第九話「闇の中へ」


放送日:84年5月31日
脚本:塚本裕美子
絵コンテ:吉永尚之
演出:菊池一仁
作画監督:安彦良和


地底湖の岸にたどり着いた一行。「少しは時間が使えそうだな・・・。」と、修理・補給を行うことになる。
悠宇は、座るゴーグを見上げ、「つかれてるんだね、ゴーグ・・・。」と語りかけているが、アロイは少し面白くない。

「いや〜近くで見るとホント大きいなぁ。スチールでも鋳物でもなさそうだし・・・。」

Drウェイブはゴーグに興味シンシンの様子。悠宇が胸の中に入ったことを聞くと、

「な・・・なに、キ、キミは中に入ったのか!い、いったい、どんな風だった!?いや、自分で見てみよう、それが一番だ!ハシゴだハシゴ!胸の中に入れるなんて、ゾクゾクするねぇ〜・・・。」

だが、ハシゴをかけるのに失敗し、地面に倒れてしまうウェイブ博士。壁面に何かの刻みを発見する。

「いたた・・・ン・・・なんだ?おーい!みんな来てくれーーっ!み、みんな見てくれ。これはきっと何かの目印だよ。そうだよ、ゴーグはこれを僕らに教えたくて、ここに連れてきたんだ!みろよ、この刻みは・・・。」
「ホントに目印?アレ。」

ドリスは半信半疑で船長に意見を求める。

「うーん。わからんな私には。それよりも修理の方が先だ。難しいことはDrにまかせておけばいい。」

と、船長は大人の意見。


いつのまにかいなくなってしまったDrウェイブ。

「探して頂戴、アルゴス。兄さんがいないの。」

ドリスの指示でアルゴスは、横穴を示す。

「兄さん、兄さーん!どこよ!どこにいるのよ!」
「オレが探してきてやるよ。まかせとけって。」
とアロイ。

「ドリス、ぼくも行ってくる」
と、悠宇もまたDrウェイブ捜索に加わる。


そのころ、GAILシティでは、ロッドのもとに「人型の頭に乗った少年」の情報が届いていた。

「名前は・・・田神悠宇13歳。父親は東京で事故死?・・・ほぉ、オウストラルに関する調査をしていたのか。・・・事故死だと?フッフ・・・ニューヨークに来たのはDrウェイブ・・・ああ、秘書課のジェフがミスったっていうアイツか・・・。」


暗い洞窟を進む悠宇とアロイ。アロイは妙に悠宇につっかかる。

「怖かったら、先に行ってやるぜ?」
「おどろいただけだよ!怖いもんか!」

そのうち、アロイが先に先にと行きすぎたため、迷う二人。
突然足をすくわれ、落ちた白ミミズ(直径20センチくらいの巨大なミミズ)のウジャウジャいる穴で悠宇は電灯を落としてしまう。

なお、先に進もうとするアロイを制止する悠宇に、アロイは食ってかかる。

「じゃあ、おまえは一人で帰れるっていうんだな?おまえなんか、ゴーグがいなけりゃ何にもできないくせに!」
「そ、そんなことないよ!」
「じゃあ、何ができるんだよ!銃も使えないくせに!おまえみたいのが神のお使いと話ができるなんて信じられねぇや!」
「できるからできるんだよ!アロイはできないじゃないか!」
「おまえができるって証拠がどこにあるんだよ!それとも、神のお使いは弱虫を見捨てるわけにはいかないのかな?」
「・・・何だい。神のお使い、神のお使いって、ゴーグはそんなんじゃないよ!」
「ホツマツアが言ったんだぞ!神がGAILを追っ払ってくれるってさ!」
「ホツ・・・何とかなんて知るもんか!」
といがみ合う。


そのころ地底湖岸では、ドリスが悠宇の心配をしている。

「悠宇・・・。」


「?」
「どうした?」
「呼ばれたような気がしたんだ。」
「ゴーグにか?」
「今のは違う。ゴーグは眠ってる。」
「やっぱり話なんかできないんじゃないか。行くぜ!」
「今だけだよ!」
「あーあ・・・神のお使いもおまえなんかにかまってないで、早くGAILをやっつけてくれりゃあいいのに・・・。」
「GAILなんてどうでもいいんだ!・・・ゴーグにとって大事なのは行き先なんだ!」
「ゴーグはGAILをやっつけるんだ!」
「違うってば!」
「何が違う!おまえ、GAILの味方すんのか!?」
「するもんか!あ、あいつら・・・父さんを殺したんだ!」
「・・・ホントウか、それ・・・親父さんが、GAILのやつらに・・・?」

そのとき、地底に住む巨大なサンショウウオ(体長2〜3mくらい?)が悠宇とアロイを襲う。

「わああーーっ!」

鍾乳洞を手に、勇敢に立ち向かう悠宇。アロイも岩を使って助勢し、なんとかサンショウウオを撃退する。
血みどろになった悠宇を介抱するアロイ。
自分のソデを破って、水を染込ませ、悠宇に飲ませる。

「そ・・・そのソデ・・・。」
「あ、これ?ヘ・・・ヘヘ・・・」
「は、はははは・・・」
「アハハハハ!」

と、アッサリと和解する二人だった。


地底湖岸では、ゴーグがようやく目を覚まし、立ち上がる。
調べていたDrウェイブをやんわりと地上に降ろすと、湖に向かって歩き出す。

「ゴーグが!」
「動いた、ゴーグが動いた!」


「ゴーグが呼んでる・・・。」

と洞窟を走る悠宇とアロイ。行き止まりに出る。

「おい、行き止まりだぜ悠宇!」
「あ、ああ!」

だが、その壁をぶちぬき、逆光とともに現れたゴーグの手が差し伸べられた。

こうして生還した二人は、 いつのまにか、肩を組んで笑いあう友達になっているのだった・・・。

TUNE IN TO THE NEXT
THE SAME GORG TIME
THE SAME GORG CHANNEL


感想

閑話休題というか、インターミッションのような回。おかげで、ストーリーのまわりを固める人間関係や小ネタを、さりげなく説明することに成功している。

なお、この回ではたくさんの巨大ミミズが蠢く穴に悠宇が落ちてしまうシーンが出てくるが、これが結構いやらしい。
また、サンショウウオとの格闘シーンでは、ともかく2人とも血と体液でドロドロになる。これまたショタの人にはたまらんのじゃないかというくらいやらしい。やはり安彦監督はああいうのが好きなのかもしれない。

・・・・あ、なお、誤解の無いように言っておくが、現在の段階において、私はショタでは無い。



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