barcy - ishibashi  Present's
        寄り道エッセイ
大森居酒屋ストリート  第一巻  第二巻へ



 

その1 先達(せんだち)

最近一人でよく行く居酒屋がある。
なかなか面白い親父が経営する小さな地酒のお店だ。

昨日は黒牛と住吉を飲んだ。ボクが飲む前に必ず彼が飲む。
味のチェックをしているらしいが多分違う。
飲みたいから飲んでいるんだろう。

今週彼の友達とヨットに乗るか?って誘われた。船酔いが恐ろしいし、
仕事もあるので行けるかは微妙だが、人生を楽しんでる彼の姿はステキだ。

飲食店の経営はすごく大変な事であるが、それだけで人生が終わってしまってはつまらない。
いい手本が地元にいてくれて幸せを感じる石橋であった。


            その2 色気とは・・・

                        チョイとお洒落な店内に、すうっと長いカウンター。
                        親父たちが夢中になる居酒屋が大森に誕生した。
                        何が彼らを虜にさせるのか、
                        その秘密を知るのにさほど時間はかからなかった。

                        カウンターのど真ん中に、30中頃の色っぽい女性が男を虜にしていたのである。
                        豊満なボディに真っ黒いエプロン。ついでに髪はソバージュ。
                        ここはフェロモン系居酒屋だったのだ。

                        地酒と焼酎を40種以上も取り揃え、肴も以外に充実している。
                        しかし男達はママを肴にウーロンハイだ。

                        ボクは新潟の清泉を飲んだ。こっちの方が色っぽい。ボクは黙って目を閉じた。


  その3 ちょいと一杯のつもりが

    知らぬ間に開店していた立ち呑み屋を発見した。
    スーツ姿で店に立ち寄り、中年のリーマン気取りでカウンターを陣取った。

    ジョッキ片手に野球中継。椅子も無けりゃお通しも無い。
    ここは一切の無駄を省いた親父たちのファーストフード店ってところか。
    ニコリともしない マスターと、さっぱり笑顔の奥さん?がキビキビ動いて心地がいい。

    少ないメニューの中から豚耳と芋サラダを注文した。
    期待をはるかに凌ぐ美味しさだ。
    たった40分でヘロヘロに酔っぱらってしまった。

    立ち呑みで長湯は禁物。
    会計を済ませ、振り向くとマスターが笑っていた。どうやら巨人が逆転したようだ。

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