第十一話「光に向かって」


放送日:84年6月14日
脚本:辻 真先
絵コンテ:小鹿英吉
演出:小鹿英吉
作画監督: 安彦良和


怪物に追い詰められる悠宇。

「ゴーグ!たすけて!たすけてーっっ!」

その声を聞いたゴーグが闇の中動き出す。

「ああっ!ゴーグが動いたわ!」

一足先に現場に向かっている船長を追い抜いて、怪物を大砲で殴りつけるゴーグ!
ボコボコと殴りつづけ、ついに怪物の外骨格を割り、倒す。
怪物の内部の内臓や血がびちゃびちゃと飛び散る。

「あ・・・ありがとうゴーグ・・・。壊れてなんか、いなかったんだね?よかった・・・ゴーグ。」
「悠宇!」
「あ、船長?」
「大丈夫か、悠宇。この島にはどんな危険があるのかわからんのだぞ。」
「でも、アロイたちが・・・。」
「それならなおのことだ!なぜこのオレに知らせん!」
「あ・・・はい・・・。」

この頃、悠宇は段々船長に父性を感じつつあった。

Drウェイブは怪物の破片を拾っておおはしゃぎ。
「こいつは、生き物じゃない。ロボットだよ!」
「でも、血を流してるわよ。」
「違う、これは流体の伝導回路で明らかにわれわれのものとは違う、異質のメカニズムなんだ!」

だが、GAILの哨戒艇があらわれ、 逃げる一行。

「ゴーグが歩いていく。西の入り江の方に行くみたいだ!」
「行くぞ、トメニク。」
「よし来た!」


一方GAILは怪物の残骸を発見するも、それ以上は船が進まない。
船員たちが、この入り江の奥から聞こえる謎の咆哮(「悪魔のささやき」)におびえて動こうとしないのだ。

その様子にいらだつオドンネルとロッド。


また、旧島に戻ってきたアロイとサラは、裏切り者として迎えられ、話を聞いてもらえない。

「ふん、おろかものめ。」
「勝手に抜け出したおまえらだ。勝手に戦って死ぬのもよかろう。」
「わっはっは・・・。」

「ホツマツア、みんなを助けて、お願い!」
というサラの懇願に
「あたしが行ってやろうじゃないの。このあたしがね。」

と答えたのは、グーガー一味を引き連れたレイディ・リンクスであった。
「あんたたちが行くと?」
「そうさ、あたしたちよそ者が行くというなら、何も文句は無いでしょ?・・・あの船長ならあたしの知り合いさ。いっしょにいるという東洋人の子供も、学者さんもね。神の使い・・・とかいうのは知らないけど、なんなら、そいつもついでに助け出してやろうじゃないか?」

それを聞いた、ホツマツアは口を開いた。

「よかろう・・・行ってもらうとしよう。」

喜ぶアロイとサラ。しかし、ホツマツアは何か腹にイチモツありそうであった。


悪魔の声におびえるトメニクを励ましながら、ついに入り江の終点に来るビーグルとゴーグ。だが、突然船長は大笑いをはじめる。怪訝になるドリスたち。

「こりゃ、おわらいだ。とんだ悪魔の種明かしだぜ。見ろよ、アレを。」
「・・・なぁ〜るほどぉお〜。」
「よせる波があの穴に跳ね返って、せまい入り江全体にこの音が木霊するから、ああいうゾッとしない音声になったというワケだ。お気に入りの悪魔がいなくなって、おあいにくだな、トメニク先生?」

ゴーグを追って穴に入るビーグル。

満ち潮で入り口が消されたため、GAILはゴーグとビーグルを見失ってしまう。


入り江の洞窟の奥には、人口のトンネルがある。

「わああ・・・異星文明の名残だ!そうでなくてはこんなところにこんなモノがあるワケ無い!降りる!僕は降りるぞ!3万年前の建造物をこの手で触れてみたいんだ!イヤッホーッ!おおーい、みんな来てくれ、このトンネルは、未知なる文明への掛け橋だったんだ!」
はしゃぐDrウェイブ。


一方、アロイとサラを送り出したホツマツアたち。

「得体の知れぬ者ども・・・大事ありませんかな?」
「GAILと戦って難破したというが、どこまで信用できるものやら・・・。」

「捨てておけ。いずれに転んでも、われわれには関わりなきこと。GAILともども島のケガレとしてぬぐいさられるなら、それもよかろう・・・。アロイたちにはかわいそうだが、厄介払いはいたし方あるまい?フッフッ・・・」


古代のトンネルを進むビーグル。

「でも、ゴーグはどこまで行くつもりなのかしら?」
「きっと元のコースに戻ったんだ!ぼくをつれていこうとしてGAILに邪魔されたじゃない!トンネルのおかげで近道を見つけたんだよ!」
「ふ・・・それはどうかな?」
「いや、そうだ。それに違いない。今や最後の目標に向かいつつある。ついに何もかもあきらかにされるんだ!」

トンネルの先に光が見え、一行が駆け昇っていくと、 外(絶壁)に出る。
眼下には一面の湿地帯が広がっているのだった・・・。

TUNE IN TO THE NEXT
THE SAME GORG TIME
THE SAME GORG CHANNEL


感想

問題のトラウマシーンその2、触手オバケのスイカ割りが行われる回。

とびちるピンク色の内臓器官は、機械とは言え十分グロい。友人の中道は私がゴーグと言ったところ、最初にこれを思い出したらしい。まったく、インパクトにおいてはとてつもないアニメ作品である。

後半は、ほぼ全編探検シーンについやされ、視聴者はまるで自分がオウストラルの謎を追っているかのような錯覚にとらわれてしまう。
また、最後に暗いトンネルを抜けて眼下に広がるグリーンマットを望むところで引くあたりも、かなり気持ちのいい終わり方であった。


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