「私クラシック好きだよー」と言ってるとたまに

「じゃあどんな曲がオススメ?」

なんて聴かれます。


う…オススメできるほどにまでは詳しくないんだよ…
中途半端なクラシック好きでスミマセン。

こんな私ですが精一杯オススメできる曲を選んでみました。

クラシックと言っても合唱・声楽系に偏ってるんですが
まだ聴いたことない〜という方は是非一度聴いてみてください♪




古典的クラシックを聴きたいアナタは
モーツァルト「レクイエム」


かの大作曲家・モーツァルトが死の間際まで書き続けていた作品。
結局彼自身は最後まで作曲できないまま死んでしまったのですが、彼の弟子の手によって仕上げられることとなりました。

作曲にいたるまでのことも結構有名なお話。

ある日モーツァルトは、不気味な「灰色の服の男」から
「レクイエム(死者のためのミサ曲)を作曲しろ」という依頼を受けます。

実はこの男はある貴族がつかわした使者でした。
その貴族はモーツァルトに作曲させたレクイエムを、亡き妻に捧げる自作のものとして発表したかったので
こういったカタチでこっそり依頼したのですが
モーツァルトはこの灰色の男を、死神あるいは父親の亡霊ではないかと思い込み
まるで彼自身のためのレクイエムであるかのように命を削って作曲にのめりこむのです。


大作曲家が、残りわずかな命を賭して手がけたこの曲。
そのせいか、どこか鬼気迫るようなほとばしりを感じます。


超有名なのが3曲目の「Dies irae(怒りの日)」。
最後の審判の日に対する畏れを描いたこの曲は、たとえ歌詞の意味がわからなくてもその迫力に圧倒されてしまいます。
よく映画やTVのBGMに使われてるから、どこかで聴いたことがあるはず。
近いところでは映画「陰陽師」や「バトル・ロワイヤル」でBGMとして使われていたようですよ。

私のお薦めは「Lacrimosa(涙の日)」。
モーツァルトはこの部分を作曲している途中で、息絶えたといわれています。
哀切きわまりない美しい曲。
ラストの「Amen」が心を打ちます。




とにかくハデなのが好き!なアナタは
オルフ「カルミナ・ブラーナ」


「O Fortuna(おお、運命の女神よ)」の大合唱で始まるインパクト大な曲。
合唱も盛りだくさん(男声合唱&女声合唱&混声合唱&ちびっこ合唱)だし、太鼓はドンドン。
銅鑼は響くはオケはじゃかじゃか鳴るはよくわからない楽器はでてくるわ…。
もうなんというか、どんちゃんお祭り騒ぎな曲なんですよ。

というのも、この曲はキリスト教の堅苦しい儀式のために作曲されたとかじゃなくて
中世ヨーロッパのお坊さんや学生が書いた詩が見つかった、じゃあそれに曲をつけてみよう!
とまあ、かなり世俗的な内容なわけです。

酔っ払いがくだをまく歌だとか
今まさに丸焼きにされようとしている白鳥の歌だとか
あとはかなりエッチい曲もあったり
(「若い男女が小部屋に入ってすることといえば〜」ってアンタ(汗))。

気まぐれな運命の女神に翻弄される人間たちの儚さ。
そんな儚いものならば、酒飲んで歌って恋して楽しんじゃえ!っていう人間賛歌でもあります。

最初と最後の曲「O Fortuna」は、CMやバラエティ番組でしょっちゅう流れてるので
聴けば「ああ、これね〜」ってわかるハズ。

とにかく、歌詞の意味とかわかんなくても、聴いてて楽しい曲です。




癒されたい…アナタは
マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナより『間奏曲』」


この作曲家自身はあまり知られていないかもしれません。
イタリアの歌劇作曲家なのですが、ヒットしたのはこの「カヴァレリア・ルスティカーナ」のみという…
いわゆる一発屋(^^;)


ですがこの曲は秀逸。
とくにその中でも「間奏曲」は珠玉の名作なのです。

この歌劇はシチリア島を舞台に男女の恋愛模様を描いたものなんですが
悲しんだり怒ったり嫉妬したりしてるうちにいざ決闘!
というドロドロ人間臭さのぷんぷん漂うモノ。

「間奏曲」はそんな中で、お口直しというか清涼剤のような役割を果たしています。
激しい曲と曲の間にさしはさまれるこの曲は、静かでさわやかで
私のイメージでは月夜に湖面に浮かぶ小船のよう。

弦楽器が美しい旋律を奏で、ハープの音色がそれに控えめな華やかさを添えます。


ちなみに、ドラマ「白い影」でサントラとして使われてました。
聴いていると、心が静かに落ち着いてきます。




外国語よくワカラナイヨというアナタは
武満徹「死んだ男の残したものは」


現代日本を代表する作曲家である故・武満徹氏の作品。
同じく現代日本を代表する詩人である谷川俊太郎氏の詩に作曲したものです。

音楽とともに、詩もじっくり味わってほしい曲。
音楽とコトバとが一体となりメッセージを伝えられる「歌」というものの凄さが感じられる曲です。

死んだ男の残したものは
ひとりの妻とひとりの子ども
他には何も残さなかった
墓石ひとつ残さなかった

死んだ女の残したものは
しおれた花とひとりの子ども
他には何も残さなかった
着もの一枚残さなかった

死んだ子どもの残したものは
ねじれた脚と乾いた涙
他には何も残さなかった
思い出ひとつ残さなかった

死んだ兵士の残したものは
こわれた銃とゆがんだ地球
他には何も残せなかった
平和ひとつ残せなかった

死んだかれらの残したものは
生きてるわたし生きてるあなた
他には誰も残っていない
他には誰も残っていない

死んだ歴史の残したものは
輝く今日とまた来る明日
他には何も残っていない
他には何も残っていない



やっぱクラシック駄目だわ、というアナタは
映画「天使にラブソングを…」


修道院に逃げ込んだクラブ歌手によって
修道女たちが音楽に目覚め、見違えるような聖歌隊にうまれかわる…
という、現代版「サウンドオブミュージック」(?)。

とっつきにくいイメージの賛美歌も、この映画にかかればノリノリのゴスペルに。
歌そのものは決して上手とはいえないのですが
そのエネルギーと「歌うの楽しい!」という気持ちは十分すぎるぐらい伝わってきます。

ちなみにこの曲、わが母校の合唱コンクールでは定番でした。
歌うのも聴くのも楽しいもんね。

歌ってるのはノドではなくてハートなんだ、ということを教えてくれる名作です。






これからもオススメの曲、どんどん紹介していきますね♪