効用をもっと積極的に使ってもよいと 思います。
排卵を抑制する=卵巣を休ませるということです。
一人の女性が子供を4−5人産んでいた時代と比べて、現代の女性が初潮から閉経までの間の排卵と月経の回数は断然多いそうです。 (1度の妊娠・出産で卵巣は2年間くらいは排卵をせずに休めるので。妊娠期間と、授乳期間など。) つまり、それだけ卵巣も休むことなく毎月毎月排卵し、そして子宮も毎月毎月子宮内膜を厚くしているのです。 よって、卵巣が傷つく機会も増え、子宮内膜症の率も増え、という現代女性の病気の罹患率を高めているのだと思います。

低用量ピルの普及=性の乱れを心配する向きもありますが、 果たしてそうでしょうか?ピル先進国の欧米で「乱れ」や「性犯罪」が日本以上にひどいでしょうか? 現代においては、あまりその差はないように思います。 ピルを飲んでいても性病は防げないということからも、「ピル」=「性の乱れ」と安直な図式は成り立たないと思います。

私はしばらくあと1年くらいは低容量ピルを飲み続けるつもりです。
月経時の大量出血。生理痛の強い痛み。月経前・中の不快感などなど。中間期出血の不快感などなど。 男性には理解しがたい不快さを 1年の4分の1くらいは感じて生活していたのです。それで男性並の仕事や激務をこなしてきていました。 体に支障がきたすのは時間の問題だったかもしれません。手遅れになってしまうまえに・・・と思います。
私の場合は息子を身ごもったことで、自分の体のことを考え直させる良い機会を与えてくれたと思っています。

日本の現代女性ももっと低容量ピルについて知識を深め、肯定的に使用されてみてはと思います。 特に、生理不順などで悩まれている方、キャリアを積み上げている方、など。 「低容量ピル」=「避妊」という利用法だけではなく、 副効用について大いに知るべきだと感じます。

女性として、「女性の心と体」を守りたいという気持ちから低用量ピルをお薦めします。

ただし、産婦人科医が肯定的に処方してくれる方々ばかりではないというのは現状としてあります。 前もって電話で問い合わせる、ネットで情報を仕入れるなどして、低容量ピルや女性の体についてしっかりとした考えをもたれた 医師と出会えればと思います。 私が参考にしているサイトや書物などがいくつかあります。ご興味ある方はメールでも聞いてください。