鈴原透慈さん宅訪問

2003/02/03

鈴原透慈さんのお宅にお邪魔させていただいた。

ホームページを通じて知り合った方とお会いするのは初めてなので、一体どんな
方なのか気になって仕方がなかった。

HPの内容からすると年齢は僕と同世代か、それより少し上くらい。

アニメファンらしいので、ネクラのオタクっぽい方かとも思ったが、このオーディオサイ
トを見る限りではそんなことはない。


鈴原さんの行動力は半端ではない。

できることは何でも実践している。

オーディオ機器、ケーブル、電源まわり、ラックなど手をつけられるところはすべて
対策をされているのである。

なんとご自分で録音機材を担いで生録にも挑戦していらっしゃる。

僕も生録には興味があるが、ポンと機材を買って録りに行くだけの行動力はな
い。

なかなかできるものではない。

ネクラなオタクなんてとんでもない。

いったいどんな人なんだろうか。


実際にお会いしたところ、年齢は想像していたより少し上だったが、その他は想
像通り(HP通り)の人だった。

温和で人当たりがよく、細やかな神経の持ち主。

部屋を一歩入るとあまりにも整然としているのに驚いた。

僕の部屋とはえらい違いである!

そして、それからしばらく鈴原さんの装置を見せていただいたが、これでもかという
くらいの詰めようである。

僕ならば「こんなん適当でええんちゃうん!」と思って放っておくようなところにもち
ゃんと対策が施されている。

抜けがないのである。

鈴原さんはHMA-9500MK2を2台所有していらっしゃるのだが、なんとこの2台で
音が違うのだそうだ。

僕に判るかなぁ?


こんな鈴原さんの装置から出る音、装置の感じだけで行くとハードでシャープで
ダイナミックな高剛性サウンドを想像してしまうのだが、どちらかと言うと
ソフトな音である。

ソフトという表現は適切でないかもしれない。

高品位サウンドという言い方のほうが正しいだろう。

切れがありハイスピードだが、温和で人当たりがよく、細やかな音がするのである。

とても我が家のスピーカーと同じ物が鳴っているとは思えない。

オーディオは使う人によって全く違う音が出るとよく言うが、要するにその人がでる
のである。


4時間程じっくりと聴かせていただいたが、その中で最も驚いたことはADの音のよ
さである。

僕自身オーディオを始めた頃はADしかなかったので、当然CDが普及する以前は
ADを使用していた。

7万円ほどのマニュアル機で、アームやシェルにブチルを巻いたり、リード線をエポ
キシで固めたり、とちゃんと使いこなしをしていたのだが、ここで聴くADは全く別物
であった。

いわゆるアナログサウンドとは縁遠いもので、鈴原さん自身も「うちではCDとAD
の音の差はない」とおっしゃっていた。

こんな音を聴かされると僕もまたADを始めたいと思ってしまうのだが、残念ながら
ハードが手に入らない。

こんなことなら買っておくべきだったと思うのだが、当時まだ学生だった僕にはどう
頑張っても手の届かないものだったのでこればかりは仕方がないのである。

あと、鈴原さんが生録された「花火」をリクエストして聴かせていただいたのだが、
これがまたとんでもないものだった。

茫然自失!思わず口をポカンとあけてしまった。

超ハイトランジェントの花火が目の前で炸裂するのだ。

これが生録ならではの録りっぱなしの音なんだろう。

普通のCDでは聴いたことがない。

しかしながらこの「花火」はver.1のもので、実はver.2があると言う。

パソコンのインレットに鉛のテープを巻きつけると音が激変したということで、
それで作ったものだ。

ただ当日はver.2が見当たらず、1のみの試聴になったが次はハードを変えてさら
にver.3を計画中だという。

すぐにCD-Rを分けていただくようにお願いした。

焼きあがるのが楽しみだ。


最後に我が家での装置の使いこなしにアドバイスをいただいた。

現在CD→パワーアンプ直結でアンプ内蔵のボリュームを使用しているが、これを
ちゃんとしたものに交換してみてはどうかということだった。

近い将来パワーアンプのグレードアップを計画しているので、どのみちプリアンプが
必要になってくる。

しかし高級プリは買えない。

中途半端なプリを使うくらいなら高級ボリュームを使用したボリュームボックスを使
ったほうがいいわけだ。

そこで近日中にアルプスのRK-501を使用したボリュームボックスを作ることにした。


僕の部屋の改造はほとんど終わっているのだが、現在ふすまとクローゼットの扉の
交換作業中である。

これが完了したら、今度は鈴原さんにお越しいただくことになっている。

今回の訪問で僕は多くのことを勉強させていただいて非常に有意義だったが、
正直鈴原さんが僕の部屋に来られてもほとんどお役に立てないのでは?

などとついつい不安になってしまう。