ΔΥΟΓΡΑΜΜΑΤΟΝ
 


ノイス・グノーシスの神聖象徴図形として使用する模様は、上に表示されているように、「二つの象徴記号」の組み合わせから構成される。この二つの象徴記号の組み合わせを、ここでは、「デュオグラマトン Dyogrammaton(Δυογραμματον)」と呼ぶ。これは、ユダヤ教・キリスト教の「神の名」を示す、「神聖四文字(テトラグラマトン)」との類比において、このような呼称を付けるのである。従って、「デュオグラマトン」とは、「神聖二文字」というような意味になる。

この象徴図形は、左に、無限の記号(∞)を縦と横に組み合わせたような、「四つ葉のクローヴァ形の記号」があり、右に、右巻きの螺旋というか、「渦巻きの記号」があり、この二つの記号で表現される。これは、ノーディンクの言語で、子音表記文字として定義されているもので、従って、これらの記号は、「文字」であり、一定の音価を持っている。それらが何であるかは、ここでは述べない。あくまで秘教的象徴記号として、提示するにとどめる。

しかし、子音表示文字としての音価は示さないにしても、これらの二つ(デュオ)の記号の「象徴的」意味は、或る程度説明可能である。最初の左の記号は、仮に「永遠文字」と呼ぶと、横の右の記号は「無限進化文字」とも呼ぶことができる。

左の「永遠文字」は、時間の循環と回帰を示しており、水平と垂直の二重に重なっていることより、これは、「この宇宙」の無限時間の循環性と、このアイオーンと垂直に交差する「永遠宇宙」の永遠時間の無限循環性の両方を意味し、従って、地上的意味において、「永遠」であり、永遠的意味において、循環永遠そのものである。この記号は、「永遠と完全性」を象徴している。

他方、右の「無限進化文字」は、円としての循環完全性から「時間の生成」による、現象の展開を象徴しており、それは、内部へと「深化」して行く螺旋であると同時に、外部へと発散、進化、開展して行く、発現の「無限可能性」の意味を持っている。「無限進化文字」は、永遠性・完了性・循環性の対極にあるとも言え、それは「時間性」を象徴するが、単なるクロノスとしての時間ではなく、カイロスとしての「開示的創造的時間」を意味する。「立ち昇ること(ピュエイン,phyein)」とは、この螺旋の「無限進化文字」が象徴し、創造と進化、そして精神性の深化もまた、この記号が象徴する。

「永遠文字」と「無限進化文字」の二つの組み合わせによる「デュオグラマトン」は、「永遠性・循環性」と「無限性・進化可能性」の統一合成としてあり、永遠(アイオーン)とクロノスの時間のあいだに実存を立てる、人間の存在の究極の目標、すなわち、「超銀河のプレーローマ永遠性」を象徴し、ノイス・グノーシスでの「叡智(γνωσις)」を象徴する。

「薔薇十字(Rosenkreuz)」は、永遠にして女性原理としての「薔薇」と、男性原理で、時間のなかの精神性を象徴する「十字」の統合象徴であり、これは「完全なる両性具有」を象徴すると共に、「天と地」の統合、空間と時間の統合、従って、「永遠の神性」を象徴するが、「デュオグラマトン」象徴記号は、薔薇十字の象徴意味を、四重に展開させたものだとも言える。「永遠文字」一つの象徴に、「薔薇十字」の統合象徴の意味が組み込まれており、人間の実存の内面への深化と、外面への進化の二つの位相を象徴する「無限進化文字」と組み合わされるとき、「デュオグラマトン」は、「両性具有にして、創造的永遠の叡智」を象徴するからである。

ノイス・グノーシスにおける、「四位の主」の紋章が、「デュオグラマトン」でもあり、これは、統合された「四位の神」の象徴模様でもある。ノーディンクの言語では、この二つの子音文字が示す単語は、発音が困難であるが、「愛」を意味する言葉になる。ただ、その「愛」とは、「原愛(proteroos)」とも呼ぶもので、人間と人間のあいだの愛でも、人間と神のあいだの愛でもなく、かつ、それらを同時に意味する根元的な「愛の原型原理」である。

「四位の神」の名は、「愛」であり、「叡智」であり、その「愛」は、根元のプレーローマの現象空虚点における、発現回帰、すなわち「消一原愛」を意味している。超宇宙の永遠神であるプロパトールは、その創造と永遠の源泉を、虚空と無の彼方の《上主》に規定しているが、しかし、超宇宙的開示真実の位相においては、このヴィジョンは幻像(エイドーロン)に過ぎない。《上主》は、宇宙の存在性の反射点として、仮想的に要請されているのであり、プロパトールとその超天使たちの圏域をめぐる、人の「神話的把握」も、幻像にしか過ぎない。

それでは、永遠開示的真実における、宇宙と超宇宙、アイオーンと超アイオーンの創造と流出、永遠の循環と、絶え間ない生成の根元の「真実」は何であるのかと尋ねれば、そこには、「叡智」の開示の答えがあるとしか言えない。一切の「グノーシス神話」は、幻像反射(エイコーン)であるが、それらの総合的な相互反射の模様の彼方に、「真実と叡智」は、永遠の刹那において結像し、或る真実の姿を現すのである。

それは、では何であるのか。「デュオグラマトン」の光輝の彼方に、答えが象徴として示されている、とサンダルフォンの星座教母ツェツィーリア・プラティナは述べるのである。現在より、およそ、三万年未来のことであると、アルト銀河天使フォーゲルヴァイデは傳えたと、私たちの伝説に語る。


Marie RA. S., Meisterin G.

 
 




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