外観は現状保存し、レンガ造を鉄筋コンクリートで補強、窓桟の形状、唐草模様、
外周柵門番所等を建設当時に復元、南側中央の屋根を曲面マンサード状の屋根
に復元しました。
昭和58年から改造工事に着手し、昭和60年4月に兵庫県公館としてオープン
しました。
設計者の山口半六と久留正道は、文部省会計局所属の建築家で、一高にはじまる
いわゆるナンバースクール旧制高等中学、後の旧制高等学校の建築を手掛けた。
彼らの作品で現存するのは他に熊本の旧五高本館がある。
山口は、フランスのエコールサントラールで建築を学び、とうじの日本では、帝国大學を
中心とするイギリスを範とする傾向の中にあっては、やや異端の存在であったが、
この建築は、ラテン的な抑制のきいた明快さがよく表れている。
よく焼き締められた赤レンガを精密に積み込んだ壁面に、白煉瓦の線や焦茶色の
レンガの質感や意匠に深みを出し、端正で清楚な構成、静けさが感じられる名作である。
雇いの外国人の手ではなく、大學で正規の西洋建築のの教育を受けた
日本人建築家の作品としては、全国で最古の現存例に属する。
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