第三話「嵐の船出」


放送日:84年4月19日
脚本:塚本裕美子
絵コンテ:浜津 守
演出:浜津 守
作画監督:安彦良和


南の島サモア諸島のタフナ空港に到着した一行。Drウェイブは「いよいよ我がオウストラルへーっ!」と上機嫌だ。だが、船長は一行をジャパニーズ・バーに連れていき、その裏口から廃墟を抜け一軒の家の前までやってくる。

「船長、待ってましたデスよ!」

そう、ここはオウストラルに渡る手はずを整えてくれる現地人の家であった。


「では明日の晩には低気圧が来ると・・・」
「ええ、超一流の大嵐まちがい無しデスよ。」
ガッカリするDrウェイブ。しかし船長は「実によいタイミングじゃないか。」と涼しい顔。
「え?」
「わからんのかね。オウストラル島のGAILの警戒網をかいくぐっていくのはそう簡単に行かん。その目をかいくぐるには絶好の隠れ蓑だ。」

船は窓から見えるレインメーカー山のふもとにあるという。なお、この山は有名なモームの小説の舞台になっている。


翌日、島の観光を楽しみながらレインメーカー山へ向かう一行。ロープウェイでは高所恐怖症のDrウェイブが怖がるものの、非常によい景色で、悠宇とドリスははしゃぐ。

「ずいぶん高くなったねー。」
「そうね、あれ、アルゴスのボートじゃないの?」

このとき、ロープウェイの振動で倒れこんできた女性は、こっそりとドアのロックを外す。そのドアにもたれかかったドリスが落ちかかっている間に、銃をつきつけられる一行。

「動くんじゃないよ、死んでもらおうか・・・?」

だが、一瞬のスキをついて二人のチンピラを倒す船長。ピンチを脱したと思いきや、ヘリコプターからの銃撃を受ける一行。「GAILだ!」だが、ライフルでDrウェイブを狙う殺し屋を、逆にマグナムで撃ち殺したのはやはり船長であった。


そのころ、GAILの専用ジェット機の中で、部下に「オウストラルに出没する正体不明の影」の件で叱っているロッド。その影は、レーダーにも赤外線探知機にもひっかからず、莫大な被害を与えたものだという。

「もういい、いけ!・・・オレにとって、退屈な場所にならんでほしいとは思っていたが、オウストラル島か、期待を裏切らんでくれ・・・!」


用意された漁船の中で、私服から探検用の服に着替える一行。悠宇はどれを来てもブカブカ。

「あたしはピッタリよ!似合うかしらん?」
しかたないので、子供用の服で間に合わせると意外とこれが悠宇に似合う。
「リビングストンのせがれさん、いっちょあがりというところだな。」

そうして、嵐の夜、ついに一行はオウストラルに向けて船出する。だが、それを見送る現地人は、「よくあんな恐ろしい島へ行くもんだ・・・」と一人ごちるのだった。

出航直後、島のGAILに砲撃を受ける船だったが、そのときクーガーコネクションによるGAILへの砲撃が始まった。

「レイディのおおせだ。GAILの邪魔だけはやってやりすぎる事はねえからな!」

このため、なんとかその真下を潜り抜けて海に出ることができた一行。


嵐の中の航海が続く中、船長のいる操舵室に入ってくる悠宇。「船室に入っていたまえ」と言われても聞く耳もたず、操舵を手伝おうとする。

「船室に入っていたまえ!」
「ぼくら、島へ行くだけなのに、なんで撃たれたり命を狙われなきゃなんないんです!」
「それだけの価値のあるものが眠っているだからだろうさ」
「どんなものがあるかは知らないけど、その為に人殺しなんて!・・・僕のお父さんを殺したのもGAILなんだね、僕は行くんだ、行って見てやる!オウストラル島に何があるかを!あなたはどうなの船長、どうしてあなたは島に行くの!?こんなにまでしてさ!」
「Drを助けたいからさ、親友だしな。」
「ウソだ!それだけじゃないでしょ!」
「フフ・・・元気いいな。」


一方、GAILの専用ジェットは一行よりも早くオウストラル島に降り立っていた。

「ようこそ、Mrバルボア。オウストラル支社をおあずかりしていますサムウェル・ゴトーです。」
「宝捜しには難儀しているようだな。なんでもえらくじゃじゃ馬らしいじゃないか。・・・オウストラルの宝というやつは!」


嵐もやみ、順調な航海を続ける悠宇たち一行。だが、突然アルゴスの様子がおかしくなったのを皮切りに、船が大きく傾く。外にいた悠宇とドリスはあやうく落ちかける。

「ここは危ない!早く中に入るんだ!」

だが、今度は逆に傾く船。逆方向にずり落ちる悠宇。

「い・・・いったいどうなってるんだ!?」

突然のトラブルにも動じず、必死に舵を切ろうとする船長。だが、その船長の手が止まる。

「な・・・なんだ・・・!?」

触手。金属質の触手のようなものが、船体に絡みつくのを船長は見た。

「せ、船長、一体コレは!?」
「危ない!こっちへ来るな!」

謎の触手により船は大破。一行は海に放り出される。だが、彼らの眼前には巨大なオウストラルの威容が屹立しているのだった。

「これが・・・オウストラル島・・・!?」

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感想

この回の見所はドリスのパンモロに尽きる。

後半、謎の怪物によって船が傾いた際に、看板を滑っていくシーン。この時、アングルがドリスの真下である。健康的にスケベだ。

また、この回においてようやく現実以外のモノが登場する。謎の怪物のデザインは秀逸であった。機械とも生物とも、タコとも貝ともつかないその姿は、どこか「新世紀エヴァンゲリオン」の使徒に似ていてインパクト満点だった。

なお、この回もゴーグのゴの字も出ない。


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