12月6日(土) ホームページ一時休止のお知らせ |
気が付けば前に更新してからもう1年が経ってしまった。 もともとこのホームページを始めた目的は、日常生活やオーディオで起こったこと などを記録しておくため(記憶力が悪く忘れてしまう)と、情報公開である。 当時は長岡式バックロードホーンD-58ES(FE208ES)を使いこなそうと、試行 錯誤を繰り返していた。 あの頃は熱かった。 部屋の改造から始まって電源ブレーカーからのダイレクト配線設置、ユニットの改 造、デジタルグライコ、単体DAC、ついには国産ハイエンドのパワーアンプまで導 入した。 本当に良くやったなと思う。 でも結局それでも満足する音では鳴ってくれなかった。 これだけやってもまともな音の出ないスピーカー、他の人のところではちゃんと鳴っ ているのだろうか? そう思ってD-58ES使いの何軒かのお宅の音を聴かせていただいたが、みんな涙 ぐましい努力をしているにもかかわらず、根本的にはどこも同じだった。 マルチアンプや高級ツイーター、ドライブ系はハイエンド、それなのに… 共通した欠点というのは以下の2点。 @低域およそ100Hz〜150Hzのホーン開口からの共鳴音 A中域(女性民謡系が特にわかりやすい)のヒリヒリ感 これらは使いこなしによりある程度目立たなくすることはできるが、完全に無くす ことは非常に困難なようだ。 またユーザー自身が、気になる人と全く気にならない人がいたのも面白かった。 共鳴音が盛大にボーボー鳴っているのに使っている本人はそのことに全く気づい ていないとか、ヒリヒリと耳に突き刺さってくるボーカルを生っぽくて自然だとか、人 によって感じ方だけではなく気になる点、重視する点が全く違うということがわか った。 @Aどちらもツイーター(高域)のレベルを上げるとか、クロスを下げてマスキングさ せるとわかりにくくなるが、根本的な改善にはならなかった。 また元々ハイ上がりのスピーカーなので、至近距離での試聴だと低音が聴こえ なくなってしまう(これは板の材質によるものではなく、箱の設計によるもの)。 これをバランス良く聴くにはツイーターのレベルを下げるか、クロスを上げるかして、 低音とのバランスを取らないといけない。 しかしそれをやってしまうと今度はナローレンジの、共鳴音ボーボーの音になって しまいどうしようもない。 また距離を取れば高域が減衰してバランスはよくなるが、だからといって決して開 口部からの共鳴がなくなるわけではない。 などと書いていくとなんだか訳がわからなくなったが、とにかくもうどうしようもない状 態に陥ってしまった。 そしてついにD-58ESを手放す決意をし、市販品(B&W Nautilus802)を導入 してびっくり。 今までの努力と導入した他の機器の能力が一気に溢れ出してきた感じで、まさ に蛇口全開! ポン置きでも、D-58ESに大きく差をつけた。 当時は好みの問題だと言う人もいたが、そういう次元の話ではないとわかってい る人はたくさんいると思う。 導入後にセッティングを中心に少しいじったりして、ほぼ満足できるレベルになっ た。 でも満足できる音を手に入れたのと引き換えに、僕の趣味としてのオーディオは 終わってしまった。 そんなわけでもうホームページで公開するような情報もなく、このまま放置しておく のもどうかと思うので、一旦休止とすることにした。 次は、広いところに引っ越してオーディオができる環境になった時に再開するつも りだ。 2年先、3年先になるか…ずっとこのままかもしれない。 今は引っ越してサブシステムを構築しているが、集合住宅の狭い部屋でのリビン グ兼用なので本格的なオーディオは不可能。 中級プリメインと中級CDPとの組み合わせでスピーカーは色々変えた。 B&WのCM1、Signature805、Nautilus703、ジョーダンのローコスト、ケンウッドの トールボーイ、エラックのBS-203A、kenbeさん自作DB、長岡製10cmBH、他に も何か置いたかもしれないが忘れてしまった。 最終的にはアクースティックラボのボレログランデという小型トールボーイに決定。 恐ろしく美音で、小音量でも豊かに良く鳴る。 美音すぎて嘘臭いが、細かいことは気にしない。 帰宅後に癒されるのにはこういう音が一番! …とまぁ、今はこんな感じだ。 日常のどうでもいいような日記はmixiに書いているので、お知り合いの方にはそ ちらで近況を報告していきたい。 D-58ESについてはこれまで、はっきりとしたコメントを避けていた。 それはまだこのスピーカーを使用している人がいたからで、その人達にしてみれば このようなことを書かれては決していい気はしない。 それでも「あぁ、さかずがまた何か言っているなぁ〜」と軽く流してくれればいいのだ が、市販スピーカー導入当初には長岡教信者とおぼしき人達から怖ーいメール をいくつか頂戴したこともあり、迂闊なことを書けない状況でもあった。 でも、もう何年も前のことだし、今ではFE208ES-Rも発売されてD-58ESも過去 のスピーカーになってしまったわけなので、今さらむきになって攻撃されることもな いだろう。 そう思って書くことにした。 今まで経験して身にしみてわかったことは、D-58やスワンなどの自作スピーカー は、ベニア合板やシナ合板などの安い材料を自分でカットしたり、ホームセンター 等でカットしてもらい、それを自分で組み立てた場合はローコストで非常にCPが 高くなるのだが、それを「いい材料」とか「プロの組み立てで」とかなってくると一気 にコストは跳ね上がり、すぐに市販品とのCPは逆転してしまうということだ。 例えば、D-58ESの場合、仮にサブロク6枚で、1枚1万円、カット代2万円、その 他接着剤やネジ、塗装代が2万円として計算したら箱代に10万円かかることに なる。 208ESが2本で8万円、ツイーターにT-500Aが13万円、コンデンサーや内部配 線、端子等が1万円としたら全部で32万円也。 う〜ん、シナ合板仕様ホームセンター仕様でも結構するなぁ(汗) ここが限界か。 これをMAKIZOUでシナアピトンでカットしてもらったら11万円、それに副資材が 2万円として13万円。 以下同文で37万円。 おお、ただのシナ合板ホームセンター仕様よりも数万円高いだけなら絶対にこっ ちかな?? でももうこれ以上は… 金子木工でシナアピトン合板で組み立て、塗装までしてもらうと58万円! それにユニット+コンデンサー+内部配線でなんと80万円近くになってしまう! 個人的な意見を言わせてもらうと、32万円や37万円の材料費+組み立てにか かる時間と労力を考えたら、同じ金額でヤフオクでひと世代前の定価70〜80万 円の中古を買ったほうがずっと幸せな音楽生活が送れる。 少なくとも、僕達がしたような苦労は味あわなくても済むだろう。 金子木工製の80万円となったら、これはもう中古でひと世代前の定価150万円 のハイエンドスピーカーが買えてしまうのだ! CP重視の長岡先生もびっくりである。 ここまで来たら行くところまで行くしかない。 「音が悪いのは使いこなしのせい」 怖いねぇ〜この言葉。 このD-58ESはどう使っても決してまともな音じゃ… いや、広い部屋だとちゃんと鳴るんだろうな〜きっと。 あ、もうこの辺で止めておこう。 |