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心魂(しんこん・たましい)  [G] psyche


[G] psycheψυχη, psyuukhee, hee)
[L] psyche, f, [D] Psyche, die (プシューヒェ), Seele, die (ゼーレ)
[E] psyche, soul, mind, [F] psyché, la

  人間を構成する三要素の 一つ。肉体と対になって、人間の地上的存在を構成している。地上的な精神 (ヌース nous)とも云える。ヌース(理法・宇宙精神)は、永遠不滅なものと ギリシア古典哲学では考えられたが、魂・心魂は、ヌースの要素を持ちつつも、 地上において可壊であり、死と共に滅びて消える。しかし、解釈的には、心魂 の「或る部分」は、永遠なる「霊 pneuma」と共に、永遠の世界である本来的 世界(プレーローマ)へと帰還し、永遠性を保持できる可能性もあると考えら れる。

  (ヘレニク・グノーシス主義諸派において、秘教的要素がもっとも大で あるとも云える、ヴァレンティノスの教えによる「三種の人間」すなわち、「魂 の救済」が本来的に既定である「霊的人間」と、救済の可能性が一切無い「質料 的(物質的)人間」、そしてその中間の叡智の学習と修行・修練次第では、魂の 永遠的救済の道も開ける「心魂的人間」の三類型構造は、人間の「霊・心魂・肉」 の三元構成に丁度対応している。古典ギリシア哲学来の「人間の永遠的部分」は 何か、と云う問題と、ヴァレンティノス派やグノーシス主義に一般するこの人間 の三元構成論は対応しているとも云える)。




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