馬  名 斤量 騎 手 単勝 1978年01月22日
1 3 3 ジンクエイト 52 清水英 20.1 1回京都8日目 第競走
2 6 6 ビクトリアシチー 50.5 福永洋   第25回 日経新春杯
3 4 4 タニノチェスター 58 久保敏   芝2400m良 9頭
4 2 2 エリモジョージ 60 池添   2.28.6
5 8 8 スリーファイヤー 49 小谷内   単勝 2,010円 5番人気
6 8 9 ホースメンホープ 57 小野   枠連 7,130円 番人気
7 7 7 ヤマニンバリメラ 52 池江   複勝 240円
8 5 5 マチカネライコー 51 柴田   290円
1 1 テンポイント 66.5 鹿戸   240円


粉雪の空に流星墜つ
 有馬記念を勝ったテンポイントは、翌年、海外への遠征プランが持ち上がるほどになっていた。 海外へ行く前に、もう一度ファンへテンポイントの勇姿をお披露目したいと出走してきた。 しかし、そのレースがテンポイントにとって最後のレースになろうとは・・・。
 このレースでテンポイントに背負わされた斤量は66.5キロ、こんな斤量は、現在ならば日本のジャンプレースでもまずあり得ない。 しかし、63キロを背負って圧勝した京都大賞典を見た誰もが、 そんな斤量には負けず堂々とゴール板を駆け抜け圧勝するだろうと信じていた。
 1月の淀。粉雪の舞い散る厳寒の状況の中、日本経済新春杯はスタートした。そんな状況の中で、厳寒の淀を酷量を背負ったテンポイントは例によって逃げた。 しかし、3コーナーを過ぎた頃に、テンポイントに異変が起きる。
テンポイントはよろよろと失速し始めたのだ。 「故障か、故障か、あっと故障か、テンポイントは故障か、これは故障か?」 杉本アナの悲痛な叫びにも似た実況が、テンポイントの置かれた状況の厳しさを物語る。 「これはえらいこと、これはえらいことになりました」 杉本アナはレースそっちのけでテンポイントの安否を心配する。 レースはジンクエイトという5歳の馬が勝ったのだが、もうそんなことはどうだって良かった。 目の前でテンポイントが大変な状況に直面しているのだ。・・・複雑骨折
 そういえばレースの当日、杉本アナは、テンポイントのオーナーである高田久成にこんなことを言っている。 「高田さん、何でテンポイントをこのレースに使うんですか?」
とんでもない酷量を背負わされることが目に見えているこのレースを敢えて使わなければならなかった理由は? 海外に旅立つ前に、淀のファンにその雄姿を見せたかった。いや、ファンが見たいという要望に応えてのものだった。しかし、テンポイントがどういう理由で使われたにしろ、66.5キロなどという途方もない斤量を背負わされ、 しかもレースは厳寒期に粉雪舞い散る寒空の下で行われていた。 故障が起きても不思議ではない状況は揃い過ぎるほど揃っていた。