山口博士建築図集



明治32年〜35年(竣工)  兵庫縣廳(在神戸)
この建物(旧南庁舎)は建築家山口半六が兵庫県庁舎として設計し、明治35年に
竣工した近世フランスルネッサンス様式の代表的作品であります。         
当時この種の建造物としては規模、優雅さともに日本一の博しました。      
この作品は、第1回公共建築賞を受賞しています。

神戸市中央区下山手通4丁目4番1号
    外観は現状保存し、レンガ造を鉄筋コンクリートで補強、窓桟の形状、唐草模様、
   外周柵門番所等を建設当時に復元、南側中央の屋根を曲面マンサード状の屋根
   に復元しました。                                       
   昭和58年から改造工事に着手し、昭和60年4月に兵庫県公館としてオープン 
   しました。                                          

旧東京音楽学校奏楽堂

 重要文化財
   (建造物)





 台東区上野公園
        8−43

奏楽堂は、旧東京音楽学校(現東京芸術大學)の講堂兼音楽ホールとして、
明治23年(1890)5月に建てられたものです。
設計は文部省技師山口半六と久留正道が、音楽設計は
上原六四朗が、それぞれ担当したと言われています。
建物の構造は、木造総二階建て、桟瓦葺で中央家と翌家から構成されて
おり、奏楽堂は、中央家二階にありました。
かまぼこ型の中央天井、床下や壁面に藁束などを入れて音響、
遮音等の効果を図るなど、工夫を凝らした、
音響効果の素晴らしさには定評があります。

資料提供・東京都教育委員会


旧第四高等中学校本館(1棟)
重要文化財 昭和44年3月12日指定

明治24年(1891)8月 山口半六・久留正道 設計
国(文部科学省) (石川近代文学舘 金沢市広坂2−2-5)

 設計者の山口半六と久留正道は、文部省会計局所属の建築家で、一高にはじまる
いわゆるナンバースクール旧制高等中学、後の旧制高等学校の建築を手掛けた。
彼らの作品で現存するのは他に熊本の旧五高本館がある。
山口は、フランスのエコールサントラールで建築を学び、とうじの日本では、帝国大學を
中心とするイギリスを範とする傾向の中にあっては、やや異端の存在であったが、
この建築は、ラテン的な抑制のきいた明快さがよく表れている。
よく焼き締められた赤レンガを精密に積み込んだ壁面に、白煉瓦の線や焦茶色の
レンガの質感や意匠に深みを出し、端正で清楚な構成、静けさが感じられる名作である。
 雇いの外国人の手ではなく、大學で正規の西洋建築のの教育を受けた
日本人建築家の作品としては、全国で最古の現存例に属する。
昭和60年「石川県の文化財」より

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