接触編4  「つまらないけど魅力的というのが第一印象 」

「いやー、全身の穴という穴から液体を出したっつの。

 しかしアレだよな。人間って何で吐き気とか感じるんだろ?

 三半規管うんぬんとかいうのはわかるんだけど、吐くことによるメリットなんて何にもないじゃんか。

 これって神様の明らかな設計ミスだよな。っておい、聞いてる?」

 

揺れてない地面に足がついたとたん元気になった清瀬をしりめに、私は私で、駅の構内の人間たちを観察することでその街の性質を見極めようとしていた。

まず最初に目についたのが、故梶原一騎にクリソツなヤクザとその一団。次にビール飲みながら一人で大声で空に向かって話しかけている労務者風の初老の男。そしてひたすら普通の子連れ観光客たちがちらほらと。若者っぽいのは居ない。

ここから推理するにこの街は、

・地元ヤクザが強い力を持っている

・治安が悪い

・あんまり若い(ナウい)人は来ない土地である

・・・だと判断された。いい感じに、私好みの街だ。

※石和温泉駅前通り。

見事に何も無いが、何故かSATY(でかいスーパー)が「どーん」という感じで立っていた。

清瀬曰く「なんか雰囲気が東久留米と似てる気がする」 (TДT) 確かに

 

「で、どうするよ、これから?」

「ホテルのチェックインが15時からだから・・・あと3時間くらいあるな」

「とりあえずブラブラすっか」

駅の観光地図を見ると、見事に観光地が少ない。宝石博物館って何だ?寺の一件も見当たらないし。

その中で、唯一目に触れたのが山梨のワイン工場の一つ。工場見学が出来るという。

酒の工場見学・・・。つまりはタダ酒が飲めるって寸法か。

清瀬の方を見ると彼もその結論に達していたようで、

「だな」

と短く言った。

行き先決定である。

 

発動編1

 

 


 

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