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車軸藻類とは

最終更新 2017.9.8


車軸藻類(しゃじくもるい・しゃじくそうるい)は 湖沼やため池・水田など、水中にはえる藻類(そうるい)です。
いるところにはうじゃうじゃといますが、いないとなれば全く見当たりません(あたりまえか?)。
全体の大きさ(長さ)は種によって違いますが、10センチ〜50センチぐらいが一般的でしょうか。
たいてい、「なんとかシャジクモ」とか、「ほにゃららフラスコモ」てな名前で呼ばれています。

淡水の「藻(も)」というと、形の定まらない、もやもやっとした緑のもの
アオミドロっぽいものの絵 (こんなかんじ?)

というイメージかなあと思いますが、 こいつは(なまいきにも)「水草」っぽい形をしています(水草のことも「も」っていうけどね)。

中心に主軸(しゅじく)があって、そこから放射状に小枝(しょうし)が伸びるのが特徴です。
陸上の、スギナ(つくしの「親(本当は栄養茎)」・シダ植物)に似た形かと。

カタシャジクモの写真  主軸と小枝の説明図
水草のなかではキンギョモ(マツモ)に似ているような似てないような?

水草っぽいけど水草じゃない?

一般に「水草」と呼んでいるものは植物(種子植物(しゅししょくぶつ))です。
陸上で進化した植物が、水中に進出したものです。
根・茎・葉から出来ていて、水や栄養分を運ぶための維管束(いかんそく・道管(どうかん)や師管(しかん)などをまとめたもの)を持ち、花が咲き、種子を作ります。

車軸藻類は藻類です。水中で進化してきた生き物です。
根・茎・葉の区別はありません。もちろん維管束もありません。花も咲きません。
「アオミドロ」や「ミカヅキモ」と近い仲間です。ただ、これらの単細胞のものとは違い、多細胞生物です。
単細胞のものに近いのに、植物のように体が大きいのにはからくりがありまして、植物が細胞をレンガのように積み上げて体を作っているのに対して、こちらは

(車軸藻類の基本構造)

1個1個の細胞を常識はずれに大きくして、数少ない細胞で大きな体を作っているのです。
特に主軸なんて10cm位あるのに1細胞。すごい。というより無茶でしょ、、、。

(節細胞と節間細胞)

主軸も小枝も、上の図のように、大きな細胞(節間細胞(せつかんさいぼう))の間に小さな細胞(節細胞(せつさいぼう?))がある構造のくりかえしで、主軸からのびる小枝や、後で出てくる苞(ほう)や皮層(ひそう)など、付属品的なものはすべて節細胞から作られます。単純でしょ。

細胞数が少ないので、手にするとなよっとしていることが多いです。
細胞が積み重なっていません(あとで出てくる「皮層」のことはとりあえず無視)から半分透けているし、体が基本的に円筒の集合(端に円すいなどもあるけど)で角張ったり平たかったりしないことで植物とは区別できます。
石灰分をよろいのようにまとって白っぽく、硬めになっていることもあるので注意。独特の臭気があったりもします。


絶滅危惧分類群?

以前は各地の湖沼や水田に普通に生えていましたが、とくに湖沼においては 水質汚濁などのため絶滅しつつあるようです。
水中にいるので、ただでさえ人の目に触れにくい上に、花も咲かない、華奢で地味 (野外で表面にいろいろ付着してたりすると、とっても地味)な生物なので、本当に 「人知れず」消えていっているようです。
環境庁(省)の「レッドデータブック」にはたくさんの車軸藻類がリストアップされています。


原形質流動

高校の生物の教科書にはちょぼちょぼ登場します。
たとえば、「細胞」の中の原形質流動(細胞質流動・細胞の中身が動いている)の 項目で流動が速くて観察しやすいものの代表として登場したり、その仕組みが説明されていたり。


   オトメフラスコモの原形質流動。すごいいきおいでしょ。

   ホシツリモ小枝基部の肥大した節細胞の原形質流動。でんぷんの粒?があるので分かりやすいかと。

ついでに オオカナダモの原形質流動 もどうぞ。